「ベイカレントクラシック by レクサス」の2日目、フィールド唯一のアマチュア・長﨑煌心は、世界最高峰のPGAツアーの洗礼を浴びることとなった。初日を「72(1オーバー)」で終え、大きな期待を背負ってスタートした第2ラウンドだったが、スコアは「76(5オーバー)」。通算6オーバーの単独70位まで後退した。

同組PGAツアープロによるシビアな評価

長﨑と同組でプレーし、この日「64」をマークして3位タイ(9アンダー)へと急浮上したザック・ボシュー。PGAツアーの第一線で戦う彼は、18歳のアマチュアが見せたプレーに対して冷静かつシビアな評価を下している。

ラウンド後、ボシュ―は長﨑について「ナイスガイだった」と前置きし、「昨日は安定したプレーを見せてくれていた」と一定の評価を与えた。しかし、2日目の崩れについては「経験不足でいくつかもったいない取りこぼしがあった。細かいミスが多く、例えばショートパットを外してボギーにしたりしていた」と、スコアを落とした明確な要因を指摘。「そういうところを良くしていくともっと良くなると思う」と、世界で戦うために埋めるべき課題を提示した。

データが証明する「ショットの通用」と「パットの乖離」

画像: 2日目のティーショットのスコアに対する貢献度は「+1.245」で全体11位。ドライバーは世界で戦える武器になっている長﨑煌心

2日目のティーショットのスコアに対する貢献度は「+1.245」で全体11位。ドライバーは世界で戦える武器になっている長﨑煌心

ボシューが指摘した「もったいない取りこぼし」は、2日目の公式スタッツに如実に表れている。

驚くべきは、長﨑のティーショットの進化だ。初日に46.67%(最下位72位)と苦しんだフェアウェイキープ率は、2日目に「80.00%(全体15位タイ)」へと劇的に改善。各プレーの貢献度を示す「SG: Off The Tee」でも「+1.245」を叩き出し、堂々の全体11位にランクインした。最長飛距離も342ヤード(全体30位タイ)を記録するなど、ドライバーはPGAツアーのトッププロの中に入っても間違いなく高いレベルで通用している。

しかし、そのアドバンテージを打ち消してしまったのがグリーン上だ。初日は「95フィート(約29m)」決めていたパットの総距離が、2日目はわずか「26フィート8インチ(約8m)」へと激減。「SG: Putting」は「-4.796」と激しく落ち込み、全体最下位の72位に沈んだ。ボシューの言葉通り、ティーショットで作ったチャンスをグリーン上でフイにする「致命的な乖離」がスコア崩れの元凶となった。

本人が感じた「世界との差」

この厳しい現実を、長﨑自身も痛感している。ラウンド後、初日からのコンディションの変化について問われると、「昨日と違ってグリーンが硬く速くなり、バンカーも締まっていた。結構昨日に比べて難しいコンディションだった」と証言。PGAツアー特有のシビアなセッティングの変化に対応しきれなかったことを率直に認めた。

そして、同組で「64」を叩き出したボシューのプレーを目の当たりにし、「飛距離はほとんど変わらない感じだった」と自身のショットの手応えを口にしつつも、「ザックさんはパットのラインが読めていて、すごいパッティングが入っていた。自分の強みを伸ばしつつ、決められるパットをしっかり決めるとか、一つ一つ丁寧にしなきゃいけない」と語った。

ティーショットの飛距離と精度は、世界との差はない。だが、硬く速く変化するグリーンを読み切り、数センチの狂いなくショートパットを沈めきる「経験値の差」が、スコアに12打(長﨑76、ボウチョウ64)もの大差を生み出した。

世界最高峰の壁の厚さと、自身の明確な現在地を知った18歳は予選落ちのない残り36ホールで、どのような修正力を見せるのか。

「(カットがないことについて)僕の立場からすると本当にありがたい。これからしっかりと伸ばしていけるチャンスもありますし、他のプレーヤーの技術やコンディションを僕が経験させてもらえるのはすごく大きい。残り2日間でトータルイーブンまで持ってこれるように頑張りたい」

力強く、語った長﨑煌心の残り2日に引き続き注目したい。(文/山口哲平)


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