PGAツアーのシーズン中盤戦、選手たちにとって最もホットな話題といえば、高額賞金と莫大なポイントが用意された「シグネチャーイベント(昇格大会)」への出場権争いだ。「チャールズ・シュワブチャレンジ」の終了をもって、松山英樹や久常涼らが出場する今週の大一番「メモリアルトーナメント by ワークデー」への切符を手にした選手たちが確定した。独自の選考システム「Aon Swing 5」と「Aon Next 10」を通じてサバイバルレースを勝ち抜いた、男たちの意気込みと最終結果を解説する。

プレーオフの悔しさをバネに。エリック・コールの新たな挑戦

画像: PGAツアー初優勝に期待がかかったがプレーオフで惜しくも敗れたエリック・コール(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ、撮影/岩本芳弘)

PGAツアー初優勝に期待がかかったがプレーオフで惜しくも敗れたエリック・コール(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ、撮影/岩本芳弘)

チャールズ・シュワブチャレンジで最も劇的な結末を味わったのはエリック・コールだろう。最終日は見事なプレーを見せながらもプレーオフで惜しくも敗れ、目の前で優勝を逃した。しかし、落ち込んでいる暇はない。この結果により、彼は「Aon Swing 5」の2位(377.429ポイント)に滑り込み、次週のシグネチャーイベントへの出場権を確実なものとしたのだ。

コールは今年、まだシグネチャーイベントに出場していなかったため、「あの大会はとても好きなので本当に楽しみだ」と出場権獲得を前向きに捉えている。目の前で優勝を逃した悔しさを、そのまま次週の大舞台へとぶつける準備は整っている。彼のアグレッシブなプレーが、メモリアルトーナメントでどのような起爆剤となるのか注目が集まる。

地元ダラスの星、マイズナーが掴んだ渇望の切符

画像: 対象試合で9位タイ→31位タイ→3位タイと安定した成績を残したマックス・マイズナー(写真は25年ベイカレント C レクサス、撮影/岡沢裕行)

対象試合で9位タイ→31位タイ→3位タイと安定した成績を残したマックス・マイズナー(写真は25年ベイカレント C レクサス、撮影/岡沢裕行)

一方、緊迫したボーダーライン上の争いを制したのが、地元ダラス出身のマック・マイズナーだ。彼は最終日に粘り強いプレーを見せ、見事に通算11アンダーの3位タイでフィニッシュ。「Aon Swing 5」の4位枠(209.929ポイント)に滑り込み、大舞台への切符を手にした。

今週のマイズナーは、コースから徒歩5分の距離にある妻の実家に滞在。リラックスした環境で過ごし、ラウンド後はゴルフのことを完全に忘れて、大好きなNBA「サンアントニオ・スパーズ」の試合をテレビ観戦して叫ぶことで、地元開催の重圧をはねのける気分転換を図っていたという。

着実に実力をつけてきた若武者にとって、シグネチャーイベントへの思いは人一倍強い。

「あのような(少人数の)大会に出場できる選手は、プレーオフやメジャーへの出場機会も増える。世界ランキングの高い大会は、このツアーにおいて本当に重要なんだ。自分はあの舞台にふさわしいと思っている」

強い渇望と自信を胸に、最高の舞台へ乗り込む。

テキサスで輝くベテラン、ウッドランドの矜持

画像: 現在、フェデックスカップポイントランク25位(Aon Next 10は7位)のゲーリー・ウッドランド(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ、撮影/岩本芳弘)

現在、フェデックスカップポイントランク25位(Aon Next 10は7位)のゲーリー・ウッドランド(写真は26年ソニーオープン・イン・ハワイ、撮影/岩本芳弘)

また、フェデックスカップポイントランキングを基にした「Aon Next 10」の争いにも熱いドラマがあった。大病を乗り越え、再びトップレベルで戦い続けるベテランのゲーリー・ウッドランドが、今大会を6位タイという見事な成績で終え、7位(926.523ポイント)で堂々と切符を手にしたのだ。

ウッドランドは今春、同じテキサス州で開催された「テキサスチルドレンズ・ヒューストンオープン」でも優勝を飾っており、同州で抜群の強さを誇る。「テキサスは本当に相性が良い。自分にとても合っているコースだ」と語る通り、今大会でも4日間すべてで60台のスコア(65-69-69-67)をマークする圧倒的な安定感を見せた。

「ここはマラソン(長丁場)だ。この(トップ争いの)位置に戻ってこられたのは素晴らしい。自分にとって良いアピール(ステートメント)になった」

大舞台になればなるほど凄みを増すベテランが、次週もフィールドを脅かす存在になることは間違いない。

画像: 直近の好調さを考えると初優勝に最も近いかもしれない、アレックス・スモーリー(写真/PGAオブ・アメリカ)

直近の好調さを考えると初優勝に最も近いかもしれない、アレックス・スモーリー(写真/PGAオブ・アメリカ)

さらに、Aon Next 10のトップで通過したのはアレックス・スモーリーだ。彼は直近のメジャー「全米プロ」で2位に入ったのに続き、「チャールズ・シュワブチャレンジ」でも3位タイに食い込み、これでなんと7試合連続でのトップ25入り。驚異的な絶好調を維持して次週に挑む。

画像: 左からエリック・コール、マックス・マイズナー、ゲーリー・ウッドランド、アレックス・スモーリー

左からエリック・コール、マックス・マイズナー、ゲーリー・ウッドランド、アレックス・スモーリー

選ばれし者だけが集う次週の「メモリアルトーナメント by ワークデー」。サバイバルレースを勝ち抜いた彼らは、単なるチャレンジャーではなく、トップの座を脅かす危険な存在としてティグラウンドに立つ。彼らの熱き下剋上の物語に、ファンの興奮は高まるばかりだ。

【Aon選考システム 最終獲得結果】

■ Aon Swing 5 最終結果※直近の指定3大会(マートルビーチクラシック、ザ・CJカップ バイロン・ネルソン、チャールズ・シュワブチャレンジ)のポイント上位5名(有資格者を除く)。

● 1位:ウィンダム・クラーク(500.000ポイント)
● 2位:エリック・コール(377.429ポイント)
● 3位:ブラント・スネデカー(328.750ポイント)
● 4位:マック・マイズナー(209.929ポイント)
● 5位:マーク・ハバード(191.929ポイント)

■ Aon Next 10 最終結果※チャールズ・シュワブチャレンジ終了時点におけるフェデックスカップポイントランキングの上位10名(有資格者を除く)。

● 1位:アレックス・スモーリー(1,225.521ポイント)
● 2位:ミンウ・リー(1,153.533ポイント)
● 3位:クリストファー・レイタン(1,109.225ポイント)
● 4位:ニコライ・ホイガード(1,074.136ポイント)
● 5位:アダム・スコット(950.875ポイント)
● 6位:ジェイク・ナップ(928.250ポイント)
● 7位:ゲーリー・ウッドランド(926.523ポイント)
● 8位:アーロン・ライ(916.764ポイント)
● 9位:アレックス・フィッツパトリック(866.625ポイント)
● 10位:ニコ・エチャバリア(799.583ポイント)


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