ゴルフ界の勢力図を大きく揺るがす、まさに“電撃的”なニュースが飛び込んできた。アジアンツアー、DPワールドツアー(欧州ツアー)、そしてPGAツアーの3者が、少なくとも2029年までの複数年におよぶ戦略的提携に合意したと発表した。このニュースが持つ意味はとてつもなく大きい。なぜなら、現在のアジアンツアーは単なる「アジアのローカルツアー」ではないからだ。

「LIVの登竜門」と手を組むという歴史的転換点

アジアンツアーは近年、サウジアラビアの「PIF(公共投資ファンド)」の巨額投資を受け、LIVゴルフへの登竜門となる「インターナショナルシリーズ」を展開してきた。PGAツアーやDPワールドツアーからすれば、アジアンツアーはいわば“対立組織(LIV)の最前線基地”ともいえる存在だったはずだ。

実際、DPワールドツアーとアジアンツアーは、1999年のマレーシアオープン以来、長年にわたり数多くの大会を共催する蜜月関係にあったが、2021年を最後にその提携は途絶えていた。それが今回、PGAツアーをも巻き込む形で強固なパートナーシップを結び直したのである。これは、しばらく続いたゴルフ界の「分断」が、「統合」へと向かうための歴史的な雪解けのサインと見てもいいだろう。

2027年から共催大会復活! 欧州への「パスウェイ」が確立

今回の提携における具体的な目玉は大きく2つある。

1つ目は、アジアンツアーのトッププレーヤーに対し、2027年シーズンのDPワールドツアーへの出場権(パスウェイ)が与えられることだ。現在、DPワールドツアーの上位10名にはPGAツアーへの出場権が与えられている。つまり今回の合意により、「アジアンツアーで活躍すれば、DPワールドツアーを経て、最高峰のPGAツアーへと這い上がれる」という、世界へと直結する明確なルートが公式に敷かれたことになる。

画像: 左から、ベン・コーウェン(DPワールドツアー、チーフ・トーナメント&オペレーション・オフィサー)、クリスチャン・ハーディ(PGAツアー、インターナショナル担当シニア・バイス・プレジデント)、チョー・ミン・タント(アジアンツアー、コミッショナー兼CEO)、ガイ・キニングス(DPワールドツアーCEO)

左から、ベン・コーウェン(DPワールドツアー、チーフ・トーナメント&オペレーション・オフィサー)、クリスチャン・ハーディ(PGAツアー、インターナショナル担当シニア・バイス・プレジデント)、チョー・ミン・タント(アジアンツアー、コミッショナー兼CEO)、ガイ・キニングス(DPワールドツアーCEO)

2つ目は、2027年からアジアンツアーとDPワールドツアーの「共催大会」が新たにアジアで復活することだ。 アジアンツアーのチョー・ミン・タント コミッショナーは「3つのツアーが1つのパートナーシップの下で連携することで、アジアのプロゴルフ界の発展をさらに加速させる」と喜びを語り、PGAツアーのクリスチャン・ハーディも「グローバルゴルフエコシステムの構築に向け、アジアンツアーを迎え入れられたことを大変嬉しく思う」と歓迎の意を示している。

日本人選手にとって「世界への扉」がさらに広がる

この提携は、アジアンツアーに参戦する日本人選手たちにとっても極めて大きな朗報だ。現在、国内男子ツアー(JGTO)とアジアンツアーを掛け持ちする選手は多いが、今後はアジアンツアーで賞金ランキング上位に入れば、LIVゴルフへの道(インターナショナルシリーズ経由)だけでなく、DPワールドツアー(欧州)経由でのPGAツアー行きという「もう一つのルート」が開けることになる。

世界中から才能ある選手を集め、シームレスにトップツアーへと送り込む「グローバル・エコシステム」の構築。アジアンツアーが再び世界のゴルフ界の中心と結びついたことで、アジアの熱狂はこれまで以上に加速していくはずだ。2027年に向けて、世界の男子ゴルフは新しいステージへと突入する。


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