歴史に名を刻むマネジメント。西郷真央、驚異の「36ホール・ノーボギー」
この華々しいリーダーボードの中で、歴史的な偉業と言えるプレーを見せているのが西郷真央だ。彼女はメジャーの難セッティングを相手に、なんと36ホールを「ボギーフリー(ノーボギー)」で駆け抜けたのである。

メジャー昇格後、史上3人目の36Hノーボギーを達成した西郷真央
アムンディ・エビアン選手権がメジャー大会に昇格して以来、最初の36ホールをノーボギーで回ったのは、彼女が史上わずか3人目となる大快挙だ。さらに、今大会の出場全選手の中で、36ホールを終えてボギーを1つも叩いていないのは西郷ただ一人である。通算「134(8アンダー)」というスコアも、彼女にとってメジャー大会における36ホールのキャリアベストだ。
この凄まじい記録を支えているのは、彼女の徹底したコースマネジメントに他ならない。ラウンド後、西郷は冷静にこう語った。
「このコースには平らなフェアウェイがないので、コントロールとコースマネジメントに集中することが重要だと思っていました」
事実、5位タイにつける山下美夢有も開幕前のインタビューで「フェアウェイは傾斜地が多いので、そこからいかにピンに絡めるかが大事になる」と警戒を口にしていた。日本勢は事前にこのコースの罠を正確に分析し、それぞれの高い技術でそれを乗り越えているのだ。
スコアの伸ばし合いになる展開にあっても、彼女は決して我を見失わない。
「ピンポジションがすべてなので、安全にプレーし、コースマネジメントを心掛けました」
バーディを狙う一方で、ミスを誘うトラップを極限まで排除する徹底したリスク管理。それこそが、この歴史的なノーボギー記録と上位進出を生み出している最大の要因だ。
「距離」より「技術」。岩井と西郷の言葉から読み解く“相性”の秘密
一方、通算10アンダーで単独2位につける岩井明愛も、メジャーの舞台で躍動を続けている。2日目にも5つのバーディを奪った彼女は、「スウィングがスムーズで、とても良い状態です」と確かな手応えを口にした。

ショットが好調な岩井明愛
その言葉を裏付けるように、彼女はこの2日間(36ホール)でグリーンを外したのがわずか「5回」だけ(パーオン率31/36)という驚異的なスタッツを残している。いかに彼女のアイアンショットがピンに絡み続けているかが数字でも証明されており、通算「132(10アンダー)」は彼女にとってもメジャーでの自身ベストスコアである。
彼女のスコアメイクを後押ししているのは、持ち前の攻めの姿勢とグリーンへの順応だ。「グリーンでしっかりボールが止まるので、ピンに寄せることができる」と語る通り、自身のアイアンショットの精度を存分に活かせている。
【動画】岩井明愛、2日目2番であわやホールインワンのスーパーショット【U-NEXTゴルフ公式X】
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x.comさらに、メジャーの重圧の中で安定性を保つ鍵について問われると、「キャディとのコミュニケーションですね。今日もよく話し合い、良い判断(グッドコール)ができました」と、チームとしての総合力の高さを強調した。
それにしても、なぜこのエビアンの舞台でこれほどまでに日本勢が躍動できるのか。西郷の言葉に、その戦術的なヒントが隠されている。
「このコースはそれほど距離が長くないので、高い技術(スキル)を持った選手であれば、とても良いラウンドを作れるのだと思います」
海外勢の圧倒的な飛距離という壁を、「高い技術」と「精密なマネジメント」によって見事に越えられるセッティング。それこそが、日本勢の快進撃を強力に後押ししているのだ。
メジャー制覇の夢を乗せて、運命のムービングデーへ
卓越した技術と知性で、エビアンの難コースを次々と攻略していく日本人選手たち。彼女たちのプレーを見ていると、ゴルフというスポーツが単なるパワーゲームではないことを改めて教えられる。
週末の決勝ラウンド、真のサバイバルとなるムービングデーを前にしても、彼女たちに気負いはない。優勝争いの真っ只中にいる岩井明愛に週末への意気込みを問うと、笑顔で頼もしい答えが返ってきた。
「ただ楽しむだけ。自分のプレーで行く(Just having fun. Just my, yeah, go.)」
メジャー制覇の夢を乗せて。日本の誇り高きヒロインたちが、いざ、運命の週末へと向かっていく。
写真/大会提供
