全勝を支えた各ペアのドラマと名手たちの言葉
① ライアン・フォックス&ミンウー・リー(1-downからの劇的逆転)
第8マッチ(2日目3組)に登場したライアン・フォックス&ミンウー・リー組は、コリン・モリカワ&ウィンダム・クラークというメジャー覇者コンビと激突。終盤14番を終えて1ダウンと追い込まれる苦しい展開となったが、ここから全英オープン覇者・フォックスの勝負強さが炸裂する。
15番、16番でクラッチパットを沈めて一気に逆転すると、最終18番でも痺れるパーパットを流し込んで1upで競り勝った。ペアを組んだミンウー・リーは、興奮気味に相棒を称えた。
「フォックスが終盤で凄まじいパットを次々と沈めてくれた。彼が全英オープン覇者になった理由が本当によく分かったよ。彼が自分のチームメイトで本当に心強かった」
② トム・キム&キム・シウー(最強コリアンタッグの連勝)
第10マッチ(2日目5組)では、プレジデンツカップで抜群の相性を誇るトム・キム&キム・シウーの韓国コンビが、米国選抜の看板ペアであるパトリック・カントレー&ザンダー・シャウフェレ組を4&3で撃破した。
1つのミスが命取りになるフォーサムにおいて、シウーが「彼の持ち距離(ヤード数)は僕の距離とほぼ同じだからクラブ選択に迷いがない」と語れば、トム・キムもこう明かす。
「僕たちは互いのプレースタイルを熟知しているから、もしミスをしても変に『ごめん』と謝る必要がないんだ。たとえミスが出ても、彼が必ず自分の背中を守ってくれるという絶対的な安心感がある。だから伸び伸びと振っていけるんだ」

ペアを組んだクリスチャン・ベゾイデンハウトと喜ぶアダム・スコット
③ アダム・スコット&クリスチャン・ベゾイデンハウト(ベテランの安定感)
第9マッチ(2日目4組)では、最多出場記録(56マッチ)を更新した46歳の大ベテラン、アダム・スコットがクリスチャン・ベゾイデンハウトと組み、ジャスティン・トーマス&キャメロン・ヤング組を3&2で退けた。
スコットはこの勝利で大会通算21勝目を挙げ、最多勝利数で単独3位に浮上。しかし試合後、チームの熱狂を前にしても、その表情は冷静そのものだった。
「素晴らしい一日になったし、チームの雰囲気も最高だ。しかし、僕たちには2年前のカッタ(モントリオール)での記憶がある。あの時も金曜日に5-0で勝ったが、土曜日に押し戻された。僕たちはまだ大会の半分も終えていないんだ。ここで浮かれすぎてはいけない」
オギルビー主将とアダム・スコットが語る「宴会厳禁・土曜日へのリフレッシュ」
金曜日の5-0スイープという歴史的大勝に沸き立つチームルーム。しかし、指揮官であるジェフ・オギルビー主将と長年チームを支えるスコットは、即座にチームの気持ちを「リセット」させることに全力を注いだ。
オギルビー主将は記者会見で、喜びとともに次のように語っている。
「5試合すべてで勝てるなんて、開幕前は夢にも思っていなかった。選手たちの戦いぶりを心から誇りに思う。しかし、明日(土曜日)は午前フォーボール、午後フォーサムの計36ホールが待つ、今大会で『最も長い一日』だ。今夜やるべきことは、今日の結果を喜びつつも完全に気持ちをリセットし、明日に向けてエネルギーを温存することだ」
アダム・スコットもまた、キャプテンの言葉に深く頷き、ユーモアを交えてこう釘を刺した。
「今夜シカゴの街に繰り出して大騒ぎするわけにはいかないよ。祝杯とどんちゃん騒ぎは、日曜日の夜まで取っておくさ」
歴史的勝利(1998年以来)へ向けた最大のチャンス
初日の2-3から、金曜フォーサムの5-0スイープによって7-3へと一気にリードを広げた世界選抜。
過去の歴史において、世界選抜が2日目終了時点で4ポイントものリードを奪うのは、2000年大会以降で最大のリード差であり、悲願である1998年以来の大会勝利へ向けて、これ以上ない絶好のポジションに立った。
しかし、前回2024年大会で「金曜5-0の直後に巻き返された」という生々しい教訓があるからこそ、今年の多国籍軍団に隙はない。2年前の反省を糧とし、兜の緒を締めた世界選抜。土曜日に用意された怒涛の8ポイント(午前フォーボール4マッチ、午後フォーサム4マッチ)を制し、歓喜の日曜日へ向けてさらにアクセルを踏み込む準備は整っている。
写真/Getty Images
