インディアナ州インディアナポリス郊外のザ・クラブ・at・チャタムヒルズ。LIVゴルフの2026年シーズン最終戦の舞台となるこの地で、スコット・オニールCEOの記者会見が実施された。

スポーツ界の歴史を変える「選手オーナー制」への大転換

新しい投資家を迎え入れ、LIVゴルフはどのような姿へと生まれ変わるのか。オニールCEOが「次なるチャプター(章)」の最大の目玉として掲げたのが、「選手が過半数を所有するリーグ」の構築という、スポーツビジネス史上類を見ないモデルである。

「この次の章は、根本的に異なるものになります。我々は、選手が過半数の株式(エクイティ)を所有するリーグを構築しようとしています。それが何を意味するのか、少し考えてみてください。選手たちは単にLIVゴルフのためにプレーするだけでなく、LIVを『所有』する機会を得るのです」

設立当初のLIVは、莫大な資金で「まず形を作り上げ、後から売る(Build it then sell it)」という、放漫財政(フリースペンディング)のイメージが強かった。しかし、オニールCEOは「私はまず売ってから作る(Sell it then build it)ビジネスで育ってきた」と語り、古い経営モデルからの脱却を図っている。

経営の先行きに不確実性が生じた際も、誰一人逃げ出すことなく経営陣が一堂に会し、10日間かけてゼロから持続可能な新しいビジネスモデルを書き上げたという。こうした泥臭い再建プロセスを経て打ち出されたのが、新体制における「商業的な規律」なのだ。

「彼らは自身が構築するものに対してエクイティを得ます。商業的権利の過半数を取り戻し、チームは実質的な資産を持つ『真のビジネス』となります。リーグと選手の利益が、長期的な価値の構築に向けて真に一致する初めての機会なのです」

この壮大なビジョンにおいて、選手の意識改革は不可欠だ。2026年にLIVとの契約満了を迎えると囁かれている看板選手、ブライソン・デシャンボーの存在について問われたオニールは、個別の契約状況への言及は避けたものの、彼を最大級の賛辞で称えた。

「彼はゴルフというグローバルなゲームを気にかけ、次世代のファンを育てることに真剣に取り組んでいます。コースの内外を問わず、彼ほど努力している選手を私は他に知りません。ブライソンは良き友人であり、リーグの良き擁護者です。彼がこれからも我々と共に未来を歩んでくれることを強く望んでいます」

「雇われプロ」から、自らの手でリーグの価値を高める「オーナー」へ。LIVの選手たちは今、プロスポーツ選手としての新しい在り方を模索している。

「打倒PGA」の終焉。“Complete, not Compete”が示す未来のスケジュール

LIVゴルフが向かう新たなフェーズにおいて、もはや「PGAツアーの打倒」という野望は存在しない。オニールCEOは、これからのLIVの哲学を「Complete, not Compete(競争するのではなく、補完する)」という言葉で表現した。

「ゴルフ界は、一つのツアーが勝ち、他のすべてが負けるような世界である必要はありません。世界中には素晴らしいツアーがあり、それぞれ異なる市場、異なるファン、異なる目的を持っています。我々の目標は、どのツアーを置き換えたり制限したりすることではありません。生態系(エコシステム)に独特なものを加え、ゴルフ界全体をより良くすることです」

その言葉を体現するように、来季のLIVゴルフはグローバルカレンダーとの「調和」を目指すという。5大陸で開催される「5つの主要チーム選手権」と、メジャー大会の準備としてアメリカを中心に開催される「5つのシグネチャー・イベント」を軸にスケジュールが再構築される予定だ。

「我々はすべてのLIVの選手が、招待される資格のあるあらゆる場所でプレーできることを望んでいます」

しかし、ゴルフ界の「分断」の傷跡はまだ完全に癒えてはいない。DPワールドツアーの担当者がLIV選手のエージェントに電話をかけ、出場に関する何らかの牽制を行っているという軋轢も表面化している。オニールは他ツアーの対応について「ゴルフの向かうべき方向とは逆行しているように見える」と苦言を呈しつつも、LIVとしての強気なスタンス、そして万が一のための「バックアッププラン」も隠さなかった。

「エコシステム全体が、世界で最も知名度のある選手たちを彼らの大会に招待することの価値と力を理解してくれることを願っています。(中略)もしそうならないのであれば、我々自身でイベント(大会)を構築するだけです。非常にシンプルな話です」


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