年々気温も上昇し、容赦ない日差しで大量の汗をかき、体力がむしばまれる真夏のラウンド。これから猛暑のラウンドは多いはず。無事にホールアウトするためには、どんな水分補給をすればいいのか? 週刊ゴルフダイジェスト7月28日号で専門家に詳しく話を聞いている。「みんなのゴルフダイジェスト」でもその一部をご紹介しよう。
画像: 【真夏の猛暑対策】水分が2%減るとダフリ連発!? ミスと足つりを防ぐ正しい補給術【管理栄養士解説】

解説/中島遥

神奈川県立保健福祉大学福祉学部栄養学科にて管理栄養士、栄養教諭の資格を取得後、各種アスリートをサポート。昨年までJLPGAでツアー選手をサポート。トータルゴルフフィットネス在籍

夏のゴルフでは何を飲むかで
スコアも体調も大きく変わります!

近年夏の気温上昇が顕著になり、今年の夏も35度以上の猛暑日が続くことが予想されるが、真夏のラウンドでどういった水分補給をすればいいのか。

過去にJLPGA選手のトレーナー兼管理栄養士としてサポート経験もあるトータルゴルフフィットネスの中島遥氏に詳しく話を聞いてみた。

「ゴルフにおいて、季節を問わず水分補給は重要ですが、特に真夏のラウンドでは、水分補給を怠ると、命に関わるといっても大げさではないです。夏場のラウンドで水分を補給しなければならない理由は大きく2つあり、1つは熱中症対策、もう1つがゴルフのパフォーマンスを維持するため。夏は発汗量が多くなり、水分や塩分を補給せずに日に当たり続けると、熱中症になりやすいのはよく知られていますが、体内の水分が減ってしまうことで、ゴルフのパフォーマンス維持も難しくなります。目安として、体重の2%の水分が体内から減ってしまうと、パフォーマンスが落ちてしまいます。ラウンド中の小まめな水分補給は体調維持の面ではもちろん、スコアメイクにおいてもすごく重要になります」

画像: 何を飲むかで体調もスコアも大きく変わる

何を飲むかで体調もスコアも大きく変わる

では、体内の水分が不足するとどうなってしまうのか。

「水分が不足する脱水状態になってしまうことで、体内の血液量が減少してしまいます。血液量が減少すると、血液がドロドロになってしまい、血液を送り込む心臓に大きな負担がかかってしまいます。同時に、血圧も低下してしまい、脳や筋肉、内臓に必要な分の酸素や栄養が送り込めなくなります。これにより、めまいや強い倦怠感などの症状に陥る可能性があります。

また、体温調節機能が破綻してしまうことで、体温を下げる機能が停止します。これにより、体内に熱がこもってしまい、体温が急上昇し、熱中症になってしまうリスクが跳ね上がってしまいます。

そして、汗と一緒にナトリウムやカリウムといった『電解質』も大量に失われます。電解質は神経伝達や筋肉の正常な収縮に欠かせない栄養素です。汗とともに電解質が大量に失われると、神経や筋肉の働きが低下し、足の筋肉のつりやけいれんなどが起こりやすくなり、スウィングやショットに影響を及ぼします。

脱水状態になることで、これらの症状が単独で起こるだけでなく、ドミノ倒しのように連鎖してしまうのも特徴です。夏は1ホールごとの水分補給や、ハーフターン時の休憩での水分補充がとくに重要なのです」

水分が不足するとどうなるのか?

1 血液量が減少し、心臓の負担増
出ていく汗の主成分は血液に含まれる水分で、脱水状態になると、体内の血液量が減ってしまい、血液がドロドロになることで、循環が悪くなる。そうなると、血圧が著しく低下し、体内の栄養素の供給が滞ってしまうことで、めまいや立ちくらみ、頭痛を引き起こしてしまう

2 体温調節機能が破綻してしまう
水分不足に陥ると、体は生命維持のため、脳や心臓の血流の確保を優先し、皮膚への血流機能が低下する。すると、発汗ができなくなり、体温調節機能が破綻してしまう。発汗ができなくなると、体を冷やす機能が果たせず、体内に熱がこもり、体温が急上昇してしまい、熱中症になりやすくなる

3 電解質がなくなり、筋肉が異常に
夏場はナトリウム(塩分)やカリウムなどの電解質が汗と一緒に大量に放出される。脳からの指示を神経や筋肉に伝える重要な物質が失われ、筋肉の収縮コントロールの機能が低下。筋肉系のトラブルや、スウィングバランスを崩したり、空間認知に狂いが出て、ダフリやトップなどのミスショットが出やすい

経口補水液をバッグに入れておこう!

ラウンド時、万が一ふらっとなったときのために、夏場はバッグに経口補水液を入れておこう。スポーツドリンクのおよそ3倍のナトリウム(塩分)量が含まれ、水分と塩分の吸収力が非常に高い。

画像: ふらつき防止にナトリウム摂取も!

ふらつき防止にナトリウム摂取も!

“カリウム”入りのゼリーは効果絶大!

水分以外にも補食での栄養補給も大事だが、夏は食物の管理が難しい。手軽に補給できるゼリーは、バナナに多く含まれるカリウムなどの栄養素を簡単に取ることができ、筋肉のつりなどの予防効果がある。

画像: カリウムを摂取しよう

カリウムを摂取しよう

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体内の水分がわずか2%減少するだけで集中力や空間認知に狂いが生じ、ダフリやトップなどのミスショットが頻発するだけでなく、体温調節機能が破綻して命に関わる危険性すらあります。

汗とともに失われる塩分やカリウムなどの電解質補給を軽視することが、後半のスコア崩壊を招く最大の原因といえます。では、コンビニの棚に並ぶ数ある飲み物の中から、一体何を選んで持ち込むのが正解なのでしょうか?

【後編】では、ゴルファーが良かれと思って選びがちな「あの定番ドリンク」の危険な落とし穴と、効率よく水分とエネルギーを細胞まで届けるドリンク選びの絶対基準を徹底比較します!

● カフェインによる利尿作用で逆に水分が逃げていく! 緑茶やウーロン茶、炭酸飲料をラウンド中に避けるべき科学的理由。
● 選び方の基準はナトリウム100mlあたり40mg以上! 厚生労働省も推奨する熱中症対策数値をクリアしたドリンクの最適解。
● 炭水化物量4グラム以上か3グラム以下か! 水分吸収のスピードと補食習慣に合わせて選ぶ「アイソトニック系」と「ハイポトニック系」の使い分け。

酷暑の18ホールを最後までベストパフォーマンスで走り抜け、無事に笑顔でホールアウトするための栄養学ハック。あなたの夏のゴルフライフを守る知識は、後編に続きます。

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週刊ゴルフダイジェスト2026年7月28日号より

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