
「LIVゴルフ・コリア」の様子を現地からお届けする
こんにちは。SPORTSBOX AI 日本アンバサダーの北野達郎です。今回は、韓国・釜山の「アシアドカントリークラブ」で開催されている「LIVゴルフ・コリア」の模様をお伝えします。
※「LIVゴルフ」とは?
4人1組の52名13チームに加えて、どのチームにも属さないワイルドカード枠5名の計57名の選手で、個人戦とチーム戦を競い合う。ブライソン・デシャンボー(以下、デシャンボー)やジョン・ラーム(以下、ラーム)をはじめとするメジャー優勝者も多数在籍しており、日本からは浅地洋佑選手が参戦している。
ローカルルールやコース設定など、選手ファーストが随所にある

会場はアシアドカントリークラブ。各所に池が配置されているが、距離は比較的短め
まずLIVゴルフの大きな特徴の一つに、各選手たちが別々のティーから一斉にスタートする「ショットガンスタート」があります。会場のゲートオープンが11時、スタートが13時05分と、かなり遅めの進行です。私は深夜便の飛行機で8時に釜山に到着して、そこから韓国の電車に乗り、会場近くの左天駅から無料のシャトルバスを使いました。
今回の会場である「アシアドカントリークラブ」は、かつて米LPGAツアーの「BMWレディス選手権」を開催した実績のあるコースです。コースは全長7024ヤード、パー70で池は随所に配置されているものの、コースは短めでラフもそれほど深くないので、選手たちにとってはロースコアを出しやすいコースと言えます。
また、前日に雨が降ったので、コースの状態はグリーンも止まりやすいコンディションでした。私が驚いたのはジェネラルエリアでボールを拭ける「プリファード・ライ」の救済が適用されていたことと、レーザー距離計の使用が認められていたことです。このローカルルールやコース設定など、基本的には「選手ファースト」の設定で、かなりプレーしやすそうな印象を受けました。
練習場ではドロー、コースではストレート、あえて球筋を使い分けるデシャンボーの戦略とは?

練習場の様子。チームごとに練習打席が決まっているので、誰が打っているかを見つけやすい
続いて、後半はデシャンボーのプレーを中心に観察したので、その内容を解説します。
まずデシャンボーの基本的な持ち球はドローで、練習場ではウェッジショット以外(アイアンショット〜ドライバー)はすべてドローを打っていました。
ドローの曲がり幅はおよそ10〜20ヤードの幅で、ミスショットしてドローがかかり過ぎた時は30ヤード近くカーブがかかり、「意外にドローのカーブが大きいな」という印象でした。その一方で、デシャンボーの少し奥で打っていたラームはストレートに近いフェードを打っていて、練習場ではデシャンボーよりラームのほうが曲がり幅が少ない印象を受けました。
ところがデシャンボーのプレーで驚いたのは、「コースでは、あえてドローの幅を抑えている」点です。ホールによってはストレートに近いフェードを打っているホールもあり、練習場よりも左右の曲がり幅を抑えて攻略していました。

デシャンボーの練習。練習場では持ち球のドローを練習していたが、コースでの球筋はストレートに近かった
この点をデシャンボーのコーチであり、今週は韓国でサポートしているダナ・ダールクイスト(以下、ダナ)コーチに質問してみました。
ダナによると、「デシャンボーは右へのプッシュを嫌うので、練習場では右手でフェースを閉じるようにリリースを促す練習で調整して、コースではその動きを抑えることで、フェース面をコントロールしている」ということでした。
このデシャンボーの戦略から学べるのは、「練習場とコースでの違いはあって良い」ということです。みなさんは、「なんで練習場とコースで球筋やスウィングが違うのか?」と悩んだことはありませんか?
昔からあるのは、「スライスとフックの中間がストレート」という考え方ですよね。しかし「ストレートだけを打つ」練習をすると、コースでいざ曲がった時、対処に苦労します。そこで、「自分の持ち球で球を曲げる練習をして、コースでは球のカーブの幅のコントロールをする」というデシャンボーの戦略は、大いに参考になるでしょう。
今回はLIVゴルフ・コリアの現地レポートをお伝えしました。PIF(サウジアラビアの政府系ファンド)からの出資打ち切りが決まり、存続が危ぶまれているLIVゴルフですが、 日本で開催されたアジアンツアーとの共催「インターナショナルシリーズ ジャパン」とはまた違った雰囲気や面白さがあり、実に興味深かったです。ぜひ、来年も存続してほしいです!



