DPワールドツアー「アムジェン アイルランドオープン」の2日目が終了した。日本から出場した金子駆大、桂川有人、星野陸也の3選手は過酷なリンクスの壁に阻まれ、無念の予選落ちとなった。初日は強風と雨により「1ラウンド6時間」を要する地獄のコンディションとなったが、2日目は風が和らぎコースの表情が一変。2位に浮上したリー・ハオトンが「昨日は3フィートのパットで手が震えたが、今日はバーディ天国だった」と語った通り、一転して猛烈なバーディ合戦へと変貌した。その激しい伸ばし合いの中で完全にゲームを支配し、地元ファンを熱狂させているのがアイルランドの英雄、シェーン・ローリーだ。

コースレコード「62」! 夢の「59」を意識した瞬間

単独首位に浮上したシェーン・ローリーのこの日のプレーは、まさに「ゾーン」に入っていた。

画像: アイアンとウェッジがほぼ完璧だったシェーン・ローリー(写真は26年全英オープン)

アイアンとウェッジがほぼ完璧だったシェーン・ローリー(写真は26年全英オープン)

第2ラウンド、ローリーはノーボギーの8バーディ「62(8アンダー)」というコースレコードを叩き出し、通算11アンダーで後続を突き放した。圧巻だったのはその猛チャージぶりだ。前半を「30」で折り返すと、12番ホールを終えた時点で早くも8アンダーまでスコアを伸ばしていた。

ラウンド後の会見で「59(マジックナンバー)を意識したか?」と問われると、彼は精神的な余裕を見せてこう笑った。

「ああ、考えたよ。13番で3パットするまでは少し考えていたね(笑)。前半が30で、後半のパーは34だから、そりゃ意識するさ。でも、目の前の仕事に集中できていたし、13番のミスの後も残りのホールをしっかりプレーしてチャンスを作れたのは良かったね」

この日ローリーが見せた「62」の無双状態は、冷徹なデータにもはっきりと現れている。パーオン率(GIR)は18ホール中16ホールで捉える「88.9%(全体2位)」を記録し、グリーンを外した2ホールもすべて沈めてスクランブリング(パーセーブ率)は「100%(全体1位タイ)」をマーク。ショットとリカバリーの双方で圧倒的な数字を並べた。

【動画】まさにゾーン! シェーン・ローリーの好調だった2日目のパッティング集【DPワールドツアー公式X】

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ローリー自身も「不運なライから価値あるパーを拾った10番と、13番のミスの後に獲り返した15番のバーディが今日のハイライトだった」と納得の表情で振り返る。極限の重圧がかかる母国戦で夢の「59」を意識しながらゴルフを楽しむ余裕こそが、現在の彼がどれほど高い次元でプレーしているかを物語っている。「久しぶりに心底ゴルフが楽しいと思えた」という彼の言葉は、何よりも対戦相手にとって大きな脅威となるだろう。

親友マキロイが語る「ローリーがリンクスに強い理由」

この日、パッティングに苦しみながらトータル2アンダーで20位タイに位置する親友、ローリー・マキロイ。彼はローリーの躍進について、トッププロならではの視点でその強さの秘密を紐解いた。

「シェーンが吹き荒れるリンクスの風に強い理由は何か? それは、彼自身が『自分は強風のリンクスに強い』と心から信じていることだ。それが勝負の半分を決めているんだよ」

マキロイはさらに、技術面からの分析を付け加える。

「彼はボールを高く上げるのではなく、常に風の下を通すような弾道を好んで打つ。このスタイルのゴルフが、彼がゲームをどう見ているかに完璧にフィットしている。だからこそ、他の誰よりもリンクスを上手く扱えるという『揺るぎない自信』を持っているんだ」

過酷な環境を味方につけるプレースタイルと、それを裏打ちする強固なメンタリティ。この二つが組み合わさった時、ローリーは無類の強さを発揮する。

週末のさらなる熱狂へ

リーダーボードの頂点で週末を迎えるローリーだが、決して気は緩んでいない。「明日は厳しいコンディションになることは分かっている。素晴らしい選手たちが後ろから追いかけてくるだろうから、ベストを尽くすだけだ」と気を引き締める。

天候の変化に伴い牙を剥く週末のリンクスで、彼がどこまで無双劇を続けるのか。アイルランドの熱狂は、最高潮を迎えようとしている。

写真/R&A


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