「ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ」で9年ぶりの勝利を飾った永井花奈。プレーオフで惜敗した前週の「資生堂・JALレディス」から学び、進化へと結びつけたスウィングをプロゴルファー・中村修が解説。

契約フリーでクラブを一新。悲願のツアー2勝目を叶えたギア選び

2017年以来のツアー通算2勝目を飾った永井花奈選手。24年にシード権を落とすもファイナルQTをトップ通過し、25年はシード権の復活を果たしていました。昨年まではヤマハとクラブ契約を結んでいましたが、同社がゴルフクラブ事業から撤退したことでクラブ契約はフリーとなり、ドライバーはテーラーメイド「Qi4D」、FWはキャロウェイ「エリート」、アイアンはテーラーメイド「P8CB」とヤマハのクラブは2本のUTだけを残し、ほぼすべてのクラブを一新しています。

異なるメーカーのモデルを混合しながら今季の開幕戦から2位でスタートしたことにも驚きましたが、これまでトップ10が6回と上位で戦う場面が多く見られていました。クラブとシャフトの選び方や細かい調整など、思い描く弾道を打つためにクラブメーカーの担当者とコミュニケーションを取る能力の高さも感じられます。

惜敗をバネに悪癖を修正。ブレを生まないスウィングの秘密

前週の「資生堂・JAL レディスオープン」では正規の最終18番ホールでドライバーを右に曲げてボギーとし、国内女子ツアー史上初の7人でのプレーオフに突入すると倉林紅選手の初優勝を見届けていました。その悔しさをバネに中継を見直し、フェースが開くクセを修正すると、今大会で9年ぶりの2勝目を飾りました。

敗れはしましたが高校時代に出場したゴルフダイジェストジュニアカップ(2014年)で林菜乃子選手とプレーオフで戦った永井選手の姿を今でも鮮明に覚えています。9年前の優勝時にも【勝者のスウィング】で解説しましたが、テークバックからインパクトまでフェースがボールを向いたままでフェースローテーションが少なく方向性に優れたスウィングの持ち主であることは、現在でも変わっていません。

永井選手は、手元を体の正面から外さずにテークバックし、右への重心移動も少なくしっかりと体を回しながらバックスウィングしていきます。

画像: 体の正面から外さずにテークバックする

体の正面から外さずにテークバックする

回転力を多く使うタイプの永井選手ですが、トップからの切り返しで不可欠なお腹を引っ込めた前傾姿勢のキープが見て取れます。こうすることで手元が下りて来るスペースが確保され、インサイドから下ろすことができています。

画像: 切り返しで地面を踏み込むことで前傾姿勢をキープし手元の通り道を確保する

切り返しで地面を踏み込むことで前傾姿勢をキープし手元の通り道を確保する

トップからの切り返しでは、ターゲット方向への回転を入れる前に、しっかりと地面を踏み込んで手元を下ろす動作を入れることが大切です。メディシンボールを投げる練習を行うと、その感覚をつかみやすいはずです。

フェースローテーションが少ないという特徴は、フォローで右手が下にある画像でも確認できます。フェースを開いて閉じる動きだとフォローで右手は上になりますが、フェースを開かない永井選手の使い方ではフォローで閉じる動作が入りません。自分にマッチしたクラブの使い方とプレースタイルを実現できている点が、群雄割拠のツアーで生き残り、キャリアハイのシーズンを送っている要因なのだと思います。

画像: フォローで右手が下にあることからフェース開閉の少ない使い方が見て取れる

フォローで右手が下にあることからフェース開閉の少ない使い方が見て取れる

今後は初の「AIG女子オープン」への出場も控えていますし、シーズンをメルセデス・ランキング3位で折り返した永井選手の複数回優勝の期待も高まります。2勝目を挙げるまで時間を要しましたが、3勝目を飾る姿はすぐに見られることでしょう。


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