イングランドのウェントワース(7,267ヤード・パー72)で開催されているDPワールドツアー(欧州ツアー)の旗艦大会「BMW PGA選手権」は、ムービングデー(第3ラウンド)を終えた。強風が吹き荒れて上位陣がスコアメイクに苦しむ一方で、クリストファー・レイタンやヨハネス・ヴィーマンらが「64(8アンダー)」という爆発的なスコアを叩き出すなど、ビッグスコアを狙えるコース状況でもあった。その中で最後に見せ場を作ったのがローリー・マキロイだった。上がり2ホールで3アンダーを稼ぎ出し、この日「69」をマーク。通算11アンダーへとスコアを伸ばし、首位と2打差の6位タイで最終日を迎えることになった。

11番でのハリーの叱咤と、18番・残り230ヤードからの神業イーグル

この日のマキロイは、決して本調子ではなかった。強風の中でクラブ選択に苦しみ、11番ホールを終えた時点で1オーバーという苦しい展開を強いられていた。

ここで沈みかけそうになったマキロイを救ったのが、長年の相棒であるキャディのハリー・ダイアモンドの一言だった。ハリーから「(追い風や上がり3つのパー5が残る)後半で絶対に5アンダー出せるぞ」と背中を押されたマキロイは、そこから怒涛の巻き返しを開始する。

12番でバーディを奪って息を吹き返すと、ドラマは最終18番(パー5)で待っていた。

「残り230ヤード。風は右からで、少しアゲインスト気味だった」とマキロイは振り返る。大歓声の中で放たれたセカンドショットは、まさに神業だった。

「4番アイアンで風に少しぶつけるように打ち、柔らかく落とすための完璧な数字だったんだ。1日を通して距離感が合わないことが多かったけれど、最後はしっかりコミットした良いスウィングができた」

風を切り裂き、ピンそばへピタリと寄せたスーパーショット。これを見事に沈めて劇的なイーグルを奪い、首位の背中を完全に射程圏内へと捉えたのだ。

年間王者奪還と12年前の「7打差逆転劇」の再現へ

画像: 旗艦大会での12年ぶり優勝を狙うローリー・マキロイ(写真は26年全英オープン、R&A提供)

旗艦大会での12年ぶり優勝を狙うローリー・マキロイ(写真は26年全英オープン、R&A提供)

マキロイにとって、この「BMW PGA選手権」は単なるツアートーナメント以上の意味を持っている。

「10歳の頃、初めて両親と『ワールド・マッチプレー』を観戦しに来たのがここだったんだ。休みの日にはいつも見に来ていた。そして今は、この敷地内に家も持っている。この場所には、私にとってたくさんの歴史があるんだ」

少年時代からの憧れの地であり、特別な愛着を持つウェントワースで「12年ぶりに勝ちたい」という強い思いがある。マキロイが最後にウェントワースを制した2014年大会、彼は最終日に「7打差」をひっくり返す圧巻の「66」を叩き出して劇的な逆転優勝を果たしている。当時は7打差を捲くってみせた彼にとって、首位と「わずか2打差」で迎える最終日は、再現に向けた最高のシチュエーションと言える。

さらに、彼の闘争心を掻き立てるもう一つの要因がある。「レース・トゥ・ドバイ(年間王者)」のポイントランキング上位を争っていた最大のライバル、パトリック・リードの負傷棄権だ。マキロイは「(大会の勝利と年間王者奪還の)両方の面で大きなチャンスがある」と、その闘志を隠さない。

最終日、逆転Vへのシナリオ

現在、首位とはわずか2打差。「18人が3打差以内にひしめく」という大混戦の中、最終日の逆転劇へ向けてマキロイの視界はクリアだ。

「スウィングは100%ではないから、いつもほど自由にはプレーできないかもしれない。でも、スマートに正しい決断をすればチャンスはある」

誰よりもコースを知り尽くした男が、大観衆の熱狂を味方につけ、劇的な逆転優勝のシナリオを描き出そうとしている。


This article is a sponsored article by
''.