PGAツアーとDPワールドツアーの共催大会「コラレスプンタカナ選手権」が開幕した。カリブ海に面したドミニカ共和国のリゾート地が舞台だが、日本勢にとっては厳しい幕開けとなった。平田憲聖がイーブンパーの92位タイ、星野陸也と金谷拓実が1オーバーの105位タイ、そして桂川有人が2オーバーの125位タイ。いずれも出遅れる苦しいスタートとなり、早くも予選通過に向けて巻き返しが求められる状況だ。一方で、リーダーボードの上位に名を連ねた選手たちは、この極上のリゾート環境を存分に満喫し、それを好スコアのエネルギーへと見事に変換していた。過酷なトーナメントを戦い抜くための、彼らなりの“リゾート攻略法”に迫る。

初出場クレメンツの「プールが僕を呼んでいる」

大会初日、7アンダーの「65」をマークして首位タイ発進を決めたのは、イングランド出身のトッド・クレメンツだ。今大会が初出場となる彼だが、このコースが自身のゲームに合う理由を問われると、技術的なことよりも環境の素晴らしさを口にした。

「この場所全体が、ただ楽しい場所なんだ。ここに来てリラックスできる環境に身を置くことで、自分自身を楽しむことができた。それが今日のゴルフに表れたと感じているよ」

画像: PGAツアーにおける自己ベストスコア「65」を出し、首位スタートを切ったトッド・クレメンツ

PGAツアーにおける自己ベストスコア「65」を出し、首位スタートを切ったトッド・クレメンツ

事実、この「65」は彼にとってPGAツアーでの自己ベストスコア(これまでの自己ベスト67を2打更新)であり、18ホール終了時点で首位に立つのもキャリア初のこと。「リゾート効果」が明確な数字となって表れた格好だ。

見事なラウンドを終えた後の予定を聞かれると、クレメンツは笑顔でこう答えた。

「少し昼食をとって、微調整をするつもりだけど……うん、プールが僕を呼んでいると思うよ」

熾烈な優勝争いの只中にあっても、リゾートを堪能する余裕を見せつけた。

デルレイが愛する「最高の景色とシエスタ」

6アンダーの「66」で3位タイにつけたスペインのアレハンドロ・デルレイもまた、プンタカナのロケーションからインスピレーションを受けている。

「コースは超クールだし、景色も本当に素晴らしい。でも当然だけど、こうして良いゴルフができれば、その景色はさらに良く見えるものさ」と、南国での好スタートに声を弾ませた。

しかし、美しい景色を楽しむ一方で、コース上では極めて冷静かつ知的なマネジメントを光らせていた。デルレイはインタビューでこう語っている。

「フェアウェイが広い分、グリーンが通常より小さいのでセカンドショットがとても重要になる。風が吹いていると、一見簡単そうな場所が難しくなったり、逆に風に向かってチップショットを打てる場所が簡単になったりする。風を読んでボールをどこに置くか、スマートにならなければいけないんだ」

そんなオンの戦いを終えた彼は、残りの長い1日をどう過ごすのかという質問に対し、スペイン人らしい完璧なオフのプランを明かしている。

「おそらくプールに行って、それからスパニッシュ・ナップ(スペイン風の昼寝=シエスタ)だね」

オンの時間は極限まで集中してスマートに風を攻略し、オフの時間はプールとシエスタで徹底的に心身を癒やす。これこそが、リゾート大会における究極のルーティンなのだろう。

エクロートも「午後は徹底的にのんびり」

同じく6アンダー・3位タイで初日を終えたアメリカのオースティン・エクロート(ノーボギーの「66」をマーク)も、この「早期退散・のんびり組」の一人だ。

ホールアウト後のインタビューでエクロートは、「今日はもう終わり。これからどんどん暑くなるからね。鼻水も出ているから早く治さないと。残りの時間は、ただのんびり過ごすつもりだよ」と語り、そそくさとクラブハウスを後にした。

上位陣がこぞって「午後は徹底的に休む」というアプローチを取っているのは、決してただ遊んでいるわけではない。これこそが、今大会を戦い抜くための最も合理的で、かつ効果的な戦略なのだ。

オンとオフの切り替えが導く週末への期待

プロゴルフの世界は、常に過酷なシード権争いが付きまとう。実際、この日の現地は最高気温約31.1°Cまで上昇し、海沿い特有の風速10〜15マイル、最大瞬間風速は22マイル(約10m/s)に達するタフなコンディションであった。強風を計算し、一打に神経をすり減らす作業は、想像以上に選手の体力を奪っていく。だからこそ、こうしたリゾート地では、ゴルフ場を一歩出た後の「オンとオフの切り替え」がいかに重要かがよくわかる。

プールやシエスタで十分に英気を養った首位陣が、週末に向けてどのようなプレーを見せてくれるのか。そして、出遅れた平田、星野、金谷、桂川の日本勢4人が、ここからどのような巻き返しを見せてくれるのか。カリブ海の熱い週末から目が離せない。

写真/Getty Images


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