イングランドのロイヤルバークデールで16日に開幕するシーズン最後のメジャー、全英オープン。この大会に特別な思いを持って挑む選手がいる。ジャスティン・ローズだ。1998年にこの会場でおこなわれた全英OPの最終日最終ホール、ラフからおよそ50ヤードを直接カップに沈める劇的チップインバーディを奪って4位タイに入った彼は、28年経った今も第一線を走り続けている。全英にかけるローズの思いとは?

「英国の選手にとって全英オープンは間違いなくゴルフの頂点といえる試合です。私自身、何よりも勝ちたいと強く願っている大会であり常に特別な情熱を持って臨んできました」

大会前の火曜日、ローズは共同記者会見で思いの丈を饒舌に語った。

画像: 会見で全英オープンへの思いを語るジャスティン・ローズ

会見で全英オープンへの思いを語るジャスティン・ローズ

マーク・オメーラとブライアン・ワッツがプレーオフを戦い、オメーラが勝った28年前のあの日。ほっぺたが赤い17歳の少年がローアマに輝いた。その日のことをローズは「遥か昔のことのように感じます」。

だがその記憶は鮮明だ。

「(最終ホールで)チップインを決めた瞬間、観客が味方してくれた魔法のような感覚。誰も知らなかったアンダードッグ(格下)が主役になった物語。あのチップインでアマチュア最後を締めくくれたのはこれ以上ない素晴らしい瞬間でした」

【動画】1998年、ローズ初めての全英オープン。劇的なチップインバーディは02:53~【R&A公式YouTube】

画像: Justin Rose 1998 | My First Open www.youtube.com

Justin Rose 1998 | My First Open

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しかし周囲の反対を押し切って翌日にプロ宣言した彼はそこからイバラの道を歩むことになる。出場21試合連続予選落ち。あの輝かしいチップインが亡霊のように彼を苦しめた。

しかし予選落ちが続く過程で彼は一度立ち止まり自分を見つめ直すことにした。全英オープンの結果とは距離を置き「粘り強く努力を続けよう」と考えたのだ。

「お前には才能がある。その才能に努力を足して、ただひたむきに歩み続けるんだ。そう自分に言い聞かせました」

「振り返ってみれば世界ランク1位にもなれたし、メジャー王者(13年全米OP)、オリンピックの金メダリスト、フェデックスカップ王者(18年の年間王者)でもあります。複数回ではありませんがこの競技で成し遂げられるほとんどのことを達成してきました。でも人間は欲張りですからやはりクラレットジャグ(全英OPのトロフィー)は獲りたいです」

28年間のプロ生活で最近の自分をローズは「復活の時期」と位置付けている。昨年はマスターズでマキロイとプレーオフを戦い2位。今年はファーマーズ・インシュランス・オープンで1勝を挙げマスターズでも3位。トップレベルで戦い続け今月末46歳になる彼を支えているのは「ゴルフへの愛」だという。

「それがなければ努力は単なる作業になってしまいます。作業だと思った瞬間モチベーションは急降下します。ゴルフへの愛は自分を支える壁のもっとも重要で強固なレンガのようなものです」

ゴルフ愛を測る一番シンプルな方法を彼はこんな風に表現した。

「夕方にひとりでゴルフ場に行き自分でバッグを担いでプレーする。日が西に傾き影が長く伸びるなかゴルフを楽しめるかどうか? もし答えが『イエス』なら『よし、ハードな練習にも立ち向かえるぞ』と思えるのです」

情景が目に浮かぶようなシーンでゴルフ愛を語ったローズ。彼はまるで詩人のようだった。

写真提供/R&A

【動画・英語】ローズの全英への思いを紐解く50分のインタビュー動画【R&A公式YouTube】

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