
解説/堀越良和
試打経験から裏打ちされた豊富な知識と試打技量から大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる、“キング・オブ・試打”。クレアゴルフフィールド所属
思い通りのショットが打てない場合、スウィング改善に挑戦し、路頭に迷ってしまった経験のあるゴルファーも多いだろう。
しかし、スウィングは変えずに“ティーの高さ”で改善するなら、試さない手はない。
今回、堀越良和プロにティーの高さが弾道に与える影響がどのようなものなのか教えてもらった。
「アマチュアは、ティーショットが上手くいかないとどうやってスウィングを修正するかなど、大きく変えようとする人は多いです。しかし、ティーの高さで弾道が変わることを認識しているゴルファーは少なく、スウィングを変えてしまう前にティーの高さが適正であるかを考え直すだけで、改善が見込まれる人は多いですし、ティーの高さを数ミリ変えるだけで弾道は変わります」
では、ティーの高さは弾道にどのような影響を与えるのか。
「ティーの高さはクラブの入射角に大きく影響を与えます。ティーを高くした場合、アッパーブローで打ちやすくなり、入射角は緩やかになることで、スウィングの最下点を過ぎてヘッドが上昇する流れでボールをとらえやすくなります。緩やかな入射角でヒットしたボールはフェースの上部に当たり、球が上がりやすくなるため、ギア効果が働くと、バックスピン量は減る傾向があります。加えて、インサイドアウトの軌道になりやすく、フェースが閉じる空間が生まれ、球もつかまります。対して、ティーが低い場合、入射角はダウンブロー気味(鋭角)になりやすく、打ち出しが低くなり、弾道も低くなります。また、フェースの下部でヒットしやすくなり、バックスピン量が増えやすくなります。つかまりは最下点より手前側でヒットしやすいので、つかまりづらくなります」
高いティーアップ
●アッパーになりやすい
●球が高くなりやすい
●スピンが少なくなる
●球をつかまえやすい
ティーが高いと、アッパーでボールをとらえやすく、フェース上部でヒットすることで、高打ち出し低スピンで弾道が高くなりやすい。また、インサイドからヘッドが入りやすく、フェースが返りつかまりやすいので、日頃スライスに悩んでいる人には高いティーがおすすめ。また、打ち出しが高くなるため、球が上がらず困っているゴルファーにもいいだろう。

日頃スライスで悩んでいる方は高いティーアップで
低いティーアップ
●ダウンブローになりやすい
●低~中弾道になりやすい
●スピンが多くなる
●球がつかまりにくい
クラブが鋭角な軌道で入るので、打ち出しが低くなり、弾道が低くなりやすい。ダウンブロー気味に入り、フェースの下めでヒットするので、スピンが入りやすい。また、フェースが閉じる前にヒットしやすいことで、つかまりが抑えられるので、引っかけなどの左のミスが起きやすいゴルファーや、スピン量が不足している人も低いティーがおすすめ。

左のミスをする人は低めのティーアップで
その日の球筋の傾向はティーの高さで調整しよう!
「かたくなに同じ高さで打つ必要はありません」(堀越プロ)
ラウンド前の練習やラウンド中の球筋の自分の傾向に合わせて、ティーの高さを調整すれば、理想の弾道が描けるだろう。つかまりが悪い場合はいつもより高く、逆につかまり過ぎる場合は、低く設定するとよい。
「その日の傾向によって、高さを調整するといいでしょう。いつも同じ高さで打つ必要はなく、臨機応変に高さを変えることをおすすめします」(堀越プロ)

その日の傾向によって高さを調整する
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ここまではティーの高さが入射角やスピン量、球のつかまりに与える基本的な影響とメカニズムを解説しました。
続く「後半」では、実戦で即役立つ「シチュエーション別のティーの高さ調整術」に迫ります。
● 打ち上げ・打ち下ろし・アゲンストでの最適解
キャリーを稼ぎたい打ち上げでは高く、風の影響や曲がり幅を抑えたい打ち下ろし・アゲンストでは低く設定するなど、コース状況に応じた調整法を伝授 。
● 右OB・左OB・狭いホールでのミス回避術
「右に曲げたくない(つかまえたい)時は高く」「左への引っかけを防ぎたい時やフェアウェイキープ優先の時は低く」など、ハザードを避けて確実に狙ったエリアへ運ぶためのテクニックを徹底解説。
毎ホール同じ高さで打つ必要はありません。その日の調子やホールのロケーションに合わせてティーの高さを臨機応変に変え、劇的なミス激減と理想の弾道を手に入れましょう!
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PHOTO / Yasuo Masuda
THANKS / 大宮GC
週刊ゴルフダイジェスト9月15日号より


