「亀の甲羅」構造が生み出す、大慣性モーメント
先の女子ツアーの記事でも触れたが、この「TRTL(タートル)」はその名の通り“ウミガメ”をモチーフに開発された小ぶりなマレット型パターだ。

ヘッドの四隅にウェイトを配置(左)、モスグリーンのヘッドに白のラインが映える
ソール側を見ると、中央部を大胆に空洞化し、四方に4つのウェイトを配置した独創的な「亀の甲羅」のような六角形構造が目を引く。この設計により、コンパクトなヘッドサイズでありながら、ミスヒットに非常に強い「大慣性モーメント」を実現しているのが最大の強みだ。ヘッド上部(クラウン)のアライメント線も長く、ターゲットに対して真っすぐ構えやすい視覚的効果も備えている。
さらにフェース面には、AI設計による新しいインサートを採用。従来のインサートよりもやや硬めでソリッドな打感に調整されており、伸びのあるボールの転がりを生むのはもちろん、音で距離感を作りたいプレーヤーにとってはうれしいポイントだろう。ネック形状も「ダブルベント」「ショートスラント」「クランクネック」「ゼロトルク」の4種類が用意され、プレーヤーの多様な好みにも応える。
男子プロたちが絶賛する「据わりの良さ」と「抜群の直進性」
約1カ月試合がなかった男子ツアーだが、再開されたJAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 2026でも、「TRTL」パターの人気ぶりは変わらない。

コ・タイチー(左上)、長野泰雅(右上)、内山遥人(左下)、山田大晟(右下)
「すごく直進性があってストレートに狙える。ボールの回転がいいのか思ったよりも切れない」(小西たかのり)
「据わりがいいので構えやすくて引きやすい。フェースが前のよりも少ししっかり感があって、いいなと思ってすぐ替えられた」(中島邦弘)
「ずっとブレードタイプを使っていましたが、これは安定するし球が伸びてくれる」(出利葉太一郎)

河本力(左上)、小西たかのり(右上)、出利葉太一郎(左下)、中島邦宏(右下)
「すでに3試合目ですが、真っすぐ打ちやすい」(内山遥人)。どうやら女子ツアー以上に男子プロたちに好評のようだ。
“クモ”の牙城を崩すのか
今回のオデッセイ「TRTL」の四角形フォルムや外周に重量を配した狙いは、ツアーで使用者の多いスパイダーの向こうを張って投入された刺客と言っていい。事実、ツアー現場のギアマニアたちの間では、早くも「クモ対カメ」の新たな対立構造として注目を集めている。
PGAツアーでは一足早くミンウー・リーが実戦投入して好成績を収めるなど、すでに世界展開も始まっている「TRTL」。 “カメ”の持つおっとりした印象とは裏腹に、ツアーを浸透するその歩みは想像以上に速い。我々アマチュアの手元に届く日が今から待ち遠しい。
PHOTO/Hiroaki Arihara、Hiroyuki Okazawa
