【写真】グレース・キム、劇的チップインを記念したモニュメントと一緒に【アムンディ・エビアン選手権公式X】
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x.comディフェンディングチャンピオンの警戒と、トッププロの視点
そもそもこの18番は、「Aon Risk Reward Challenge」の対象ホールでもある。LPGAツアーの昨季データを見ると、「5番目にフェアウェイキープが難しいパー5」だったことが分かっている。にもかかわらず、果敢にツーオンを狙う「Go-for-Green」の確率は前年比で11%以上も上昇していた。難易度が高いと分かっていても、リスクを取ってスコアを伸ばしたい。そんな選手たちの心理を巧みに突く、まさに「魔のホール」。
ディフェンディングチャンピオンのグレース・キムは、この変化に最も強く警戒している。

ディフェンディングチャンピオンのグレース・キム
昨年の大会でキムは、4ラウンドすべてで18番のフェアウェイを完璧にキープ(Strokes Gained: Off the Tee +0.56)。毎日250ヤード以上のビッグドライブを放ち、このホール(プレーオフ2ホールを含む6回プレー)だけで4つのバーディと2つのイーグルを奪ってメジャー初制覇へと繋げた。それほど相性の良かったホールだからこそ、今回の改修による変化を肌で感じ取っている。
「昨年よりもフェアウェイがずっとタイトになった。もしフェアウェイバンカーに入ってしまえば、レイアップ(刻み)を強いられることになります。しかも、左に追加されたバンカーのせいで、そのレイアップすら気を抜けない。ホール全体を通して、ずっとスイッチを入れておかないといけないですね」
また、直近の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」でメジャー初優勝を飾り、いま最も勢いに乗るユ・ヘランも、新しい罠の難しさをこう分析する。
「18番はイーグルやバーディのチャンスがあるホールですが、新しいバンカーができたことでフェアウェイをキープするのが難しくなりました。フェアウェイが少し狭く見えます。観客エリアの近くにもバンカーができたので、誰もがフェアウェイキープに苦労するはず。非常に賢い改修だと思います」

大物ルーキー、ロッティ・ウォード
さらに、昨年この大会でローアマチュアに輝き、今季すでにツアー2勝を挙げている大物ルーキー、ロッティ・ウォードも18番のタイトさに言及している。
「ティーショットがかなりタイトになりましたね。ティーショットの位置にあるバンカーは確実にプレーに影響します。レイアップのバンカーには絶対に入れるべきではないですが、何が起こるかは分かりません。ティーショットでは徹底して左サイドをキープしなければいけませんね」
ウォードの言葉通り、ツーオンを諦めて手堅くレイアップを選択する局面であっても、一瞬たりとも気が抜けない状況へと変貌しているのだ。
変化を歓迎する地元ヒロインと、動じない世界ランク2位の哲学
一方で、地元フランスの期待を一身に背負うセリーヌ・ブティエは、この改修を「試合を面白くする良い変更」と前向きに捉えている。

地元・フランスのヒロイン、セリーヌ・ブティエ
「以前はドライバーを打てば(ツーオンが)十分に届く距離だったけれど、レイアップもよりトリッキーになりました。みんながどう18番をプレーするのか、見ている人にとってはもっと楽しくなるはずです」と、戦略性が増したことを歓迎するような分析を見せた。
そして、最も冷静で独自の視点を持っていたのが、世界ランク2位のジーノ・ティティクルだ。彼女は新設バンカーについて、淡々とこう語る。
「バンカーは、私たちが『そもそも外したくないサイド(右側)』にあるんです。絶対にミスしたくない方向なのだから、多くの選手にとってそこまで劇的に難しくなるわけではないと思いますよ」
罠が増えようとも、自分の打つべき場所は変わらない。そこには、環境の変化に惑わされることのない、トッププロとしての揺るぎないマネジメント哲学が垣間見える。
リスクを取って果敢にグリーンを狙うか。それとも、緻密なレイアップで新たな罠を避けるか。選手それぞれの思考と決断が如実に浮き彫りになる18番ホール。日曜日の夕暮れ時、この新設バンカーが勝負の行方をどう左右するのか。私たちファンにとっても、1打の重みと究極の選択から目が離せない、極上の週末になりそうだ。
写真/大会提供
