今週、横浜CCで開催されているPGAツアー「ベイカレントクラシック by レクサス」。本コースでは今年で2回目の開催となります。そして今年も、大会のCSRスポンサーである麻生グループの招待によりプロアマ戦に2人の障害者ゴルファーが参戦しました。

一緒に回ったPGAプレーヤーは、イギリスの33歳の飛ばし屋、ジョーダン・スミス。長くDPワールド(欧州)ツアーで戦ってきましたが、今シーズンからPGAツアーに参戦し、フェデックスポイントランク66位で日本に乗り込んできました。スミスにとって本大会はポイントランキングを60位以内に上げ、来シーズンのシグネチャーイベント出場権を得るためにも大事な大会なのです。

今回一緒に回る機会を得たのは小林英喜(右大腿切断)選手と伊藤寿(右下腿切断)選手。ラウンド後に、アツい感想をくれましたので、なるべく“そのままの声”をお届けしたいと思います。

画像: 麻生グループの看板の前でパチリ。「貴重な機会をありがとうございます。ゴルフを続けてきてよかった!」(3人)

麻生グループの看板の前でパチリ。「貴重な機会をありがとうございます。ゴルフを続けてきてよかった!」(3人)

小林英喜、バーディ5本を沈めた「夢のような一日」

前日に「普段の試合より緊張します」と話していた関西在住の小林英喜さんは、「すべてが楽しかった」という時間をこう振り返ってくれました。

「コースセッティングから雰囲気、普段はテレビでしか見ることのできないPGAツアー選手、また芸能人やプロスポーツ選手もいて大変華やかな舞台でした。お土産もわんさかいただいて、新幹線で持って帰るのが大変です。コースはこれがPGAツアーの舞台か! という感じで、何もかもが仕上がっていました。特に、すごい傾斜のグリーンが何カ所もあり、そのホールをトッププロたちがどう攻略するのか楽しみです。若干長雨の影響がある場所もありましたが、PGAツアーの選手ならなんとでもするでしょう。ここで戦いが始まるんだなあ、自分がそのグリーンに、フェアウェイにいるんだなあ、と感激しながら回らせていただきました。本選ではテレビに釘付け確定ですね。

画像: 初日「64」で2位とロケットスタートをしたジョーダン・スミス。障害者ゴルファーたちにもらった勇気とパワーも、彼を支えているようです

初日「64」で2位とロケットスタートをしたジョーダン・スミス。障害者ゴルファーたちにもらった勇気とパワーも、彼を支えているようです

僕自身は、ショットは気持ちがフワフワしていてまったくダメでしたが、パットはバーディパットを5個入れましたよ。スミスプロは、これから絶対に活躍すると思います。ショット、パットともに抜群です。すごすぎて参考になりませんが、パットのタッチの出し方が抜群。上手く表現できませんが、あの感じを取り込みたいと思いました。クローグリップがよいのかな?

麻生グループさんは、本来であればグループの取引先などから今日のプロアマに招待するのでしょうが、その貴重な枠に私たちを招待いただき感謝以外ありません。PGAツアーが行われるコースという夢の舞台に立つことができ感激しました。何もかもがすごい場所で、一生の思い出ができました。

僕の今の目標は、10月から始まったゴールデンバレーGCのシニア選手権でもう一度優勝することです。とりあえず予選は通っているので、近々マッチプレーに臨みます。将来の目標は障害者ゴルファーとしてエージシュートを達成してみたい。自己ベストを出せばそろそろ達成できるのですが、そこはやっぱりうまくできていて、体にガタがきているので、そうやすやすとできそうにありませんが、いつかはと思っています」

伊藤寿が魅了されたジョーダン・スミスのショットと、G4Dオープンへ繋ぐ覚悟

さて、伊藤寿さんは、ご自身の新婚旅行で観戦に行ったという「マスターズ」を思い出したとのこと。素敵ですね。

「ものすごくアップダウンが激しくて、オーガスタナショナルGCを思い起こさせるコースでした。グリーンはアンジュレーションが多く、すごく速くて、実際に自分一人でフルラウンドプレーしていたら何パットしていたか……恐ろしいです。最初、少し緊張していましたが、普段からよく知っている石塚(義将)プロも小林(英喜)さんも一緒だったので、すぐに緊張はほぐれ、ところどころではありますが、ナイスショットもできたと思います。

スミス選手は、やはり飛距離が素晴らしかったです。かけ離れすぎていて参考にはならなかったですが(笑)、PGAツアー選手のなかでも飛ばし屋のショットを間近で見られて感動しました。

私の今の目標は、以前と変わらず、日本の試合で少しでも上位に入り、日本障害者ゴルフ協会の海外派遣代表となり、G4Dオープン(障害者ゴルフの世界大会)に出場することです。

麻生グループさんには今回、とんでもなく貴重で感動的な経験をさせていただき、本当にありがとうございました!私も努力を怠りませんので、今後も障害者ゴルファーの支援をいただけましたら幸いです」

画像: 小林さん(右)も伊藤さん(左)も、今回のプロアマを貴重な体験だけで終わらせず自分のゴルフの糧にし、すでに自分の目標に向かっているのです!

小林さん(右)も伊藤さん(左)も、今回のプロアマを貴重な体験だけで終わらせず自分のゴルフの糧にし、すでに自分の目標に向かっているのです!

20点のプレーを見せた石塚義将プロが触れた、ジョーダン・スミスの「障害者ゴルフへの深い理解」

もう一人、障害者ゴルフ協会の専務理事、石塚義将さんも昨年に続き参戦しました。ツアー経験もある“石塚プロ”は、この日のために事前準備をかなりしっかりして臨んだそうです。

「シミュレーションゴルフでは30ラウンドほどこなして本番に挑みました。ちなみに外してはいけないところも調査済でした。その成果もあって、今回の自分のゴルフについては『120点』と言っていいぐらいの出来でした。コースは昨年同様、本当に素晴らしいコンディションで、特にグリーンが素晴らしく、打った通りに素直に曲がり、転がってくれる印象で、非常に気持ちよくプレーすることができました。

スミス選手は、本当に隙のないオールラウンダーという印象。ショット、アプローチ、パッティングと、どの部分を取っても非常にレベルが高く、『ここが弱点』というところがまったく見当たりませんでした。僕自身、ラウンド中にアプローチについて教えていただいたのですが、技術そのものはもちろんですが、状況に対する考え方や、これまで自分にはまったくなかった発想が非常に勉強になりました。

また、スミス選手は母国イングランドでの障害者ゴルフについても非常によく知っていて、普段からG4Dツアー(障害者ゴルフのツアー)やG4Dオープンの結果も見ているそうです。そのため今回、日本で障害者ゴルファーと一緒にプレーできたことについて、とても喜んでくださいました。『試合前に一緒にプレーすることができて、勇気をもらえた』という言葉もいただきました。

世界のトッププレーヤーが障害者ゴルフにも関心を持ち、普段から大会結果まで見てくれていることを知れたのは、僕にとっても非常に嬉しい出来事でした。

また、このような素晴らしい機会を麻生グループさまにご提供いただき、選手からは『ゴルフを続けていて本当によかった』という言葉も。僕はこの言葉が、今回のイベントの価値をすべて表していると思っています。僕自身、今回の経験は選手たちにとって1つの“光”になったのではないかと感じています。ゴルフを続けてきたからこそ、世界のトッププレーヤーと同じ場所に立ち、一緒にプレーし、交流することができる。そうした夢のある機会を作っていただいたことに、ただただ感謝しかありません」

日本で唯一開催されるPGAツアーは、多様な交流を生む貴重なイベントでもあるのです。

写真/岡沢裕行

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