PGAツアー秋の陣「フェデックスカップ・フォール」開幕戦、ビルトモア選手権アシュビル。第2ラウンドは激しいバーディ合戦となり、予選通過のカットラインは「通算3アンダー」まで跳ね上がった。日本勢は金谷拓実が「66」の猛チャージでカットラインに滑り込んだ一方で、初日上位につけていた平田憲聖、中島啓太、久常涼の3選手は無念の予選落ちとなった。PGAツアーの厚い壁に阻まれた彼らの第2ラウンドを、スタッツ(データ)から客観的に検証する。

中島啓太:フェアウェイキープ100%でも届かなかった「1打」

画像: 中島啓太はFWキープ率100%、そして最長369ヤードという飛距離をもってしても予選落ちに(写真は26年WMフェニックスオープン、撮影/岩本芳弘)

中島啓太はFWキープ率100%、そして最長369ヤードという飛距離をもってしても予選落ちに(写真は26年WMフェニックスオープン、撮影/岩本芳弘)

中島啓太の第2ラウンドのティーショットは、まさに完璧だった。公式スタッツを見ると、フェアウェイキープ率は驚異の「100%(13/13)」で全体1位タイ。さらに最長飛距離でも「369ヤード」をマークし、全体3位タイというPGAツアー屈指のドライバーショットを見せていた。

しかし、スコアメイクの要となるグリーン上で決め手を欠いた。パーオン率は66.67%(全体34位タイ)と捉えていたものの、パーオン時の平均パット数(Putts per GIR)が「1.83」で全体102位と低迷。バーディパットを沈めきれない展開が続き、スコアはイーブンパーの「71」。通算2アンダーの76位タイでフィニッシュし、カットライン(通算3アンダー)にわずか1打届かないという、シビアな現実を突きつけられた。

平田憲聖と久常涼:課題を残したショットとグリーン上の不調

初日を日本勢最上位となる32位タイ(3アンダー)で終え、上位進出が期待された平田憲聖は、第2ラウンドでまさかの乱調に見舞われた。初日「77.78%」とキレを見せていたパーオン率が、この日は「33.33%(6/18)」まで急降下(全体123位タイ)。ティーショットの貢献度(SG: Off The Tee)も「-1.614」で全体119位と大きく落とし、ショット全体の乱れがスコアに直結。「79」と崩れ、通算5オーバーで姿を消した。

また、久常涼もグリーン上で苦しい戦いを強いられた。第2ラウンドのパッティング貢献度(SG: Putting)は「-2.481」で全体119位と苦戦。前半(OUT)でダブルボギーを叩くなど「39(4オーバー)」とスコアを落とす厳しい展開となった。それでも後半に入り13番でバーディを奪うと、終盤の17番(パー5)で見事なイーグルを奪取! 後半インコースを「34(2アンダー)」と意地で見せ場を作り、通算イーブンパーの「73(2オーバー)」でホールアウトした。

フォールシーズン初戦で見えた収穫と大舞台への弾み

中島の完璧なティーショットも、平田の初日のアイアンのキレも、わずかなスタッツの偏りや綻びがすぐに「予選落ち」という結果に直結してしまう。それが世界最高峰・PGAツアーの過酷さだ。

しかし、中島が見せた世界トップクラスのショット精度や、久常が不調の中で見せた終盤の連続バーディフィニッシュは大きな収穫だ。特に久常は、来週には世界選抜メンバーとして激突する最高峰の対抗戦「プレジデンツカップ」が控えている。どんなに苦しいラウンドでも最終ホールまで集中力を切りらさず、最高の形で締めくくった粘り強さは、大舞台に向けて弾みとなるはずだ。この厳しい初戦で得たデータと手応えを胸に、日本の若きサムライたちの秋の陣での巻き返しに期待したい。


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