「左肘の抜き」修正しショットのブレを解消改善

ダウンスウィング時はそこまでカット軌道ではないが、インパクト時に左ひじを抜いてしまい開くことが多かったとのこと。「なるべくひじを開かない意識を持ちました」(藤田)
先週の好調の要因について尋ねると、藤田はまず夏場から取り組んできたスウィングの変化について語ってくれた。
「どのクラブも全体的にアドレスがオープンすぎたことでクラブパスでカットがきつく入ってしまっていたんです。その修正を7月の『ミネベア(ミネベアミツミ レディス 北海道新聞カップ)』の時から行ってきました。具体的には、ダウンスウィング以降のインパクト時に左肘を抜いてしまう癖があったので、なるべく開かないように意識することを徹底しました」(藤田・以下同)
この修正によってショット全体のブレが減少したそうだ。
『ミネベアミツミ(予選落ち)』→『スタンレーレディスホンダ(6位タイ)』のスタッツの変化
パーオン率 69.44%→75.92%
決断が吉と出た「ドライバーの0.25インチ短尺化」

藤田の愛用ドライバーは、「PING G440 MAX 9度」、シャフトは「GRAPHITE DESIGN Tour AD GC-5(R1)」
スウィングの修正に加えて、先週の「スタンレーレディスホンダ」から投入した新たなセッティングも大きな武器となっている。それがドライバーシャフトの短尺化だ。
「ヘッドやモデルはまったく替えずに、シャフトだけを0.25インチ短くしました。45.5インチから45.25インチへの変更です。元々は飛距離を出したくて長くしていたのですが、少しブレが大きくなってきたので、フェアウェイキープを優先して短くする決断をしました」
この変更がピタリとはまり、方向性が格段に向上。「先週から変えたばかりですが、本当に調子が良くて結果にすぐつながりました」と笑顔を見せるように、ティーショットの安定がスコアメイクを大きく助けている。
今季平均249.40ヤード(全体10位)とツアー屈指の飛距離を誇る一方で、フェアウェイキープ率は64.07%(全体67位)と課題を抱えていた。しかし、短尺化を投入した「スタンレーレディスホンダ」では飛距離(255.67yd・8位)を維持したまま、フェアウェイキープ率が64.28%(9位タイ)へアップ。方向性と飛距離が高次元で両立された。
熾烈なシード権争いと「富士通レディース」への意気込み

「先週のようにできたら10位以内に行ける。リーダーボードはあまり気にせず、自分のゴルフに集中できたら」(藤田)
現在、藤田のメルセデス・ランキングは66位(275.49pts)となっている。
来季のシード権獲得の目安として、過去2年(24年、25年)の最終ポイント平均を算出すると、前半戦出場権が得られる55位は約411.62pts、フルシード獲得となる50位は約476.55ptsとなる。これを基準にすると、55位までは残り136.13pts、50位までは残り201.06ptsが必要だ。
しかし、今年は例年以上にチャンスが広がっていると言える。
先週の「スタンレーレディスホンダ」終了時点でのポイントを比較すると、今年の55位(325.26pts)は、24年(339.49pts)や25年(353.09pts)を下回っている。50位(377.78pts)に関しても、25年(404.84pts)より低く推移しているのだ。つまり、最終的なボーダーラインは例年より低くなることが予想され、藤田にとって逆転でのシード獲得は十分に射程圏内にある。
「55位や50位というラインは、やはり意識して見ています。秋口からギアを上げていけたらと思ってスウィングをいじってきました。それが良い感じにかみ合ってきているのかなとは思います」
上位争いでのプレッシャーについては、「毎週のように上位争いができているわけではないので、たまに最終組付近に入るとどうしても緊張しちゃいます。なので常に最終組から3組以内で回れることを意識しているんです。先週は久しぶりの最終日最終組。しかも海外組の人たちとのラウンドだったので普段よりも緊張している部分がありました。でもそれは4ホール目まで。そのホールのパターからはまったく緊張しなかった。それが自分でもわかったので、もう少し慣れてくるといいなと思います」とメンタル面の確かな成長を口にする。
今週の富士通レディースに向けては、「自分は速いグリーンでタッチを合わせるのが得意。なので先週と同じような攻め方いきたいですね。ラフに行くと、球が高めの私でもロングアイアンで打つと止まらないのでセーフティに、グリーンに乗せられるマネジメントができたらいいなと思います。それができたら、また10位以内に行けると思う。あまりリーダーボードは気にせず、先週と同じようにまた優勝争いができたら」。
試行錯誤を経て手に入れた自信と新しい武器で、藤田かれんがラストスパートをかける。
撮影/有原裕晶

