今年も長野県にある軽井沢72ゴルフ 北コース(6590ヤード・パー72)で、「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」が開催されている。避暑地・軽井沢とはいえ、近年はかなり気温の高い大会となることも多かったが、今年は台風が残していった雷雨の影響もほとんどなく、過ごしやすい気候の中で初日を終えた。その初日に注目した、“地元”ゴルファーたちの活躍をレポートする。

地元・軽井沢出身のアマチュア、市村杏の挑戦

まずは、軽井沢町出身のアマチュア・市村杏(いちむら・あん)。佐久長聖高校から日本大学に進学し、今春大学を卒業したばかりの注目の若手だ。“地元枠”で出場する本大会は5回目の出場となり、2023年にはローアマチュアも獲得している。

画像: 軽井沢で生まれ育ち、競技に出始めたのは6歳。「本当はパターが得意なんですけど、今日は人並みでした(笑)。でも、ドライバーのフェアウェイキープ率はよかったです」

軽井沢で生まれ育ち、競技に出始めたのは6歳。「本当はパターが得意なんですけど、今日は人並みでした(笑)。でも、ドライバーのフェアウェイキープ率はよかったです」

このコースは実家から車で6分ほどで着くが、彼女が育ったコースはわずか3分の場所にあるという。

「楽ではあるのですが、やっぱりこのコースで行われる大会には特別な思いがあります。ドライバーをラフに入れたらチャンスが遠のきますし、池が多いので球を入れてしまうとズルズル落ちていってしまう。だから絶対に入れないよう気をつけてプレーしました」

ギャラリーの中には、町役場で働く父や元タクシードライバーの祖父の姿もある。

「2人とも大のゴルフ好きで、この大会にしか応援に来ないんです(笑)。プロゴルファーかプロスキーヤーになりたかった父は、スキーを選んだ後悔もあって娘と息子にゴルフをやらせたんです。祖父はゴルフに厳しいので、今日の私の成績には満足していなくて、ラウンド後に『早く練習しろ』と言われました」

画像: 明治安田生命のブースで健康チェックをした後、所属の人気プロたちの看板と。初めてキャディを務めたという同じ歳で幼馴染の越田泰羽(右)も今年2回目のプロテストを受ける。来年は“所属プロ”を目指す!

明治安田生命のブースで健康チェックをした後、所属の人気プロたちの看板と。初めてキャディを務めたという同じ歳で幼馴染の越田泰羽(右)も今年2回目のプロテストを受ける。来年は“所属プロ”を目指す!

また、地元アスリート応援プログラムで市村を支援する明治安田生命保険長野支社の坂口基徳さん、中山裕介さんも、コース内でプレーを見守りながら温かい声援を送っていた。

「弊社は若手アスリートを支援する活動を全国で展開しています。市村さんは自分の意思をしっかり伝えられますし、セルフプロデュースもできる。それはプレーにも生きていると感じます」(中山さん)

「いつもありがとうございます。明治安田さんの支援には大変助けられています。ぜひ良い結果を残して、次は“所属プロ”にしていただけるようアピールしたいです!」(市村)

初日は2アンダーとまずまずのスタートを切った。しかし、本大会での目標はローアマチュアの獲得にとどまらない。

「最初は調子に乗って『優勝を狙ったろ!』と思ったんですけど(笑)、とにかく自分のスコアを伸ばすことに専念したいですね」

今年の最大目標であるプロテスト合格に向けて、大きな弾みをつけたいところだ。

「9月に2次テストがあります。23歳でアマチュアというのはさすがに……頑張ります!」

初日誕生日の“キンクミ”金田久美子と、地元男子プロ・塚田ようすけのベテランタッグ

画像: 2人ともツアー2勝の名コンビ。「ラウンド中はあまり話していませんよね」(金田)「僕はいろいろな人と話をするからね」(塚田ようすけ)「あと2日も頑張りましょう!」(2人)

2人ともツアー2勝の名コンビ。「ラウンド中はあまり話していませんよね」(金田)「僕はいろいろな人と話をするからね」(塚田ようすけ)「あと2日も頑張りましょう!」(2人)

本大会の初日に37歳の誕生日を迎えた“キンクミ”こと金田久美子。今回、彼女の隣でキャディを務めているのは、男子プロの塚田ようすけだ。

塚田ようすけも長野県出身で、このコースから車で1時間ほどの場所に自宅がある。少し前に2人が久しぶりに再会した際、金田がバッグを担いでほしいと依頼し、塚田ようすけの地元開催となる今大会で豪華タッグが実現した。

20代の頃は誕生日に試合に出るのが嫌だったという金田だが、今は素直に嬉しいという。スタートホールで大歓声の“誕生日コール”を受けた後、「良いショットが打てました」と見事にバーディ発進。結果、4アンダーでラウンドをまとめ、「ノーボギーで回れたことも本当に嬉しかったです」と笑顔を見せた。

この好スコアは、キャディを務めた塚田ようすけのアドバイスのおかげなのだろうか。

「クミが16歳の頃から親交があるんです。プレーのテンポもすごく早くなったし、リズムが良くなりましたね。僕にとっても嬉しい1日になりました。アドバイスと言っても、クラブ選択は僕に意見を聞いてきますが、パットに関しては僕の今季スタッツが89位(JGTO平均パット/ラウンド)だからでしょうか、全然聞いてこなかったですね(笑)。彼女自身、パッティングが得意な選手ですしね」

しかし、このクラブ選択時の声掛けこそが大きな効果を発揮したようだ。「迷いながら打ってしまうことがある」という金田に対し、塚田ようすけは自分の好きなクラブで自信を持って打つよう背中を押したという。

「迷っていたら腹をくくって決め打ちをさせました。そうすると迷いなく振り切れるので、気負わずにプレーできます。僕自身、自分の試合では気持ちよく打てていませんから(笑)、キャディとして客観的に見られるのは気がラクですね」

画像: ホールアウト後、固い握手を交わす2人。昨年ダンロップフェニックスで優勝した41歳の塚田ようすけは、キャディ経験も豊富。「クリス・キャンベルやニッキー・キャンベルのバッグも担ぎました」

ホールアウト後、固い握手を交わす2人。昨年ダンロップフェニックスで優勝した41歳の塚田ようすけは、キャディ経験も豊富。「クリス・キャンベルやニッキー・キャンベルのバッグも担ぎました」

また、久しぶりに女子ツアーの現場を踏み、「それにしても、今の女子ツアーはみんな本当にかわいいですね」と照れ笑いを浮かべる塚田ようすけ。

「隣のホールから手を振ってくれたりして(笑)。でも外見だけでなく、飛距離もすごく伸びているし、レベル自体が格段に上がっていますよね。男子ツアーもそうですけれど」と、ベテランらしい視点で語った。

2日目の目標について「ベスト10を狙います!」と金田が意気込むと、「誕生日なんだから37位くらいでいいんじゃない?」とおどけて返した塚田ようすけ。

ベテラン×ベテランの“ナイスコンビ”は、フレッシュな気持ちと楽しさを忘れず、上位フィニッシュを目指して明日以降もコースを駆け抜ける。


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