プロ入り23年目を迎えた上原彩子。40代を迎えた今もなお、ゴルフという“冒険”の真っ只中にいて、今季は欧州女子ツアー(LET)に挑戦している。彼女が好きな沖縄の言葉に「ゆいまーる(助け合い)」があるように、上原はこれまで多くの人と人を結んできた。そして、彼女を通じて私たちの世界も広がっていく――。沖縄発、世界へ。“彩子の冒険”の日々を紹介していく連載、今回は沖縄でのトレーニングについて聞いた。

こんにちは、上原彩子です。私は今沖縄にいます。LET(欧州女子ツアー)は先週、韓国での試合、「アラムコ・コリア選手権」(ニューコリアCC)が行われました。

この試合、残念ながら1打足りず予選落ちしてしまいました。初日はパープレーで回り、2日目、6番までで2オーバーにしてしまいましたが、7番パー3でバーディを取って1オーバーに戻したんです。そして次の8番パー5では「ここでバーディが取れたら気持ち的にもラクになる」という感じになり、実際にイメージ通りのいいサードショットが打てた。

でも、グリーンに行ってみると奥のピンに対してちょっと飛びすぎて、グリーンからこぼれてしまった。上からはけっこう速いグリーンなのでアプローチをミスしてボギーに。そして、予選通過には最終ホールで絶対にバーディを取らなければいけない状況になり、ピンから3メートルには付けたんですけど、入れきれずにパーとし、万事休すです。

イタリアで体調を崩したことと関係あるのかどうかわからないですけど、ドライバーが全然飛んでいなくて、酷かった。アラムコシリーズのコースは長いセッティング。それでも最終ホールでも3メートルのチャンスに付けて粘っていたのに……。最後は残念でした。

画像: アラムコシリーズはコースの距離が長め。「ドライバーの調子が悪くて飛ばなかったのでしんどかったです」

アラムコシリーズはコースの距離が長め。「ドライバーの調子が悪くて飛ばなかったのでしんどかったです」

この試合、皆さんもすでにご存じのように、山下美夢有さんが優勝しました。素晴らしいですよね。私はコースを去っていたので、「おめでとう」は言えなかったけれど、あとで動画を見たら、5~6メートルから短い距離のパットを全部入れる感じですごかったです。やっぱりバーディを取れないと戦えないなあ。私は全然取り切れてない試合が続いているので、やっぱりそのへんが課題と改めて思いました。

この試合で2位だったサラ・コウスコバも最終日は9アンダーを出しましたが、美夢有さんも9アンダー。サラも自分のなかでは最高のプレーをして「これでどうだ! とボードを見たら、美夢有もまた伸ばしてるんだよ」と。「自分の最大のプレーは出せたけれど」とも言っていましたね。追いかけているほうも9アンダーを出して届かなかったら、それはもうしょうがないですよね。

画像: 韓国はオフィシャルホテルを使った。「キムチも大好きですけど、あまり食べすぎないように気を付けました」

韓国はオフィシャルホテルを使った。「キムチも大好きですけど、あまり食べすぎないように気を付けました」

夏のエビアンの解説のときに見たときは、山下さんは全部が上手いと思いましたけど、やっぱり“芯”がしっかりしているようにも見えます。誰と一緒にプレーしようが、自分のスタイルを貫き通しますし、自分自身とだけ向き合いながらずっとゴルフをしている、自分に挑戦し続けているとも感じます。自分の課題を埋めるために何が必要か貪欲に取り入れながら進んでいる。ゴルフって常にいろんな状況があるなかで、どれだけ今に集中してできるかが大事ですし、だからミラクルを起こせて、流れもつかめます。山下さんはそういう、私もすごく見習いたいと思うことをたくさん持っています。今年はこれで日米欧のツアーで勝ったんですよね。本当に素晴らしいです。

さて韓国では、久しぶりに仲良しのキム・ヒョージュにも会いました。今回は練習日に会えたので、それなりに話もできて、ヒョージュのお姉さんとも話をすることができました。元気で頑張っているようです。17歳でJLPGAツアーのサントリーレディスで優勝したあのときと比べたら、体もめっちゃ大きくなったけど、スウィングはムダがなくてすごくいい。軽く振っているように見えるけど、効率がいいからスピードもあるし、安定性もあるし、そういうところも長くゴルフができる秘訣だと思います。

画像: 仲良しのキム・ヒョージュと。「久しぶりに話すことができて本当に楽しかったです!」

仲良しのキム・ヒョージュと。「久しぶりに話すことができて本当に楽しかったです!」

ほかにも、ハル(野村敏京)やチェ・ナヨン、そしてスーザン・ペターセンにも会えました。ナヨンとは試合中、私が1番と2番の間に来たときに会ったので、その場で「ナヨン!」と声をかけたら、「まだプレーしてるの!?」って驚かれました(笑)。ちなみにヤニ(・ツェン)も出場していて、最終組で回っていましたよ。

インドに向けてスピードトレーニング中

さて、今回の沖縄では、LAから来たお友だちご夫妻と楽しい時間を過ごしたんです。

スティーブ&スージーのチャご夫妻は、LAで米LPGAの韓国選手を中心に多くの選手をサポートしています。ウィルシュアの試合のときに家に泊まらせてもらったり、オープンウィークに遊びにいったり、私も随分お世話になりました。前のコーチ、韓国系アメリカ人のテッドが紹介してくれ、10年弱かな、もうずいぶんと長いお付き合いです。

画像: スティーブさんと。「本当にお若いでしょう!どうしたら素敵に年齢を重ねられるか、聞いてみたいです」

スティーブさんと。「本当にお若いでしょう!どうしたら素敵に年齢を重ねられるか、聞いてみたいです」

スティーブはゴルフが好きで、ウィルシュアのメンバーさんです。あそこはメンバーと一緒でないとラウンドできないコース。リビエラもメンバーなので、一緒にプレーさせてもらったりしていました。スティーブは70歳でスージーは68歳ですが、スタイルもよく、2人ともとても若く見えるのでいつもびっくりします。スージーはゴルフはしませんが、美人で心優しくてみんな大好きなんです。ご自宅にジムがあってトレーニングもできるのですが、パーソナルトレーナーが通ってもきます。お家もめっちゃ大きくて、バーやミニシアターがあります。お子さんは息子さんが2人で娘さんが1人。2人は結婚していて(もう1人は来年1月に結婚するそうです)、お孫さんも3人いて、みなさん近くに住んでいるんです。

画像: 2018年、リビエラCCでの写真。「スティーブさんのお気に入りの一枚。今年全米女子オープンが開催されたコースです」

2018年、リビエラCCでの写真。「スティーブさんのお気に入りの一枚。今年全米女子オープンが開催されたコースです」

ご夫妻は旅行や美味しいものを食べることが好きで、お2人でいろいろなところに行っています。沖縄は今回が初めてで、私に会いに来てくれたのだと思います(笑)。

いつもミシュランの星が付いたレストランなどに行かれていますし、LAって、韓国料理も日本料理も何でもあります。だから沖縄でご案内するのは何がよいのかすごく迷いました。「ナイスレストランを予約して」とお願いされましたから(笑)。日本では北海道や福岡、大阪などにもよく行かれて、高級で美味しいものを食べているので、口が肥えているはず。

それで、お寿司屋さんに連れて行ったんです。沖縄にも美味しい寿司屋はあるんですよ。「美味しいね」と言ってくれたので、その翌日はアグー豚のしゃぶしゃぶにお連れしました。でも……なんと奥さんは豚が苦手で……それですき焼きを食べてもらったら「まあ美味しい」といった感じだったでしょうか……。

また、どこか観光にも連れて行きたいと思ったのですけど、沖縄には見て感動するような場所はなかなかないんです。内地の方なら、普段忙しいから沖縄でゆっくりのんびりして、海でちょっと遊んだりする楽しみ方もある。でも、ご夫妻はもう引退していて普段からゆっくりはしているので、それは必要ない。美ら海水族館も違うと思いましたし、鍾乳洞もインドネシアのほうがすごいですし、比較されたら嫌ですよね。結局、首里城には行かれていましたね。まだ修復作業中ですが、楽しんでいただけたかな。

さて、沖縄ではもちろん、ゴルフの練習もしっかりしていますよ。今週土曜日にはインドに出発するので、それまでは調整に励んでいます。インドは昨年と同じコース。あの、カレーを食べ過ぎてお腹を壊した場所です。ですから、辛いものを食べ過ぎないように気を付けながら、薬も持っていって加減しながら食べたいと思っています。チャイが危ない。美味しいからといって何杯も飲まないようにしなければ。

そして今、スピード練習トレーニングを行っています。回旋のスピードを上げるためのトレーニングです。韓国の試合で飛距離が出ていなかったので、この練習でしっかりスピードを上げていけるようにしたい。スピードはやっぱり年齢とともに落ちると思いますから、そうならないようにトレーニングすることは必要になってくるかなと思います。

画像: スピードトレーニング。「年齢に負けないためには、しっかりトレーニングをすることがやはり大事です」

スピードトレーニング。「年齢に負けないためには、しっかりトレーニングをすることがやはり大事です」

来週のインドのあとは、台湾、中国、そして最終戦はスペインです。本当に1年間はあっという間です。しっかり悔いが残らないように、上位で戦えるように、シードを決められるように頑張りたいと思っています。

写真/本人提供

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