1860年から続く世界最古のゴルフトーナメントであり、他のメジャー大会とは一線を画す「ゴルフの原点」である全英オープンゴルフ選手権。2025年大会優勝者はスコッティ・シェフラー。北アイルランドのロイヤルポートラッシュで開催され、通算17アンダーをマークし、全英オープン初制覇を果たした。2026年大会は「ロイヤルバークデール」で開催される。2026年現在の全英オープンローテーションコースのなかで「聖地・セントアンドリュース」に次いで開催実績が多く、歴史的な名勝負を数多く生み出してきた特別なコースである。
「今回開催されるロイヤルバークデールは、極めて公平でありながら、同時に容赦のないタフさを兼ね備えているコースです。スタートの1番ホールから『全英で最も難しいオープニングホール』と称されていますが、今大会に向けて大規模なコース改修が行われたことで、その難易度がさらに跳ね上がっている点が非常に気になります。具体的には5番、7番、14番、15番のグリーンが作り直されており、その傾斜は非常にシビア。わずかでも正確性を欠いたショットは、容赦なくグリーン外へと転がり落ちるような設計になっています」
この難コースに求められるのは何か。
「グリーン周りのリカバリー力とパッティング技術の高さが、今回の鍵となるでしょう。そして、この二つを兼ね備えた選手がアクシャイ・バティアです。今シーズン『アーノルド・パーマー招待』で優勝を果たしているほか、『全米オープン』で17位タイ、『トラベラーズ選手権』でも5位タイと好成績を残しています。彼の好調を支えるのが、長尺パターへの変更によって劇的に改善されたパッティングです。飛距離が重視される現代ゴルフにおいて、こうした緻密な小技の精度こそが、今大会でも上位に食い込む大きな鍵となるはずです」
彼に視線を注ぐべき理由は他にもある、と杉澤キャディは語る。

杉澤キャディが注目するのはレフティのアクシャイ・バティア(写真は26年キャデラック選手権)
「アクシャイ・バティアはキャリアの中で挙げた3勝はすべてプレーオフでの勝利であり、極めて高い勝負強さを備えています。この勝負強さも全英オープンで勝利を掴むために必要なことです」
杉澤キャディがその秘められた強さに太鼓判を押すアクシャイ・バティア。驚異のプレッシャーを跳ね除けてきた彼が全英の風をどう読み解くのかは、今大会の大きな見どころの一つだ。もちろん、世界の頂点を狙う日本勢にとっても、彼は警戒すべき障壁となるだろう。リンクスに吹く風は、果たしてどのプレーヤーに味方するのだろうか。
U-NEXT/窪山京真
写真/岩本芳弘
