首位が9アンダーの「62」、2位タイの「63」には実に9人もの選手がひしめき合う異次元のバーディ合戦。「バンク・オブ・ユタ選手権」の初日は、PGAツアーの底知れぬ爆発力を見せつける幕開けとなった。その激しい伸ばし合いの中で、日本から参戦する金谷拓実は2アンダー「69」で66位タイ、平田憲聖は1アンダー「70」で81位タイでホールアウト。アンダーパーで回りながらも、予選通過ライン(上位65位タイまで)の境界線上で苦しい立ち位置を強いられている。これが、PGAツアー特有のハイスコア展開の過酷さだ。

全員がフェアウェイをとらえるコースだからこそ問われる「パッティング」

舞台となるブラック・デザート・リゾートは、一歩フェアウェイを外せば黒々とした火山岩(ラバ・ロック)が牙をむくロケーションだ。一方で、昨季PGAツアーにおいて「2番目にフェアウェイキープが容易(ツアー平均82.26%)」だったコースでもある。全体がフェアウェイを捉えやすいセッティングだからこそ、FWキープは最低条件。その先でいかにバーディを奪いきれるかが勝負の分かれ目となる。

その中で金谷と平田は、2人とも14ホール中14ホールすべてでフェアウェイを捉える「フェアウェイキープ率100.00%(1位タイ)」という完璧なドライブを披露した。

金谷のスタッツを見ると、ストローク・ゲインド(SG): Off The Teeは「+0.891(36位)」、平均飛距離も315.9ヤード(72位)を記録。平田もパーオン率で77.78%(36位タイ)をマークしており、PGAツアーのパワー自慢たちを相手に、日本勢は「正確性」という最大の武器で堂々と渡り合っている。

ティーショットで完璧な土台を作りながらも、なぜ上位のビッグスコアに届かなかったのか。その最大の要因は、グリーン上での一押しだ。

金谷のデータを見ると、ショット面(SG: Off The Tee +0.891、SG: Approach +0.498)では確実に打数を稼いでいる。しかし、SG: Puttingが「-1.338(96位)」とグリーン上でスコアを落とす結果となり、パット成功総距離も「50フィート11インチ(104位)」にとどまった。

一方の平田も、グリーンを確実に捉えながら(GIR 77.78%)、パーオン時の平均パット数(Putts per GIR)が「1.79」で全体89位タイ。インスタートの11番(パー4)で痛恨のダブルボギーをたたき苦しい展開となりながらも、後半7番(パー5)・8番(パー3)・9番(パー5)の3連続バーディで「70」まで戻して見せた。

2日目の予想カットラインは「4〜5アンダー」! 求められる爆発力

画像: 金谷拓実と平田憲聖。伸ばし合いについていけるか、その鍵はパッティングにありそうだ

金谷拓実と平田憲聖。伸ばし合いについていけるか、その鍵はパッティングにありそうだ

地元ユタ州出身のスター選手であり、米ツアー6勝を誇るトニー・フィナウですら、初日は1アンダー(70)で平田と同じ81位タイに甘んじている。この事実が示す通り、PGAツアーの伸ばし合いは一筋縄ではいかない。

初日終了時点での予選通過ライン境界線(65位タイ前後)が「2アンダー」に位置しているため、2日目の最終カットラインは「通算4アンダーから5アンダー」付近まで伸びることが予想される。

2人にとって2日目は、予選通過に向けて「65~66(5~6アンダー)」のビッグスコアがターゲットとなる過酷なサバイバル戦だ。しかし、2人ともボギーや大たたきのリスクを最小限に抑える「FWキープ100%」という絶好の土台はすでに完成している。2日目にグリーン上のフィーリングが噛み合い、量産態勢に入れるか。カットライン突破への鍵は、パッティングへのアジャストに懸かっている。

写真/姉崎正、岩本芳弘

【動画・約15分半】バーディラッシュの「バンク・オブ・ユタ選手権」初日ハイライト【PGAツアー公式YouTube】

画像: PGA Tour Highlights | Round 1 | Bank of Utah Championship | 2026 www.youtube.com

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