
名門「鷹之台CC」
関東圏内で歴史のある名門「関東七倶楽部」。その一角をなす鷹之台CCのOB杭がアイデアものだと隠れた評判となっている。
同七倶楽部はOBがほとんど外周にしかない。進行を早めるためにコース内にOBを設けるのは英米にはほとんどなく、本来は国際基準から外れる行為であろう。

244本あるOB杭の「244」
同CCの外周には当然のようにOB杭が立てられているが、その数244本。そして珍しいのはその杭の1本1本に数字が書かれていることだ。杭の上部には矢印も。
その目的や数字が書かれた経緯について、支配人の白土健司氏は次のように説明する。
「結論を先に言うと、実ははっきりわからないのですよ。45年間勤務する最古参の職員や、開場時より在籍する会員様など確認しましたが、設置時期や理由までは不明でした。ただおそらくですが、番号の連続を確認することでOBラインを正確に把握するためだと思います」
白杭の間隔が離れていたり、樹木などで見えにくい場合、隣接する杭を見落としてOBゾーンの判断を誤る危険性もあろう。またOBか否かの判断に時間がかかりかねない。その点でいえば1番から通し番号をつけているので探しやすい。ちなみに「1」は1番パー4のレギュラーティー付近にある。
それに上部に記されている矢印は、次の杭のある方向なので、より早く隣の杭を見つけることができる。
「うちのOBが外周だけなので、杭そのものが林の奥だったりで見えにくく『OBなんてあったの?』というお客様がいるくらいでして。目立たないゆえの先人の工夫だと思います」(前出・白土氏)
同CCは1930年に「鷹之台ゴルフ倶楽部」として設立し1932年開場。戦後1952年に社団法人鷹之台カンツリー倶楽部を設立。新コースの設計は名手・井上誠一だが途中で和泉一介に代わる。2000年の日本オープンを前に井上設計が正確に復元されるという紆余曲折を経て今に至る。
歴史の重みを感じさせる名門、一生に一度は回っておきたいコースである。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年8月18・25日号「バック9」より
