
現在メルセデス・ランキング58位につける吉本ここね(撮影/有原裕晶)
謙虚な姿勢と、シード獲得への「自然体」
今季は出場17試合中3試合でトップ10入りを果たし、中盤戦で確かな結果を残してきた吉本。開幕前はステップ・アップ・ツアーからのスタートだっただけに、「これだけレギュラーツアーに出られていることは本当にありがたいですし、自分でも上出来すぎだなと思っています」と謙虚に今季を振り返る。
来季の出場権確保に向けて、彼女が目指すラインは主に2つ。第1回リランキングまでの出場権が与えられる「55位ライン」と、来季フルシードとなる「50位ライン」だ。現在メルセデス・ランキング58位の彼女にとって、55位浮上には毎試合20位前後のキープが、50位へのジャンプアップには毎試合11〜12位前後の成績に加え、トップ5に食い込むような「一発」が必要となるシビアな状況が続いている。
周囲からのプレッシャーがかかる時期だが、本人の口調は驚くほど穏やかだった。
「思ったよりもポイントを稼げていますし、残りの5試合はすごく重要になるとは思いますが、あまり意識しすぎずにやりたいなと思っています」(吉本・以下同)
シード権当確ラインに迫っていても、まずは目の前の試合に集中し「ポイントを獲得するためには、第一目標は予選通過ですね」と、着実なステップを踏む構えを見せる。
深いラフを警戒。徹底したフェアウェイキープ

強みは「ウェッジで打てれば打てるほどいい」というアプローチ(撮影/有原裕晶)
この日は1ラウンドの練習でコースの感触を確かめた。
「ラフが結構長い」と深いラフが選手たちを苦しめるセッティングであることを警戒。「私はどんな時でもフェアウェイキープを最優先にしていますが、今週は特に一番大事にしたいです」と語り、ティーショットの正確性を攻略の生命線に挙げた。
バーディを獲得しに行きたいのは、ロングホールだ。
「確実に2打目をフェアウェイに置いて、ウェッジやショートアイアンの距離感をしっかり合わせていきたいですね。私の場合は、特定の得意な距離を残すというより『行けるだけ行く』戦法。『ウェッジで打てれば打てるほどいい』という気持ちで攻めています」
まずはフェアウェイに出すという堅実なマネジメントを徹底したうえで、チャンスで一気に攻める。それが彼女のプレースタイルだ。
吉本の言葉通りのスタッツに注目
●フェアウェイキープ率:78.1944%(1位)
●パーセーブ率:86.0043%(19位)
新兵器での飛距離アップと、理にかなったクラブセッティング

パッティングではボールの近くに立つ吉本。「(夫の金谷拓実プロと)似ていると言われます。近いほうが安定するので、自然と近くに構えるようになりました」(撮影/有原裕晶)
こうした手堅いプレースタイルを支える、嬉しい変化もある。
「ドライバーを『ゼクシオ 14』に変更したことで、クラブに助けてもらいながら、“私の中で”飛ぶ距離になりました。トレーニングをしなくても『飛んでるなぁ~!』と実感できるようになったので、少し楽になりましたね」
吉本ここねの年度別ドライバーショット・スタッツ
2026年:飛距離 220.45ヤード / FWキープ率 78.19%(1位)
2025年:飛距離 219.53ヤード / FWキープ率 79.64%(2位)
2024年:飛距離 218.38ヤード / FWキープ率 78.13%(1位)
また、より硬くて速いグリーンについてもしっかり攻略法を立てている。
「今週はちょっと硬いですし、綺麗で仕上がっているので、そこの計算はしていきたいですね。今日は雨が降ったので『柔らかい』と聞いていたんですが、私にとっては全然。18H回って、いろんな番手のランの距離などをしっかりチェックしてきました」
実は彼女のセッティングは8番からがアイアンで、その上の番手はU7を入れることで高さを出して止められるように工夫しているそうだ。
シード権獲得へのプレッシャーに押しつぶされることなく、等身大の「吉本ここね」のゴルフを貫く。飛距離アップという新たな武器と、持ち前の堅実なコースマネジメント、そして何より「意識しすぎない」という自然体のメンタル。残り5試合、焦らず一打一打に向き合う彼女のプレーが、来季への大きな切符を引き寄せるはずだ。

