記録的動員と確かな「ファクト」が導く2027年以降の世界
破産説、資金難、他ツアーとの軋轢。逆風ばかりが強調されがちなLIVゴルフだが、その裏では依然として桁外れのマネーが動いている。このインディアナポリス最終戦単体でも賞金総額は1010万ドル、チーム選手権の分配金は3000万ドル(優勝チームは840万ドル)に達し、さらに年間個人王者上位3名には総額1000万ドル(1位ラームに600万ドル)のボーナスが支払われる。まさに巨額の投資が継続されているのだ。そして、オニールCEOが「私の自信のレベルは高い」と断言する裏には、こうしたスケール感だけでなく確かな実績と「ファクト」の存在がある。
競技面では、ジョン・ラームが個人タイトルを3連覇し、4Acesがレギュラーシーズンのチーム戦を制覇。ホアキン・ニーマンは通算9勝という圧倒的な記録を打ち立てるなど、高いレベルが維持されている(ただし、そのジョン・ラームの離脱の噂もあるが……)。
そして何より、ビジネス面での「数字」が力強い。
「オーストラリアの大会(アデレード)では、同国のゴルフイベント史上最多となる11万5000人のファンが集まり、世界中で550万人以上がその放送を視聴しました。アメリカでの放送視聴者数も昨年比で30%増加し、スポンサーシップ収入も私の就任1年目で300%増加した後、さらに60%近く成長しています」
さらに、オニールCEOは観客層の質の変化を強調する。観客の「約40%」が女性で占められ、半数以上がCEO(50代)よりも若い世代で構成されているという。従来のゴルフ界では考えられない若く多様なファン層の獲得に伴い、Qualcomm、Under Armour、Reebok、Aramco、Salesforce、キャロウェイといった超一流のグローバルブランドが次々と提携し、撤退するどころか投資をさらに倍増(ダブルダウン)させているのだ。
「ファクトが良いとき、それは通常良い結果につながります。我々にはやるべき仕事があり、乗り越えるべきハードルがあり、実現しなければならない非常に複雑な取引があります」
オニールCEOは会見の最後に確信に満ちた表情でこう締めくくった。
「しかし、私なら我々に賭けない(bet against us)手はないと思いますよ」
巨額のオイルマネーによる劇的な誕生から、経営危機というどん底を経て、選手オーナー制というスポーツ界の歴史を変える壮大な実験へ。LIVゴルフが描く「次なる野望」の行方は、2027年以降の世界のゴルフシーンを決定づける最大の焦点となるだろう。
