
レックス倉本
名古屋GC所属。高校卒業後、米国にゴルフ留学して、世界中のツアーを転戦。解説者に転身後は現地から情報を発信。現在はU-NEXTを中心にLPGAやPGAツアーの解説を担当
ツアー16年目の39歳、ライアン・オトゥール
UCLA出身でデビュー当時から注目されていたライアン・オトゥールが第二のプライムタイムを迎えているようです。
実質のツアー1年目の2011年はQTランキング95位と振るわず、下部ツアーをメインに戦いながら、地区予選から勝ち上がった全米女子オープンで9位の好成績を残します。この成績で次のリランキングからLPGAツアーの出場資格を得て、8月のセーフウェイクラシックで5位タイに入ると、その活躍がその年のソルハイムカップ、アメリカチームのキャプテン、ロージー・ジョーンズの目に留まり、わずか2名のキャプテン推薦枠でルーキーながらアメリカチームのメンバーに大抜擢。そして試合でも2勝0敗2引き分けと活躍し、一気に注目を集めました。
それ以降は安定した成績を残していましたが、昨年はポイントランキング137位と大不振に陥ります。シーズン前から盲腸の手術、パートナーの母が他界するなど様々なことが起こり、散々なシーズンになり、年末はQTに逆戻り。QTの結果が悪ければ引退して新たなキャリアに進むことも考えて迎えたが、結果は3位タイでツアーに残りました。
しかし新たなシーズンを前に、また試練が訪れます。弟のブレナンが生死をさまよう自動車事故に遭い入院。ライアンは弟の看病をしながら、わずかな時間の練習でシーズンを迎えました。その弟が奇跡的な復活を遂げ、再び歩けるようになった姿を見た時に、ゴルファーとしての人生観が変わったといいます。それまではゴルフを人生のすべてととらえて戦っていましたが、ゴルフは生死を懸けて戦うわけではない。弟の戦いに比べたら、そこまで自分を追い込む必要はないと、冷静に見つめ直すことができたそうです。
その結果が今季最初のメジャー、シェブロン選手権で7位タイと1年ぶりのトップ10入り。そして先日のISPS HANDAスコットランド女子オープンは得意のスコットランドで8位タイ。ここまでCMEランキングも59位(7月30日時点)と去年からは大躍進です。それ以上にシーズンを通して争われ、各大会であらかじめ設定された最難関ホールを攻略した選手に贈られる「エーオン・リスク・リワード・チャレンジ」では現在堂々の1位。この位置を堅守できれば、年末にはボーナス100万ドルを獲得できるのです。

引退も考えた矢先の、弟の生死をさまよう事故。そんな苦難を乗り越えたライアン・オトゥールにはご褒美が待っている
PHOTO/Getty Images
※週刊ゴルフダイジェスト8月18・25日合併号より
