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テーラーメイド“アイアン”開発担当者に直撃!「P7CB / P770 / P790」の「打感と最適重心」が生むパフォーマンス #アイアン #テーラーメイド
youtu.be【Question1】
幅広い層を満足させるテーラーメイドのアイアン設計のこだわりとは?

マシュー・アダムス(Matthew Adams)
プロダクトマネージャー(アイアン)
(撮影/田邉安啓)
幅広い層に愛用されているテーラーメイドのアイアン。多様なニーズに応える設計思想について尋ねると、アダムス氏は「見た目の美しさ」と「機能性」の相乗効果に言及した。

テーラーメイド自慢の「Pシリーズ」アイアン(左から「P7CB」「P770」「P790」)(撮影/三木崇徳)
「アイアン設計において、どのゴルファー向けの製品であってもデザイン面は非常に重要です。一般的にアベレージゴルファーは、全体的な性能や飛びを重視する傾向があり、形状やヘッドサイズなどにも比較的寛容です。しかし、上級者になるほどデザインへのこだわりは強くなり、オフセットの度合いやトップラインの厚みといったポイントをシビアに見るようになります」
上級者が求めるシャープな形状と必要な寛容性をどう両立させるのか。アダムス氏は「P770」の開発エピソードを引き合いにこう語る。

トップブレードのエッジ部分にアール処理を施したことで、シャープな見た目と高い寛容性を両立することに成功した「P770」(撮影/三木崇徳)
「ターゲット層が本格派プレーヤーである『P770』は、歴代モデルを通じて『トップラインをもっと薄くできないか』と要望されてきました。しかし物理的にトップブレードを薄くすると、慣性モーメントが下がりミスヒットへの寛容性が損なわれます。そこで私たちは試行錯誤を重ね、トップブレードのエッジに適度な丸みを施す処理を行いました。これにより構えた時にプレーヤーはトップブレードが“薄い”と認識します。見た目のシャープさを叶えつつ、設計通りの性能や寛容性を発揮できる工夫です。これなどはまさにデザインと科学が融合した好例でしょう」
【Question2】
コリン・モリカワも惚れ込む「P7CB」の優れている点は?
ツアープロがこぞって実戦投入している最新モデル「P7CB」の強みは、徹底的に計算された「重心位置」と「構造」にあるという。

軟鉄鍛造ならではの打感・打音を追求しつつ、テクノロジーも盛り込まれた「P7CB」(撮影/三木崇徳)
「最大の強みは重心の開発とその位置です。上下方向だけでなく、左右方向の重心位置も精密にコントロールしています。その結果、上下・左右の重心がフェースのど真ん中で正確に一致するように設計しています。これにより高い再現性と安定したスピン性能を実現しました」

「P7CB」の重心位置はフェースの真ん中
優れた打感を生み出すキャビティデザインにも、革新的なテクノロジーが注入されている。
「キャビティデザインの工夫により、より高い慣性モーメントと優れた安定性を実現しました。わずかなミスヒット時でもブレがしっかりと抑えられ、安定した初速やスピン量を維持できます。さらに、キャビティバック構造で採用した革新的な手法が、ヘッドの『複合鍛造』です。この製法とタングステンウェイトの配置によって、まるで一回り大きいヘッドのような安定感をもたらします。余分な金属を削り、複合素材とタングステンを精密に配分することでスイートスポットが大きく拡大しました。ヘッドサイズ自体は一切大きくしていないにもかかわらず、『P770』に近い寛容性を持たせることに成功したのです」

「P7CB」はコリン・モリカワをはじめ、多くのツアープロが愛用する
【Question3】
感性を刺激する「理想の打音」はどう生み出す?
アイアンにおける心地よい打感や打音は、ゴルファーにとって極めて重要。アダムス氏は、打音を科学的な3つの要素に分解して設計していると解説する。

「打音は緻密にチューニングしています。イコライザーで音楽を調整するようなイメージです」(撮影/田邉安啓)
「私たちが打音を構成する上で重要視しているのは、『周波数』『エネルギー』『持続時間』の三大要素です。まず『周波数』はいわゆる音の高低の指標で、私たちは高めに設計するアプローチをとっています。高めの周波数の打音を聞くと『芯をとらえた良いインパクトだ』と感じやすいからです」

高音でボリュームは小さく、さらに音の余韻が短いことが、テーラーメイドが考える優れたアイアンのサウンドだ
音の高さだけでなく、音の大きさや余韻の長さも計算し尽くされている。
「次に『エネルギー』はインパクト音の大きさとほぼ同義ですが、アイアンの場合は音量を抑え込む設計を施します。ドライバーのような大きな音は、アイアンでは不快に感じてしまうからです。控えめな打音こそが『分厚く打球をとらえた心地よい打感』だと感じさせます。そして三つ目の『持続時間』はインパクト時の余韻が耳に残る長さですが、アイアンにおいては短い持続時間が求められます。つまり、周波数を高くして音を良くしつつ、音量を控えめにし、残響の持続時間を短くすることで、ボールを重厚に打ち抜いたような理想の打感を生み出しているのです」
【Question4】
アイアンの進化における“伸びしろ”はどこにあるのか?
クラブ開発の歴史の中で、アイアンはすでに完成された形状とも言われるが、アダムス氏は「今後の進歩にはまだ大きな可能性がある」と断言する。
「『鍛造技術』のおかげで、アイアンのデザインにはまだ大きな可能性があると信じています。製造プロセスの技術革新により、精度の高い加工が低コストで可能になりつつあるからです。従来、アベレージ向けアイアンは鋳造が主流でしたが、今後はアベレージモデルへの鍛造の導入も進んでいくでしょう」

複合鍛造の「P7CB」(撮影/三木崇徳)
単一の素材にとどまらない次世代の製法についても言及した。
「素材単体での鍛造や、スチールとタングステンの複合鍛造、フェースとボディを別々に製造し、ツーピースとは思えない打感と性能を一体化させる製法などはすでに高水準にあり、今後も期待しています。また、それと並行してMIM(金属射出成形技術)や3Dプリントといった研究も進めています。最新の製造プロセスと革新的な素材で常に性能、打音、打感の向上を追求しているからこそ、テーラーメイドにおけるアイアンの未来には絶対の自信を持っています」
【Question5】
失敗しないアイアン選びのコツとは?
数多くのモデルの中から自分にとって最高のアイアンを選ぶにはどうすればよいか。アダムス氏の答えは、ゴルファーの感性や心理を重視する考えを示す。

左から「P7CB」「P770」「P790」(7I)。構えやすさを追求した顔だ(撮影/三木崇徳)
「テーラーメイドのアイアンは、最新テクノロジーを採用すると同時に、デザインも徹底的に追求しています。ショップで眺めた時だけでなく、アドレスの位置で構えた時の見え方も実に大事です。構えた瞬間から、自信と安心感、心地よさを得られるかを重視してほしいですね。私たちのアイアンもまさにゴルファーにとっての『一目惚れ』であってほしいと考えています。見た目に惹きつけられて『打ってみたい』『打たずにはいられない』と思わせる良い顔に仕上げ、実際に打った時に高い性能を感じる。これこそがアイアン選びのポイントだと考えています」
【Question6】
現在の使用ギアとその理由は?
インタビューの最後に、アイアンを知り尽くしたアダムス氏自身が愛用しているギアについて聞いてみた。
「私は『プレーヤーズ・ディスタンス』カテゴリーの大ファン。ですので『P790』こそが、その最高峰のモデルだと信じて疑いません。ロングアイアンは高弾道で寛容性に優れていますが、強風の中で弾道を抑えてスピンをコントロールしたい時も完璧に応えてくれます。私は現行の『P790』を4番からアプローチウェッジ(AW)までセットで入れていますが、このセットのAWはスコアメイクに欠かせない最高の武器ですね」

アダムス氏のスコアメイクを支える「P790」(撮影/田邉安啓)
とかくテーラーメイドはドライバーやFWが注目されがちだが、アダムス氏が語ったように、同社のアイアンはゴルファーの感性と科学的データが見事に融合した逸品といっていいだろう。アドレスした瞬間に湧き上がる自信、そしてミスヒットをカバーしてくれる圧倒的な寛容性と再現性は、プレッシャーのかかるラウンドにおいてアマチュアゴルファーの大きな武器となる。
一切の妥協なく作り上げられた最新モデルたちは、スコアの壁を打ち破り、さらなる高みを目指すプレーヤーを力強くサポートしてくれるに違いない。
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