全国から問い合わせが殺到するという知る人ぞ知る人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター吉田朋広氏が、話題の注目ギアを検証・解説する本企画。今回はグラファイトデザインの最新モデル「TOUR AD EK」を試打してもらった。果たしてどのような性能を秘めたシャフトなのだろうか。

TOUR AD EKの特徴について

グラファイトデザインから2024年に発売された「TOUR AD GC」、そして2025年の「TOUR AD FI」に続く、新世代「TOUR AD」シリーズの第3弾「TOUR AD EK」が今年9月4日に登場します。今回はこの「TOUR AD EK」の実力を徹底的に試打検証していきます。

画像: TOUR AD EK

TOUR AD EK

今回の「EK」は、新世代「TOUR AD」ブランドの中でもシャフトの走り感が得られる中調子モデルです。「走るシャフト=つかまり過ぎる」という従来のイメージを覆すべく設計された、グラファイトデザイン社の看板ブランドに相応しい新感覚の中調子シャフトに仕上がっています。

なおモデル名の「EK」は、「EXTRA KICK」の頭文字に由来しています。

シャフトの外観は2025年9月発売の「FI」を踏襲しつつ、艶のあるソリッドグレーを採用したシックなデザインです。このグレーカラーは、昨今の国内外の自動車メーカーでトレンドとなっているボディカラーから着想を得たといわれています。

メーカーのシャフトポジションマップにおいて、「EK」は中弾道・ドローの領域に位置します。重量ラインナップは、40g台の「EK 4」、50g台の「EK 5」、60g台の「EK 6」、70g台の「EK 7」という4つの重量帯で展開されています。

今回はその中から、特にニーズが高く注目が集まる50g台の「TOUR AD EK 5S」と60g台の「TOUR AD EK 6S」の2モデルを検証します。

しっとりとしなやかな TOUR AD EK 5S

テストヘッド:テーラーメイドQI4D (10.5度)
シャフト:TOUR AD EK 5S
シャフトレングス:45.5インチ
シャフト重量:56グラム
トルク:4.4
調子:中調子
振動数:233CPM

まずワッグルして感じるのは、しっとりとした「しなやかさ」です。従来のTOUR ADの5Sに比べて手元側の剛性を抑えており、素直で心地よいしなりを感じ取れます。中間からやや先にキックポイントがある中調子ですが、シャフトの特定部分に極端な硬さがないため、手元から先端までが滑らかにしなり込んでいく印象です。

実際にスウィングしてみると、手元側には心地よい剛性感があり、ダウンスウィングでの切り返しが非常にスムーズに行えます。「GC」から導入されたフープ層構造「AD SHIELD」が手元と先端の剛性差を整え、スウィング中のシャフトの潰れを抑制。これにより、確かな手応えを残しながらも、全体のスムーズなしなり戻りを生み出しています。

画像: AD SHIELD構造がシャフト全体のスムーズなしなり戻りを生み出している

AD SHIELD構造がシャフト全体のスムーズなしなり戻りを生み出している

中間から先にかけて適度な動きはあるものの、挙動自体は非常にマイルドで安定しており、インパクトエリアまでしっかりとヘッドを導いてくれます。インパクトでも先端が硬すぎず、滑らかな挙動によってボールをフェースへ力強く押し込んでくれます。

ドローポジションの設計ではありますが、ボールのつかまり具合は非常にナチュラルで、シャフトの急激な動きで無理やりドローを打たせるタイプではありません。この自然なつかまり性能があるからこそプレーヤー自身でコントロールがしやすく、重心距離が40mm以上ある大慣性モーメントヘッドと組み合わせても球が滑らず、オートマチックに包み込むようなインパクトをイメージできます。

画像: 吉田氏のTOUR AD EK 5S、TOUR AD EK 6Sの評価

吉田氏のTOUR AD EK 5S、TOUR AD EK 6Sの評価

手元側で切り返しやすいぶん、自身のスウィングでつかまり具合を細かくコントロールできる設計です。

新世代のつかまり系である「EK」は、先走るシャフトにありがちな極端な挙動や過度なスピード感こそあまりないものの、実際にはヘッドスピードの加速を実感できます。穏やかな切り返しから中間〜先端にかけてしっかりとしなり戻り、球を捕まえられる、今までの「TOUR AD」にはない新しいフィーリングです。

「EK 5S」はSフレックスでありながらハードさはなく、適応するスウィングタイプやヘッドスピードのストライクゾーンが非常に広いと感じます。「これまでTOUR ADは自分には難しい」と敬遠していた方にこそ、ぜひ試していただきたいモデルです。

5Sは「EK」の基準となる性能を備えていますので、まずはこのフレックスから試してみることをおすすめします。

叩いても当たり負けしないTOUR AD EK 6S

テストヘッド:テーラーメイドQI4D (10.5度)
シャフト:TOUR AD EK 6S
シャフトレングス:45.5インチ
シャフト重量:66グラム
トルク:3.2
調子:中調子
振動数:266CPM

「EK 6S」はワッグルした段階から、「EK 5S」に比べて手元側にしっかりとした張りを感じられ、「TOUR AD」の60g台・Sフレックスらしい手応えを備えた設計になっています。プロやアスリートゴルファー向けらしく、切り返しでしっかり叩きにいくプレーヤーでも頼りなさを感じることはないでしょう。

中間部には適度なしなりを感じさせつつも潰れる挙動はなく、先端部に動きを持たせた特性です。先端剛性が高いため、力強く叩きにいっても当たり負けせず、安定したインパクトを可能にしています。

画像: TOUR AD EK 6S

TOUR AD EK 6S

基本的にはドローポジションに属するシャフトですが、パワーのあるプレーヤーにとってコントロールしやすいのが大きな魅力です。手元と先端の剛性バランスに優れているためスウィングスピードを調整しやすく、コースのレイアウトに応じた弾道の打ち分けや飛距離コントロールも容易に行えます。

大慣性モーメントヘッドとの相性も「5S」同様に良好で、ボールを押し込んでつかまえる自然なつかまり感を得られます。バックスピン量が減りすぎることもなく、左への巻き込み(チーピン)を恐れずに安定したドロー弾道を狙っていけます。

画像: TOUR AD EK 5S、TOUR AD EK 6Sの比較

TOUR AD EK 5S、TOUR AD EK 6Sの比較

「EK 6S」は、「TOUR AD」ブランドのつかまり系として、プロやアスリートゴルファーが求める「自分のスウィングで弾道をコントロールできる自然なつかまり感」が見事に表現されたモデルです。

歴代の「TOUR AD」ユーザーにとっても扱いやすさを実感できる、新感覚のつかまり系シャフトです。ぜひ一度、その性能を体感してみてください。

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