全国から問い合わせが殺到するという、知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」。そのクラブナビゲーターを務める吉田朋広氏が、注目ギアを徹底検証・解説する。今回は、発売から5年以上経った今でも根強い人気を誇るテーラーメイド「SIM2 MAX」について、「三菱ケミカル」のシャフトに絞ったおすすめのマッチングを考察してもらった。

以前(4月28日)のコラムで「SIM2 MAX」とグラファイトデザイン「TOUR AD」シリーズのセッティングをご紹介しました。今回はそれに引き続き、「三菱ケミカル」のシャフトから厳選した3本とのマッチングをお届けします。

「SIM2 MAX」が長く支持され続ける最大の理由は、「チタンフェース」にあります。「STEALTH」から現行の「Qi4D」まで、近年のモデルはすべてカーボンフェースを採用しています。しかし、「最新のカーボンも打ったけれど、やはりチタンのほうが結果が良い」と感じているゴルファーが、今でも「SIM2 MAX」を手放せずにいるのではないでしょうか。

画像: SIM2 MAXヘッド

SIM2 MAXヘッド

日本の平均的なヘッドスピードのゴルファーにとって、硬めのカーボンフェースでは「ボールをフェース面上でしっかりと潰す感覚」が得にくいケースが多々あります。そういった方には、やはりチタンフェースのほうが違和感なく扱えるはずです。

そこで今回は、「SIM2 MAX」を愛用するヘッドスピード43m/s以下のゴルファーに向けて、2021年の本体発売以降に登場した「三菱ケミカル」のラインナップから、特に相性の良い3本を厳選しました。

オススメ1:ディアマナ BB 53

まずおすすめしたいのが、2024年9月に登場した「ディアマナ BB」です。

三菱ケミカルのフラッグシップである「ディアマナ」の誕生20周年を記念して発売されたモデルで、40グラム台から80グラム台まで全21種類のスペックを展開。シリーズの中で最も幅広い層に愛用されている「青マナ」系譜の最新作です。

画像: ディアマナ BB

ディアマナ BB

今回のテーマに合わせて提案したいスペックは、50グラム台の「53R」と「53SR」です。

王道の中元調子設計は、切り返しのタイミングが取りやすいのが特徴。特にこの2つのフレックスは、手元部分の剛性感が絶妙で、理想的なシャフトプレーンにのせやすく、しなりを活かしたスウィングエネルギーを効率良くインパクトに結びつけてくれます。

画像: 吉田氏のディアマナ BB 53R&SRの評価

吉田氏のディアマナ BB 53R&SRの評価

「SIM2 MAX」は弾道が上がりやすく、バックスピン量も多めに出ると感じている方が多いかもしれません。しかし、先端剛性が高められたこのシャフトを合わせることでインパクト効率が向上し、左右のブレを抑えた直進性の高い中弾道を実現します。平均的なパワーのゴルファーがしっかり叩きにいってもスピンが増えすぎず、ボールの吹き上がりを防いでくれるのです。

素直なシャフトのしなりを活かしながら、効率的なインパクトで飛ばすイメージが作りやすい、最高のマッチングと言えるでしょう。

オススメ2:TENSEI PRO BLUE 1k 50S

「SIM2 MAX」のヘッドに対し、「自身のスウィングでしっかり振っていきたい」と考える方も多いはずです。そんな方には、2023年発売の「TENSEI PRO BLUE 1k」がおすすめです。

「TENSEI」は、アメリカ市場のアスリートゴルファー向けに開発された三菱ケミカルの逆輸入ブランドです。現在、日本のPRO 1kシリーズは「ホワイト」「オレンジ」「レッド」「ブルー」の4モデルが展開されており(「PRO BLACK 1k Core」は別シリーズ扱い)、そのなかでも「BLUE 1k」は最もクセのない中調子設計となっています。

画像: TENSEI PRO BLUE 1k

TENSEI PRO BLUE 1k

おすすめのスペックは「50S」。ヘッドスピード43m/s以下のゴルファーに対し、あえてRではなく「Sフレックス」を選んだ理由は、スウィング時のエネルギーロスを防ぐためです。

三菱ケミカル独自の補強材「1Kクロス」を採用した54グラムのこのシャフトは、全体的な剛性感は「TENSEI」らしくしっかりしているものの、手元と先端はややマイルドに仕上がっています。そのため、シリーズ特有の「硬すぎる」という印象がなく、非常に扱いやすいのが特徴です。

平均的なパワーのゴルファーがあえて「S」を選ぶことで、シャフトのしなりすぎを抑え、シャープな振り心地を体感できます。結果として、高さのバラツキが少ない安定した中弾道となり、コースでランも期待できる推進力の高いボールが生まれます。

実際のラウンドでは、自分でしっかりとインパクトを作りにいってもブレにくい「少し硬めのシャフト」のほうが好結果につながることも少なくありません。操作性の高い「SIM2 MAX」にしっかりとしたシャフトを合わせることで、エネルギーをボールへダイレクトに伝えてくれるセッティングです。

画像: 吉田氏のTENSEI PRO BLUE 1k 50Sの評価

吉田氏のTENSEI PRO BLUE 1k 50Sの評価

オススメ3: VANQUISH VV 4

発売から5年以上が経つ「SIM2 MAX」。長年使用するうちにクラブ全体の重さが気になり始め、「少しシャフトを軽くしてみたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。そんなお悩みを解消するのが「VANQUISH VV 4」です。

画像: VANQUISH VV 4

VANQUISH VV 4

「VANQUISH」は、三菱ケミカルが超精密軽量ブランドとして2022年から展開しているシリーズ。2025年7月に登場した「VANQUISH VV」の「VV」は、“VANQUISH VELOCITY(速度)”の頭文字を取ったものです。

今回選んだ「VV 4」は40グラム台のモデルで、6つのフレックスから「R」と「SR」を推奨します。

Rフレックスは、40グラム台の中調子でありながらしっかりとした仕上がりです。大きなしなり感はなく、Rのイメージ以上にスッキリとしたフィーリングを持っています。一方のSRフレックスは、シャフト自体の捻じれやたわみがなく、さらに引き締まった印象です。

どちらのフレックスも必要以上にボールがつかまり過ぎず、バックスピン量も適度に抑えられるため、「SIM2 MAX」ユーザーが求めている要素をしっかりと満たしてくれます。

画像: 吉田氏のVANQUISH VV 4R&4SRの評価

吉田氏のVANQUISH VV 4R&4SRの評価

インパクトから打ち出しにかけての弾道の安定性は、そのままドライバーショットの精度アップに直結します。さらに、シャフトを軽量化したことで振り抜き感が向上し、インパクト後のヘッドの減速を防いで飛距離アップにも貢献するはずです。

画像: SIM2 MAX×三菱社製シャフトの吉田氏の評価

SIM2 MAX×三菱社製シャフトの吉田氏の評価

40グラム台への軽量化によるデメリット(当たり負けやブレ)を感じることなく、方向安定性と飛距離アップの両立を実現する、非常に実戦的なシャフトマッチングです。

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