「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回は「クアンタムミニスピナー」登場で脚光を浴びているショートウッドを中心としたセッティングについてクラブデザイナーと考えてみた。
画像: 「クアンタムミニスピナー」はどんなメリットがある?

「クアンタムミニスピナー」はどんなメリットがある?

ショートウッドは救世主的クラブ

みんゴル取材班(以下、み):4月に発売されたキャロウェイ「クアンタムミニスピナー」のラインナップはショートウッド(7、9、11W)だけ。女子プロの西村優菜と共同開発したということですが、アマチュアにはどんなメリットがあると思いますか?

宮城:アマチュアにとってショートウッドは救世主のようなクラブです。ただし、どんなにやさしいクラブでも合う、合わないは当然あるので飛びつく前にちょっと考えてください。

み:ショートウッドが自分に合うか合わないかはどうやって見極めたらいいですか?

宮城:スウィングプレーンがアップライトでアイアンのように振るタイプにはUTのほうが合います。「スピナー」は一般的なFWより半インチ短いけれどユーティリティはもっと短いからです。逆にプレーンがフラットでターフを取らずに打つ人には「スピナー」がすごくいいと思います。ショートウッドの欠点はレングスが長いことだけですが、半インチ短いことでそれが解消されるからです。

み:同じクアンタムミニシリーズで「クアンタムミニバフィ」というモデルがあります。ほとんどのFWは3Wの下が5Wですが、「ミニバフィ」は4Wのみ。「スピナー」と揃えると4、7Wという流れになりますが、これはありですか?

宮城:大いにありです。アマチュアプレーヤー目線でいえば3Wはなくなってもいいと思います。4Wとか3HLのほうが球は上がりやすくて飛ぶからです。ぼくも昔は「ゼクシオ」の4Wを使っていましたが同伴者の当たりの悪いドライバーショットよりも飛んでいましたから。

み:アマチュアあるあるですね。3Wは持っていても出番がほとんどありません。ところで同じ「クアンタムミニ」シリーズでも「バフィ」が低重心、「スピナー」は高重心設計とうたっています。番手によって設計が異なるのはなぜでしょう?

宮城:「バフィ」が低浅重心なのはフェアウェイから打ったときに高打ち出し・低スピンで飛距離を稼ぐためです。逆にショートウッドの「スピナー」はグリーンでボールを止めるのに必要なスピンを確保するために高重心になっています。また、ラフから打ったときに下をくぐらないようにするためにもフェースがディープになっています。ぼくも石川遼の「イーゾーン」を作ったときには3Wをシャローフェースにしてカーボンクラウンを採用、5Wはディープフェースでクラウンもステンレスで作りました。

み:そうなっていないモデルもありますか?

宮城:「クアンタムミニ」シリーズを見てもキャロウェイなんかはプレーヤーのニーズをよくわかって作り分けていると思いますが、最近は3Wもショートウッドもフェース高を変えずにロフトだけ寝かせて作っているモデルも多いです。

み:そうなると、FWを全番手同じモデルで揃えるのではなく、3Wや4Wは低重心、ショートウッドは高重心系モデルを選択したほうがいいのでしょうか?

宮城:ボールデータだけで設計して、実際のコースでの使い勝手があまり考慮されていないモデルもあります。飛ばしたい3Wや4Wは最新モデルから選んで、5W以下は昔のモデルというのもありだと思います。


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