
レックス倉本
名古屋GC所属。高校卒業後、米国にゴルフ留学して、世界中のツアーを転戦。解説者に転身後は現地から情報を発信。現在はU-NEXTを中心にLPGAやPGAツアーの解説を担当
“Aunt(叔母)”になったブルック・ヘンダーソン
先日のKPMG全米女子プロ選手権で3位タイに入ったブルック・ヘンダーソン。プロ11年目の28歳が存在感を発揮して、優勝したユ・ヘランよりも注目が集まっていました。
昨年は地元のカナダで14勝目を飾ったものの、CMEランキングでは27位でトップ10はその試合も含めてわずか3回。24年はトップ10が9回あるものの未勝利、23年は開幕戦のヒルトン・グランド・バケーションズトーナメント・オブ・チャンピオンズで勝ったものの、トップ10はわずか3回。そして今年は先週まで優勝はなく、トップ10は開幕戦のみでCMEランキングも43位と低迷していたなかで、いきなりの復調でした。しかし、ここ数試合は結果こそ出ていなかったものの、ゲーム自体には手応えを感じていたそうです。
復調した要因のひとつは5月のみずほアメリカズオープンからバッグを担ぎ始めた従兄弟のライアン・ヘンダーソンの存在もあるはずです。厳密には今年の開幕戦までプロになってからずっと支えていた姉・ブリトニーが妊娠のためキャディを退き、その後はベテランキャディのジョン・キリーンが担ぎ、従兄弟のライアンにバトンタッチして5試合目で優勝争いに加わり、復調の兆しを見せたのです。
初優勝したときは家族ぐるみの親友ブライアン・リー、それ以外の13勝は姉のブリトニーが担いでいます。それ以前は父・デーブもキャディをしていました。ブルックには近くに身内の存在が必要で、家族一体となってゴルフ活動を支え続けてきました。
従兄弟のライアンは幼少時より一緒にゴルフをして育ち、姉のブリトニーのバッグを担いだこともあるそうです。その姉が全米女子プロの木曜日、初日のラウンドが始まる前に健康的な第1子を出産。サハリと名付けられましたが、これは以前からブルックと決めていたそうです。「サハリ」とはネイティブアメリカンの言葉で「天上の楽園」「天国」の意味があるそうです。加えてブルックがメジャー初優勝、ブリトニーとコンビを組んでの初優勝を飾ったワシントン州のゴルフコースの名前がサハリカントリークラブです。
そんなうれしいニュースから始まり、近年では最高のボールストライキングができ、大満足の試合に繋げました。家族の支え、勇気を貰い、今年の最高のゴルフに繋がった試合でした。まだまだメジャーシーズンが続きますが、ヘンダーソン一家の新たな戦いが始まります。

6歳年上の姉・ブリトニーもプロゴルファーで、妹のバッグを担ぐまでは一緒に下部のエプソンツアーを転戦していたが、妹の初優勝をきっかけに自身のプロ活動をやめてサポートに転向。産休中は従兄弟のライアンがバッグを担いでいる
PHOTO/Getty Images
※週刊ゴルフダイジェスト7月21日号より
