ロイヤルバークデールを舞台に熱戦が繰り広げられた第154回「全英オープン」2日目、ブライソン・デシャンボーに思わぬ事態が降りかかった。67-66の通算7アンダーでホールアウトし、大会レコードに並ぶ62を叩き出したルーカス・ハーバートに1打差の単独2位に浮上。ムービングデー(3日目)は最終組でプレーするはずだったのだが……、ラウンド後事態は急変。いったいなにがあった?

バック9で3つスコアを伸ばし、意気揚々とアテスト場に引き上げてきたデシャンボーはそこでR&A(主催者)のルール担当者から5番ホールで2打目を打つ前にライを改善したとして2打罰を科す通告を受けた。

画像: 担当者と5番ホールへ向かうブライソン・デシャンボー(写真/Getty Images)

担当者と5番ホールへ向かうブライソン・デシャンボー(写真/Getty Images)

寝耳に水の彼は担当者と共に5番ホールに戻り現場の状況を確認することに。

このホールで彼はティーショットを大きく右に曲げフェスキューが繁るハザードに打ち込んだのだが、プレー可能だと判断し行きつ戻りつしながら素振りを繰り返し茂みから脱出。打球はグリーン奥に転がり寄らす入らずのボギーを叩いた。

現場検証では身振り手振りで担当者にアピールするデシャンボーの姿が。激しいやり取りは15分以上続きヒートアップ。音声は聞き取れないが読唇で「ペナルティが科せられるなら大会を棄権する」とまで抗議する様子がキャッチされた。

しかし裁定は覆らず首位と3打差の5位タイに後退。アテスト場に戻ってスコアを修正したあとNBCのキャスターからコメントを求められたが応じず、そのまま練習場に直行した。

ファンからに「明日もプレーしますよね?」という声をかけられ苦笑いしたデシャンボー。棄権をほのめかしながら練習場に向かったということはプレーする意向なのではないか? 

中継を見た限りデシャンボーがフェスキューを踏み固めたり素振りで草を払ったりするような行為があるようには見えなかった。

R&Aは今回のペナルティについて見解を発表。「ブライソンは5番ホールの2打目において意図したスウィング(具体的にはバックスウィング)の領域を不注意により改善してしまったため2打罰が科された」と説明している。

「禁止されている行為は成長している自然物や地面に付着している自然物を動かしたり、曲げたり、折ったりすること。ライの改善を意図的におこなっていないにせよその状況に対処するためもっとも影響が少ない方法を取らなければならなかった」という。

ゴルフのルールを司るR&Aの判断は絶対だ。とはいえ観る側からすればこれがデシャンボーだったから起きた事件なのではないか? と勘繰りたくなる。

ニック・ファルドとのリンクスの戦略法を巡る論争にしても一挙手一投足が注目されるデシャンボーだからターゲットにされた? ゴルフ界の異端児で実力も人気もある彼は『出る杭は打たれる』状況にあるのかもしれない。

画像: 笑顔の多い18ホールだったデシャンボー、明日のティーイングエリアに立つのか注目だ(写真/R&A提供)

笑顔の多い18ホールだったデシャンボー、明日のティーイングエリアに立つのか注目だ(写真/R&A提供)

誰にも文句をいわせない方法はただ1つ。騒動を乗り越え大観衆の目の前でトロフィーを掲げることだ。


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