アダム・スコットが語る「チームの熱狂」と、大黒柱・松山英樹への敬意
今大会のフィールド最年長、46歳の大ベテランであるアダム・スコット(オーストラリア)は、公式会見で世界選抜メンバーたちの目覚ましい活躍から、自身がどれほど大きなモチベーションを得ているかを熱く語った。
彼は前哨戦のメンフィスで行われた世界選抜のチームディナーを振り返り、仲間たちへ伝えた確信を明かしている。
「ライアン(・フォックス)がメジャー(全英オープン)で勝ち、トム・キムがスコットランドで勝ち、同じ大会でミンウ(・リー)が2位に入った。(キム・)シウーは毎週のように素晴らしいプレーを続け、(イム・)ソンジェも本来の圧倒的なフォームを取り戻している。そして、ヒデキ(松山英樹)は毎週トップ10に入り続けている。僕たちのモメンタムは、今まさに信じられないほど素晴らしい状態にあるんだ」
スコットは具体的な名前を挙げ、特に日本の絶対的エースである松山英樹の驚異的な安定感を最大級の賛辞で称えた。
ゴルフは本来、孤独で極限の精神力が求められる個人競技だ。しかし、主将ジェフ・オギルビーのもとで何度も開かれたチームディナーを通じ、仲間たちの輝かしいパフォーマンスを共有することが、「自分も彼らに負けずにステップアップしなければならない」と奮い立つための、これ以上ないガソリンになっているという。
その言葉を証明するように、今週のイーストレイクには世界選抜の自動選出枠となるトップ6名(キム・シウー、松山英樹、ライアン・フォックス、トム・キム、ミンウー・リー、アダム・スコット)全員が、誰一人欠けることなく出場権を掴んで顔を揃えている。この「6人がアトランタに揃った」という事実そのものが、チームにとって巨大な自信の源なのだ。
「2022年水曜夜の悪夢」を乗り越え、39歳で大舞台を掴んだライアン・フォックスの執念
この世界選抜の強力な布陣において、ひときわ熱い想いを胸に最終戦を戦っているのが、39歳でツアー選手権デビューを果たしたライアン・フォックス(ニュージーランド)だ。
今や全英オープン覇者として世界に名を馳せるフォックスだが、プレジデンツカップの代表選考には、生涯忘れることのできない「悪夢のような挫折」があった。
それは4年前の2022年大会のこと。当時、代表入りのボーダーラインである世界選抜12番手以内に位置していたフォックスは、自身がメンバーに選出されることを信じて疑わなかった。しかし、欧州ツアー出場のため滞在していたスイスのクラン=モンタナで、大会開幕を控えた「水曜日の夜」、当時の主将トレバー・イメルマンから非情な落選を告げる電話を受け取ったのだ。
「人生で最もタフな電話だった。精神的なダメージがあまりに大きすぎて、その週のスイスでの自分のプレーに、ものすごく大きな悪影響を及ぼしてしまったんだ」
2024年大会も不調から選外となり、自宅のテレビで仲間たちの戦いを見守るしかなかった悔しさ。だからこそ、39歳となった今年、自力で自動選出3位の座をもぎ取り、さらに「ツアーに参戦して以来、最大の目標だった」という最終戦イーストレイクのフィールドに堂々と立っている事実への興奮は計り知れない。
「今年は最初から自動選出で入ることを最大の目標にしてきた。それがほぼ確実になった今、本当にエキサイティングな気分だよ。このチームはキャプテンも選手も本当に仲が良く、最高の関係が築けている。僕もチームの大きなピースとして、必ず何か特別なことを成し遂げてみせる」
奇跡のシンクロ:初日「66」で並走する、同盟の直接対決

26年全米オープンの練習日には一緒にラウンドするほど仲の良いアダム・スコットとライアン・フォックス(写真/USGA提供)
アトランタで世界選抜が誇るこの巨大なモメンタムは、早くもリーダーボードの上部に鮮やかな火花を散らしている。
大会初日、最年長アダム・スコットと、不遇の時代を乗り越えたライアン・フォックスの2人は、まるで互いの存在を誇示するように揃って「4アンダー・66」という素晴らしいロケットスタートを決めたのだ。
この結果、第2ラウンドでは、世界選抜の命運を握る同盟コンビが「同組直接対決」としてペアリングされるという、奇跡的なシンクロニシティが実現した。
「この最高の勢いを、3週間後のメディナ(プレジデンツカップ開催地)までどう維持するかは未知数だ」とスコットは笑う。
「でも、できることは何でもする。お互いの好プレーを目にすることが、僕たちの自信を最も高いレベルで転がし続けさせる最大の力になるからね」
1000万ドルの年間王者を巡る極限のサバイバル。そのスコアボードの数字の裏側で、すでに胎動を始めている世界選抜の固い連帯と人間味あふれるドラマ。彼らがアトランタで育む熱気が、3週間後、絶対王者アメリカ選抜の牙城を崩すための巨大な波へと変わっていく。
【世界選抜(候補)メンバーの初日順位】
●1位/8アンダー/ミンウー・リー
●9位タイ/4アンダー/ライアン・フォックス、アダム・スコット
●15位タイ/3アンダー/トム・キム
●25位タイ/1アンダー/松山英樹、キム・シウー
