「MT-28」「MTIウェッジ」など数々の名器を世に送り出し、日米両ツアーで多くのプロ支給品を手がけてきたクラブ設計家、宮城裕治氏が流行に惑わされないクラブ選びとクラブ設計の真実をクールに解説。今回はプロやテスターの間で「スリクソンZXi RKT ドライバー」が高く評価されている理由について考察した。
画像: 海外ツアーでも勝利して実績を残しているスリクソンの「ZXi RKTドライバー」

海外ツアーでも勝利して実績を残しているスリクソンの「ZXi RKTドライバー」

ダンロップが覚醒した!?

みんゴル(以下、み):今週末に発売される「スリクソンZXi RKT ドライバー」の前評判がやたらとよく、海外ツアーでも勝って結果も残しています。フェースには宮城さんがベタ褒めしていた「ゼクシオ14」と同じVRチタンも採用されているそうですが、デザイナー目線でどこが優れているのか教えてください。

宮城:VRチタンはゴルフ専用に開発された新素材で、強度が高くフェースをかなり薄く作れるので「ゼクシオ14」では弾き感や初速が見違えるように向上しました。

み:「スリクソンZXi RKT」の初速が速いのもVRチタンのおかげですか?

宮城:要因はほかにもあります。構造面でいえば「スリクソンZXi RKT」は「スリクソン ZX MkII」と「スリクソンZXi」の2代続いたフルチタンヘッドから再びカーボンクラウンとチタンの複合構造に戻りました。

み:「スリクソン ZX MkII」がフルチタンを採用したのは、松山英樹をはじめ契約プロがフルチタンのほうが弾きがいいと評価したからだと聞いていますが。

宮城:同じカーボンクラウンでも、他社のヘッドはチタンフレームの幅が10㎜くらいでほとんどカーボンなのに対し、「スリクソンZXi RKT」の場合はチタン部分の幅が広く、カーボンクラウンは後ろ半分ちょっとです。

み:言われてみれば確かに。しかし、それならわざわざカーボンクラウンにする意味が薄れてしまうような気がします。

宮城:そこがダンロップの作り方の上手なところで、ボディのたわませたいところをチタンにしているのでしょう。この作り方ならフルチタンの打感を気に入っている松山英樹も文句はいわないと思います。あとはディープフェースを採用したところも評価できます。

み:ディープフェースは難しいイメージがありますが。

宮城:いまの時代、ディープフェースだからといって難しいわけではありません。「スリクソンZXi RKT」もシャローバックのままディープフェースにしているので球は上がるでしょうし、フェース面積が拡大したことでテニスのデカラケのように打点ミスに強く芯を外しても初速が落ちにくくなっています。さらにいえば、キャロウェイのようにフェースをヒール方向に移動させた効果もあるでしょう。真ん中で打ってもトゥで打っているのと同じ結果になりスピンが増えません。

み:確かにシェイプはキャロウェイ風に見えます。「スリクソンZXi RKT」は飛びを評価する意見のほかに構えやすくなったという声もよく聞きます。

宮城:昔のダンロップのウッドは実際よりもロフトが立っているように見えましたが、今回の「スリクソンZXi RKT」はロフトがよく見えて球が上がりやすそうな雰囲気があります。

み:トゥの上に行くほどロフトを大きくして過度なフック回転を抑えているとか。テーラーメイドのツイストフェースのような効果を狙っているのでしょうか。

宮城:昔のパーシモンの形状に戻した感じですね。フェースの上のほうを逃がしてかぶって見えないようにしているので構えやすく感じます。ソールの据わりも、ポンと置いたときにぺらんと開かず、若干開いたちょうどいいところで据わります。この見え方はスウィングにもいい影響を与えてくれます。

み:VRチタンは革新的素材かもしれませんが、構造そのものはオーソドックスですね。

宮城:複合フェースとかモノコックボディなんかは確かにキャッチーな話題ですが、今回ダンロップはスタンダードな構造でも作り込めば同じくらいかそれ以上の性能を出せることを示しました。「ゼクシオ14」といい「スリクソンZXi RKT」といいダンロップは完全に覚醒しましたね。まだ打っていませんが同じシリーズのアイアンも期待できそうです。


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