マキロイを支える「今年最高の決断」と驚異の100%データ
首位タイで決勝ラウンドへ向かうマキロイのゴルフを根底で支えているのは、彼自身が「今年最高の決断かもしれない」と語る新しいロブウェッジだ。
数週間前の全米オープンで硬い芝を経験した彼は、「古いウェッジのままでは打てないショットがある。何か違うものが必要だ」と痛感し、この全英シーズンに向けてウェッジを変更した。
「これまでのところ本当に良い。古いウェッジなら打てなかったショットがいくつか打てている」と、その効果に絶大な自信を深めている。その言葉を裏付けるように、この日「66」をマークしたマキロイは、本大会でプレーしたキャリア全14ラウンドのすべてで「60台」を記録するという驚異的なデータを叩き出した。これは2022年以降の出場選手の中でトップの安定感(確率100%)であり、新しい武器への信頼が、この地での圧倒的な相性の良さをさらに盤石にしている。
午後に入って風が最も強くなったバックナインは過酷だった。マキロイ自身も「12番パー5には届かず、チャンスはドライブ可能な14番パー4くらいしかなかった」と振り返る状況だったが、新たな相棒と共に「うまく耐え抜いた(hang on)」と冷静にスコアをまとめ上げた。
地元の大歓声と、感情をコントロールした「ヤカン」の執念
マキロイと並んでこの組の主役となったのが、首位と2打差の好位置につけている地元スコットランドのマッキンタイアだ。
マッキンタイアは自身の気性について、「誰もが知っているように、僕はいつも沸騰して爆発しそうな『ヤカン(kettle)』のような男だ。だからこそ、僕にとって最大の課題は状況を『受け入れること』なんだ」と語っている。
その言葉通り、スタート直後は飛距離を出してくる同組の2人を横目に「自分はスマートにプレーし、40フィートのパットを受け入れなければならない」と、沸き立つフラストレーションを必死にコントロールしながら我慢のゴルフに徹した。
この忍耐が後半に結実する。15番と17番で素晴らしいパットを沈めると、彼を包み込む大応援団から割れんばかりの大歓声が轟いた。
【動画】まさに大歓声! マッキンタイア、15番で約9mのロングパットバーディ【PGAツアー公式X】
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x.com「鳥肌が立ったよ。彼らが僕のために歓声を上げてくれるのがたまらなく好きなんだ」
熱狂の中心で、彼は確かに地元優勝への手応えを掴んでいる。
2人のスターに挟まれた「悪役」が見せる不気味な潜伏
そんな2人の圧倒的な人気とスター性に挟まれたのが、ディフェンディングチャンピオンのゴッタラップだ。「ファンサポートの面で彼らに追いつくには、まだまだ遠いね」と、強烈なアウェーの洗礼を笑って自確している。
「映画の悪役のような気分か?」と問われた彼は、「ある程度は予想していたことさ。それに、みんなが良いプレーをしてグループとして勢いが出たから、本当に楽しかったよ」と、異様な環境すら歓迎するタフなメンタリティを見せつけた。
実はこの日、ゴッタラップは最終18番ホールで「今日最悪のショットを2回打ってしまった」とボギーフィニッシュを喫している。後味の悪い幕切れになってもおかしくない場面だが、彼は「仕方がないこと(it is what it is)。週末に向けて良い位置にいるから、このまま『潜んで』いようと思う」と豪快に笑い飛ばしてみせた。この図太さこそが、彼が自称する「悪役」にふさわしい不気味さを醸し出している。首位を2打差の射程圏内に捉える位置で、彼は週末に向けてまさに牙を研ぎながら潜んでいる状態だ。

ジェネシス・スコットランドオープン2日目、ローリー・マキロイとロバート・マッキンタイアが楽しそうにラウンド
マキロイが「みんなが良いプレーをして、お互いに引き上げ合っていた。素晴らしいグループだ」と語ったように、この3人には同組ならではの素晴らしいシナジーが生まれていた。
3日目の予報は、さらなる強風と雨だ。極限のコンディションの中、彼らの濃密な心理戦と技術戦は週末にどうもつれ込むのか。ルネサンスクラブのドラマは、いよいよここからが本番だ。
写真/Getty Images
