フェースがボールを向いたダウンスウィング
今大会、永井プロの2日間のフェアウェイキープ率は89.28%。パー3を除いた28ホールのうち25ホールでフェアウェイをキープしたということで、このショットの精度こそが初優勝の要因と言って構わないと思います。
方向性が抜群のショットを支えるポイントは、シャットに使うフェースのコントロールにあります。切り返し以降フェースを開くことなくフェース面がしっかりボールに向きながら下りてきます。拡大した画像(写真右)を見て下さい。左手首が手のひら側に折れるくらいに見えます。
左手首を手のひら側に折ると、フェースは閉じます。永井プロの切り返し直後のこの段階で、すでにフェースがほぼスクェアになっているのです。
切り返し直後の段階でフェースがスクェアに戻っているわけですから、あとは体を回転させるだけでスクェアなインパクトが得られるわけです。インパクト直前に急激にフェースターンさせるのではなく、スクェアな時間が長い。だから曲がらない、方向性がいいというわけです。
テークバックで右に体重移動しながらバックスウィングを取るのが特徴の永井プロですが、フェース面の開閉を抑えて振るためには、右に体重移動しすぎるのは精度の面でマイナスに働くのでしょう、10月中旬の富士通レディースの練習日では、コーチ役のお父さん・利明さんが頭が右に動きすぎないよう、クラブで押さえて振る姿も見られました。
その富士通レディースで予選落ち。その翌週のNOBUTA GROUP マスターズGCレディースでも予選落ち。しかし、お父さんとの取り組みが身を結んだのでしょう、冒頭に挙げたフェアウェイキープ率89.28%という驚異的数字を叩き出しての優勝となりました。
地道な努力が身を結んだプロ初優勝。永井プロ親子にとって、最高のプレゼントだったと思います。
写真/大澤進二、岡沢裕行