距離は短いが戦略性が問われる高原リゾート/ポイント1位・細野勇策
「1打1打に集中してトップ10を積み重ねる」

「夢はPGAツアー。僕が活躍するとレフティ打席は増えますよね」と語っていたレフティ期待の星は、初優勝をメジャーで飾り、世界へ羽ばたくレフティとなる!
国内男子ツアーの後半戦がスタートする。
「~ジャンボ尾崎追悼大会~ ISPS HANDA 夏に爆発 どれだけバーディー取れるんだトーナメント」が開催される群馬県の草津CCは、歴史ある日本有数の温泉地・草津温泉から車で約15分の場所にあり、1966年開場という、こちらも“老舗”だ。標高約1050mの高原リゾートコースで、距離は6702ヤード(パー72)と短めだが、フェアウェイは狭く、グリーンは傾斜があってなかなか速い。練習ラウンドをした選手たちからは、「バーディは取れそう、でも、簡単ではなさそう」という声が聞こえてきた。
ツアー前半を終えてポイントランキング1位、賞金ランキング2位に位置するのは、日本の注目若手レフティ、細野勇策だ。5月の「日本プロゴルフ選手権センコーグループカップ」でツアー初優勝を飾った。

3年前、山口のレークスワンCC美祢Cで取材したときは20歳。ここからひと回りもふた回りも大きくなった。「僕、成長しました? 嬉しいですね」
「このコースは初めてです。スタイミーですし頭を使います。距離は短いですが、狙うか、刻むか、戦略は人によって変わってくると思います」
この夏は、地元山口県の“なじみの”コースや練習場でしっかり練習した。
「前半戦は、ドライバーはすごくよかったんですけど、アイアンショットが途中から悪くなって。全体的にパー3でチャンスが作れませんでした。そこを重点的に練習していました」
今や、日本中のレフティゴルファーの希望の星にもなったと伝えると、「地元の方にも声をかけてもらったりして嬉しかったですね。やっぱり山口は落ち着きます」。
ツアー後半も、やることは変わらない。
「前半は、優勝以外は2位が1回だけだったので、全試合でトップ5、トップ10を積み重ねていきたい。そのためには、ひとつひとつの練習、一試合一試合、一打一打に集中したいです」
23歳、落ち着いた口調で、地に足の着いた目標を語るが、年間王者に関しては、すでに意識しているのか。
「まだ半分、先々を見てもしょうがないです。でも、ジュニア時代からこういうふうにトップにいるということを経験していないので不思議な感覚ではあります。それだけ成長できたのかな」
全英での悔しさを糧にさらなる進化へ/賞金1位・米澤蓮
「日本1位を目指しながら世界への扉を開く」

ジュニア時代から数々の戦績を残し、東北福祉大時代はキャプテンも務めた。イップスや坐骨神経痛……苦しみも経験してきた27歳が、ここから世界への扉を開けていく
細野に約100ポイント差でポイントランキング2位、逆に賞金ランキングは約900万円差で1位に位置するのは米澤蓮だ。
「このコースは、まだ学生だったときにチャレンジツアーで一度回ったことがあるから記憶はあります。短いけれど狭いですし、ドッグレッグのホールもたくさんあるので、バーディも出るけれど、しっかりフェアウェイに打てないとボギーも出る感じ。そこは気をつけてプレーしたいです」
今年は4月の「前澤杯」でツアー3勝目を挙げ、5月の「ミズノオープン」では2位タイに入り、初めて「全英オープン」(ロイヤルバークデールGC)に出場した。
その全英では予選落ち。「思い出したくないかな……」と苦笑いしつつ、「得たものはめちゃくちゃありました。終わってすぐはすごく悔しかったですけど、最初からそんなに上手くはいかないし、やっぱりすごくタフなところだったので。とにかくいい経験でした。リンクスは、あまり好きではないかな(笑)。でも、オーストラリアに似た感じ。今年は風がそんなになかったですけど、下がすごく硬かった。こういうコースに対応するためにはもっといろいろなスキルが必要。自分の伸びしろもいっぱいあるなと感じられました」と、次に向けてプラスになったと胸を張る。
米澤もこの夏、地元岩手でずっと過ごした。こちらも“なじみの”南部富士CCでたっぷりラウンドした。
「あまり打ち込みはやっていないです。コースで練習する時間を増やしました」

幼い頃からお世話になっている南部富士CCで今年も「米澤蓮スカラシッププログラム」を実施。共に過ごす時間は、若者にも米澤にも糧となる。詳細は、週刊ゴルフダイジェスト9月8日号で!
また、同コースで、昨夏に続き「米澤蓮スカラシッププログラム」を行い、若手ゴルファーたちに、学びと研鑽の場を提供した。
「全英が終わってしっかり時間もあったので、割と切り替えることができましたし、それこそ若い子たちと一緒で、僕もリフレッシュできた部分もある。すごくいい状態でいい調整ができたと思います」
世界につながる扉ともなる年間王者は、今年の最終的な目標だ。
「ヨーロッパ(DPワールドツアー)のQTは受けます。僕の資格では11月中旬のファイナルからいけるので。もう申し込みはしました。そちらも見つつ、でもしっかり日本でも戦います。日本で1位になればもっといいカテゴリーを得られますから。でも、年間王者は自分でコントロールできることではないですし、1戦1戦、ですね」
2人ともツアー参戦5年目。着実にここまで来た。ツアーの合間、大好きな地元で技を磨き、充実した時間を過ごした。勝負はここからだ。



