過酷すぎる下地作り「重り持ちランニング」
中野が「僕の今の体の下地を全部作っている」と全幅の信頼を寄せるトレーニングがある。それはウエイトトレーニングでもなく、特殊なマシンを使ったものでもない。一見地味だが、想像を絶する過酷さを持つ「重り持ちランニング」だ。
「最初のアップでランニングマシンに乗るんです。傾斜ゼロでスピード時速8キロくらいの軽いジョギングを5分やった後、両手に1キロずつの重りを持って、傾斜を『6』にするんです。体感としては15〜20度くらいあってもおかしくない急勾配ですよ。その状態で、少し早めのジョグくらいのスピードで『腕を振れ』って言われるんです」
両手に重りを持ち、急勾配を走りながら腕を振り続ける。中野いわく「最初の30秒でもキツいのに、それを5分間ずっと続ける」というこの過酷なメニューこそが、彼のスウィングの土台となる強靭な体幹と下半身を作り上げているのだ。「あれだけで正直、下地としては十分すぎるくらいです。ただ、今もう一回やり直したほうがいいんじゃないかって思っていますけどね」と彼は笑う。
ボクシングの動きから「連動性」をゴルフスウィングへ
そしてもう一つ、中野のトレーニングを語る上で欠かせないのが「ボクシングの動き」の導入だ。クラブという道具に頼らず、自分自身の体を使ってどうすれば強いパンチが打てるのか。その体の使い方(連動性)を学び、ゴルフスウィングに落とし込むという、元ボクサーのロッキー氏と2人で考えた斬新なアプローチである。
「簡単に言えば、スピードが出る体の使い方を覚えるんです。意外と『自分が思っているよりも、こう体を動かしたほうがいいんだ』という発見があるんですよ」
ロッキー氏との6年間に及ぶトレーニングの中で、中野はボクシングの動きを単なる格闘技のフォームとしてではなく、ゴルフの素振りのような感覚にまで昇華させている。「この動きが足りてないんですよね」と伝えれば、ロッキー氏が「これやってみたら?」と、ゴルフスウィングに直結する絶妙な動きを提案してくれるという。このアプローチの即効性は凄まじく、中野が他の選手にこのメソッドを紹介したところ、「みんなすぐに飛距離が伸びた」という驚きのエピソードもあるほどだ。
理学療法士による的確なケア! 中殿筋と腕のコリを防ぎスウィングを維持

KBCオーガスタ終了時点でのドライビングディスタンスは292.76ヤードでツアー31位。ポテンシャルからすると「そんなに飛んでいないですね、いまは」と語る中野麟太朗。ほぼ毎試合トップ30に入る体力はロッキー氏との高校時代からの取り組みが功を奏している
理学療法士であるロッキー氏の存在は、トレーニング面だけにとどまらない。
「疲労が溜まっていくと、中殿筋や左腕のあたりがとにかく硬くなるんです。ここが動かなかったら、ボロボロに崩れたスウィングで毎試合やることになってしまう」
その重要な箇所を的確にケアし、怪我を防ぐことで、中野はツアーを戦い抜く盤石の体を手に入れたのだ。そのトレーニング内容は中野の公式YouTubeでも公開されているので、ぜひご覧いただきたい。
写真/姉崎正
文/山口哲平
【動画】飛距離を伸ばした秘密のトレーニングを大公開!【公式YouTube中野麟太朗 リンリン ゴルフ】
#16 【トレーニング】飛距離を伸ばした㊙トレーニング法を公開!!
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