
今季ツアーでも存在感を示している政田夢乃プロのスペックを試打!(撮影/姉﨑正)
今回取り上げるのは、今季ツアーでも抜群の存在感を見せている政田夢乃プロ! 身長154cmと小柄な体格でありながら、【パーオン率:69.50%(19位)】、【イーグル数:7回(2位)】、【平均ストローク:71.30(17位)】と、卓越したショット精度と攻撃力の高さで上位を賑わせている。彼女の持ち味といえば、狙ったラインへ正確に打ち出される安定感抜群のストレートドローだ。
今回完全再現した彼女のドライバーは、左へのミスを抑えて強弾道を生み出すヘッド「QUANTUM ♦♦♦(9度)」、シャフトには手元〜中元の安定感を保ちつつもしなやかに振り抜けるフジクラ「24 VENTUS BLUE(5R)」という組み合わせ。今回もグリップのフィーリングまで本人仕様に合わせたスペシャルな1本を用意した。
試打環境はインドア、計測器はトラックマン4、計測用ボールは室内測定でも高精度に測定可能なタイトリスト「ProV1 RCT」ボールを採用

トラックマン4、タイトリスト「ProV1 RCT」を使用
プロ仕様♦♦♦に、あえて5R!? 異色スペックの真意に迫る

画像:「QUANTUM ♦♦♦(9度)」、シャフトは「24 VENTUS BLUE(5R)」 ※プロはクラブを替える頻度が高いため、バランスは一般的なD2程度で試打(グリップは同ブランドを用意)
左へのミスを抑えるツアーモデルのヘッドに、重量50g台のRフレックスシャフトの組み合わせ。高いパーオン率と精度を誇る彼女がこのセッティングを選んだ理由に、堀越プロと編集部が迫る。
試打者/ほりこし・よしかず 試打経験に裏打ちされた豊富な知識と確かな試打技量で、大手メーカーのシャフトやヘッドの開発にも携わる。クレアゴルフフィールド所属
編集部:政田プロといえば、高いパーオン率やイーグル数2位が示す通り、非常に精度の高いショットが武器ですが、本人は「左へのミスを一番嫌う」と話しています。そんな政田プロのドライバーが「QUANTUM ♦♦♦(9度)」に「24 VENTUS BLUE(5R)」というセッティングなのですが、堀越プロ、スペックを見た第一印象はどうですか?

大きなスウィングアークで飛ばす政田プロ
堀越プロ:これは面白い組み合わせですね。 ヘッドの「QUANTUM ♦♦♦」は浅重心で左へのミスを消してくれるプロが好んで使うロースピンモデルです。構えてみてもキュッと引き締まった顔つきで、左につかまりすぎるイメージがまったく湧きません。ただ、この硬派なヘッドに合わせているのが「24 VENTUS BLUE」の「5R」なんです。ベンタス=硬いという印象を持つ方も多いと思いますが、あえて軟らかめの5Rを選んでいる。このギャップがどう打球に表れるのか、さっそく打ってみましょう!
実際に試打を開始!
堀越プロ:おお! 打ち出しからストレートに近いラインで高く飛び出して、最後にほんの少し戻る、球に重さのある綺麗なストレートドローが出ましたね。
編集部:後ろから見ていてもボールに強い推進力と伸びがあります。トラックマンのデータはどう出ていますか?
堀越プロ:データを見て納得です。ボール初速60.5m/s、打ち出し角13.6度、そしてバックスピン量は1977rpmとしっかり抑えられています。キャリーで216.7ヤード出しながら、ランでしっかり稼いでトータル飛距離は252.6ヤードまで伸びています。
編集部:2000rpmを切る低スピンで、ランも含めてトータル252ヤード超えは魅力的な結果ですね! 実際に打ってみて、「5R」を選択する理由は見えてきましたか?
堀越プロ:浅重心の♦♦♦のヘッドに仮に硬めの5Sを合わせると、力んで打ち出し角が低くなり、キャリーを落としてしまうかもしれません。そこに5Rを合わせることで、手元側の程よい粘りと素直にしなる挙動が生まれて、切り返しのタメが自然に作れる。その結果、ヘッド性能から生まれる高初速・低スピンの強弾道に、キャリーに必要な打ち出しの高さが加わり、効率の良いビッグドライブに繋がっているわけです。
編集部:なるほど! 左へのミスを防ぐヘッドの安心感と、力みを抜いて打てる5Rシャフトのしなりが見事にかみ合って、高次元での飛びと安定感を生み出していたんですね。
堀越プロ:「QUANTUM ♦♦♦」の叩ける安心感に「24 VENTUS BLUE」の5Rが加わることで、ゆったりとタイミングを取りながら、再現性の高い高弾道を生むインパクトが作れる。政田プロの安定して飛ばすドライバーショットの秘密が、実によくわかります。
一般的なアマチュア男性ゴルファーを想定し、平均ヘッドスピード42m/s前後で試打
※10球試打したうちの平均値を算出
●キャリー/216.7Y
●総飛距離/252.6Y
●ボール初速/60.5m/s
●打ち出し角/13.6度
●スピン量/1977rpm
堀越プロの総評

今回の政田夢乃プロのドライバーセッティングは、まさに「左を消せるツアー系ヘッド×適度なしなりで高さを出せるシャフト」のマッチングが見事な結果を生み出したクラブでした。
一見するとハードに思えるプロ御用達の「QUANTUM ♦♦♦(9度)」ですが、あえて5Rフレックスを合わせることで、チーピンなどの左へのミスを防止しながらも、必要な打ち出し角と十分なキャリーを確保できます。
ベンタスらしい先端剛性で打点のブレを抑えつつ、切り返しでシャフト全体のしなりと手元側の粘りを素直に感じられるため、打ち急がずにゆったりしたテンポで振り抜けるのが大きな魅力です。その結果、2000rpmを切る低スピン(1977rpm)と伸びやかな強弾道ストレートドローで、安定して飛距離を伸ばすことができます。
「ドローを打ちたいけれどチーピンが怖い」「つかまりを抑えたヘッドを使っているが球が上がりきらずキャリーが出ない」とお悩みのアマチュアゴルファーにとって、この組み合わせは大変参考になります。
ただし、9度ヘッドは打出しが低くなりがちなので、レベル~ややダウンブローに打つ方はロフト10.5度を選んで打ち出しの高さをサポートしてあげるアレンジがおすすめです。そうすれば、左を恐れずに素直なリズムで振り抜けて、政田プロのような大きなキャリーとランで攻められる強弾道ドライバーショットを体感できますよ!
次回の「女子プロドライバーほぼ完コピ試打」もお楽しみに!
協力/トラックマン、キャロウェイ、フジクラ、クレアゴルフフィールド

