海外メーカーながらも日本人好みの顔を持つ「Xフォージドシリーズ」が、2年ぶりにリニューアルして帰ってきた。前作よりも打感にこだわり「S15C」という、さらに軟らかい軟鉄を採用。さらにロフトが大きくなるにつれてブレード長を一定の割合で減少させることで、構えやすくなっているとのこと。クラブ設計家の松尾好員氏と共に性能をひも解いた。※基準番手は7番です
画像: 【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/33.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/15万4000円(#6〜PW)※すべてメーカー公表値

【試打クラブスペック】7I ●ロフト角/33.0度 ●ライ角/62.0度 ●価格(税込)/15万4000円(#6〜PW)※すべてメーカー公表値

正統派ツアーモデルの新たな進化

GD 今回はキャロウェイ「Xフォージドアイアン」を分析していただきます。巷で話題になっていますが、使われている素材に特徴があるようですね。

松尾 そうですね。軟鉄鍛造というのは、従来通りのコンセプトですが、今モデルはより軟らかいS15Cという素材が採用されています。通常ですと、S20CやS25Cという物が使われています。

GD ギアマニアなら“S15C”と聞いて、ピンとくる方がいるかもしれませんね。

松尾 はい。スリクソンの「ZXi7」でも同様の素材が採用されていましたね。より軟らかい打感と、低い打音を兼ね備えたツアーモデルでした。

GD 今年に入ってクリーブランドゴルフ「RT i-FORGED ウェッジ」もS15Cを採用していることから、素材革新が起きそうな雰囲気があります。

松尾 たしかにS15Cは打感の軟らかさが魅力ですが、一方で注意しなきゃいけない部分もあります。通常よりも軟らかいからこそ、素材強度が低いので反発が少し悪い。
 
加えてショットでの砂噛みなどで、表面に傷がつきやすく、スコアライン(溝)の摩耗も早いです。そしてネックが曲がりやすく、ライ角やロフト角に変化が出る可能性があります。

GD 繊細な素材なんですね。

松尾 ですから、定期的にライ角やロフト角のチェックや、フェースのメンテナンスはしたほうがいいと思います。

GD 素材以外で「Xフォージド」の特徴はありますか?

松尾 ツアーモデルらしく、リアルロフトは33.2度(規格値:33.0度)と飛び系のようなストロングロフトになっていないので、ボールを上げやすいです。さらに軟鉄素材との組み合わせで、スピンが入りやすくグリーンで止めやすいです。
 
またフェース面上の重心位置が、ヒール寄りに設定されているのも特徴です。ヒールに引きつけてミートする、フェードヒッターと相性が良いです。

ツアーモデルらしくボール高さを出しやすい

GD 昨年に「XフォージドMAX」(以下、フォージドMAX)、「XフォージドMAXスター」(以下、MAXスター)が登場しました。コンセプトはツアーモデルながらも、操作性を失わない程度にやさしさを高めているモデルでした。選び方はどこが基準になりそうですか?

画像: 左から「Xフォージド」、「XフォージドMAX」、「XフォージドMAXスター」

左から「Xフォージド」、「XフォージドMAX」、「XフォージドMAXスター」

松尾 リアルロフトが大きい順に整理すると、「Xフォージド」が33.2度、「フォージドMAX」が31.6度、「MAXスター」が30.6度となります。
 
すべて軟鉄素材のモデルですが、設計と飛距離性能に明確な差を設けています。「MAXスター」が一番ロフトが立っており、このモデルだけは1ピースではなく、2枚の軟鉄パーツを溶接した『デュアル軟鉄構造』を採用しています。これにより深いポケットキャビティと深重心化を実現し、ヘッドの慣性モーメント(基準値:2600~2799g・cm²)が2816g・cm²と最も大きくなっています。ミスの強さと安心感がほしい方はこのモデルが良いでしょう。
 
「フォージドMAX」は、「Xフォージド」と同じ1ピース軟鉄鍛造で設計も似ており、ミスの許容性は控えめです。違いはセミストロングロフト設定なので、打感を損なわずに少しキャリーを伸ばしたい方は試されるといいでしょう。
 
最後に「Xフォージド」は、大きいロフト設定を生かして、高さをしっかりと出しながらグリーンオンしたい方向けと言えます。


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