
高校生のダニエル・ペナロサさん
サウスカロライナ州オールドバーンウェルのキャディは全員が地元の若者たちだ。創設者が「キャディに利益をもたらす」目的で立ち上げたプログラムに切実な理由で応募した高校生のダニエル・ペナロサは大学進学を諦めていた。2000万円近くかかる学費を学校給食の調理員の母ひとりが賄えるとは思わなかったからだ。
A golf club's unusual act of kindness gives teen caddie a life-changing tip
www.youtube.comだが、経済的理由でキャディとして働き始めると彼女の手腕はたちまち評判になった。160センチの体でバッグを担ぎながらプレーヤーを励ましミスをフォロー。的確で心地よい言葉をかける。彼女がキャディにつけば誰もが快適なラウンドを経験する。本人にとって当たり前の行動が人々に多大な影響を与え、そのお返しにゲストからオーガスタナショナル女子アマのチケットをプレゼントされたこともある。
やがて高校の卒業が近づくと頭を悩ませる問題が生じた。母親がカリフォルニアへ引っ越すことになったのだ。だが彼女はオールドバーンウェルを離れたくなかった。そんなある日、コースのミッションディレクターから優秀なキャディを支援する「エバンススカラシップ」への応募を勧められた。授業料だけでなく、衣食住すべての費用が免除される夢のような制度だ。そして彼女は難関に挑み突破。最終面接では奨学金を受ける意味を問われ「4年間の地獄のような日々を経て、もう大丈夫と普通に息が吸えるようになると思うと胸がいっぱいです」と語り審査官を感動させた。
もう一つの家族であるゴルフ場の仲間たちと喜びを分かち合った彼女は、夏の終わりに晴れてサウスカロライナ大学の新入生となった。2000万円もの学費と生活費を支給され経済的な困難はなくなったが、彼女はそこでキャディを続ける。「ゴルフを通して人生を学ぶために」。
このドキュメンタリーはGolf.comが制作。YouTubeで14万回以上再生されている実話だ。
※週刊ゴルフダイジェスト2026年9月15日号「バック9」より

