「今さらですけど、ああ予選って通れるんだなって(笑)」(原江里菜)
「めちゃくちゃ嬉しいです。今さらですけど、『ああ予選って、通れるんだ』って。ずっと、どんなに頑張っても通らなかったのに。一時期は少し解説などもやってみようと試合から離れ、そしてまた戻ってきたんです。それで今回は、今までのなかで一番良いプレーができたのかなって」
明るく、いつも大輪の笑顔を見せてくれる原が、この日の囲み取材で心からの安堵の表情を見せた。
このコースには良いイメージがあったはずだ。しかしここ最近、若手選手を中心に激しいスコアの伸ばし合いになるなか、自分だけはスコアが出る感じがしなかったという。
「でも、今年は昨年よりも調子が良いから、『できるかも』と思って来たので、ちょっとそういう意味での“気合”はありました」
今年は自分のコンディションの良さを信じて、行きたかった「AIG女子オープン」の現地解説の仕事を断り、ラウンド練習を重ねて調整し、この試合に賭けてきたという。
今週はパッティングのフィーリングが良く、2日連続60台のスコアにつながった。
「ショットで気負って上手くいかないところを、パットで決められたので結果オーライです」
![画像: 10歳でゴルフを始め、東北福祉大学を卒業後、2007年にプロ入り[08年のプロテスト合格]。「自分の限界がいつ来るかわからないから、『今年が最後かも』と思いながら毎年プレーしています」](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782728/rc/2026/08/15/fed629afc5da7da91dfc21ff866297eddc91d493_xlarge.jpg)
10歳でゴルフを始め、東北福祉大学を卒業後、2007年にプロ入り[08年のプロテスト合格]。「自分の限界がいつ来るかわからないから、『今年が最後かも』と思いながら毎年プレーしています」
昨年から変えたことは特にないが、今週から7番ユーティリティ(ピン G430)を投入し、これが大活躍した。
「『ユーティリティのほうが得意だからアイアンを抜いていこう』と言われて、ダメ元でやってみたらすごく良くて。本当に嬉しいです。私、この大会で毎回、最後の3ホールを『これが最後の景色になるかもしれない』と思って、本当に涙が出そうになって、1人でセンチメンタルになりながら回っていたんです。でも今週は上がり3ホールもすごくゴルフに集中できています」
ベテランの葛藤と、ホストプロとしての誇り
若手選手の台頭は著しい。しかし今大会も、横峯さくら、金田久美子とベテラン勢が頑張っている。

08年の本大会で初優勝を飾った原。2勝目も15年の夏に挙げ、“夏娘”のイメージがある。最終日もしっかりスコアを伸ばしていきたい(写真/姉崎正)
「そうですよねえ。クミちゃんの500試合出場(今年7月末の大東建託・いい部屋ネットレディスで達成)を見て、私も500試合までは頑張りたいなと思いますけど、今年年内は厳しそうなので……。ここ最近、体力的にきついということはないんですけど、気持ちのほうが……。コースに来たら1人でルーティンをこなすということ自体、ちょっと気持ちが入らないとできないというか……。今までは当たり前のように自然にできていたのに、『頑張れ、私』みたいな感じでやらないと、すごくいい加減になってしまう。でもそれをがむシャラに頑張っていると寂しくなる。『いつまでやれるんだろう』って。そういう気持ちが行ったり来たりして。その集大成が、毎年この大会の上がり3ホールだったんですけど、今年は本当によかったです」
38歳、素直な気持ちを吐露してくれた。
「今日のボギーはどちらも3パット。ロングパットのタッチは、緊張もあったのかイマイチでした。前半は予選通過を意識しましたし、後半は『予選通過は大丈夫』と思いながら『スコアを落としたくない』など余計なことばかり考えてしまったので。明日はもうちょっと思い切ってやれたらなと思います」

今大会、バーディを量産している安田祐香もNEC所属。ホストプロの“記録”のバトンタッチが見られるか
今大会、トップを走る安田祐香が2日間で19アンダー(125ストローク)と、すでに36ホールの最少ストローク記録を叩き出している。最終日、原の持つ大会記録も破られるかもしれない。
「祐香ちゃんにやられちゃうかもですね(笑)。でも、彼女が越えてくれそうな状況なら、解説の人も『今までに記録を持っている人は原江里菜さんです』と、私の名前を出してくれると思うので。どんな形でも名前が出ると嬉しいですね。それに、どうせ越されるのなら同じNECの選手のほうがまだマシです(笑)。でも、私も本当に良いところで回っているので、せっかくですから明日もちゃんと60台で回れるように頑張ります」
上がり3ホール、原江里菜の大輪の笑顔が見られることを期待したい。
写真/大澤進二
