全国から問い合わせが殺到する人気ショップ「ゴルフステージ成城」のクラブナビゲーター・吉田朋広氏が、注目ギアを徹底解説する。今回は三菱ケミカルから8月28日に発売されたTENSEIブランドの最新モデル「TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺」を試打検証してもらった。

三菱ケミカル最新モデル「TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺」

米国ツアー発のアスリート向けシャフトとして誕生したTENSEIブランドは、2019年に日本へ逆輸入モデルとして上陸して以来、アスリートシャフトの代名詞となりました。

画像: TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺

TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺

今回の「TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺」は、2019年発売の初代「CK PRO ORANGE」、2022年発売の「1K PRO ORANGE」に続くORANGEシリーズ第3世代です。歴代モデルの象徴である「カウンターバランス設計」を継承しつつ、シャフト先端の低トルク化を図る新技術「RIP⁺テクノロジー」を採用しています。

1Kクロスとは?

1Kクロスは、炭素繊維一束あたりのフィラメント数が非常に少ない緻密な織目を持つ素材です。しなやかで成形自由度が高く、織目の細かさによって繊維の蛇行を抑制。レジン(樹脂)量を抑えて効率的に補強効果を発揮します。

画像: 1Kクロス

1Kクロス

RIP+テクノロジーとは?

三菱ケミカル傘下のアルディラ社が培った技術です。シャフト内側に従来の約5分の1となる極薄素材を配置し、45度方向のバイアス層を分散。軽量・薄肉でありながら、先端部のねじれ剛性を飛躍的に高めています。

画像: RIP+テクノロジー

RIP+テクノロジー

シャフトバリエーション

重量帯は50g・60g・70g・80g台の4種類。フレックスはS・X・TXを基本とし、50g台と60g台にはRフレックスも用意されています。

シャフトデザイン

外観はクリアーグレーを基調に、手元側のオレンジ帯が目を引く一目でORANGEシリーズとわかる王道のデザインです。近くで見ると手元側にオレンジとブラックのクロスパターンが配され、帯のカラーもやや鮮やかになるなど、最新モデルにふさわしいアップデートが施されています。

今回は人気の「50 S」と「60 S」を用意し、テーラーメイド Qi4D(10.5度)のヘッドで検証していきます。

TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺ 50S

50S 
シャフト重量:53.0g 
トルク:4.8
調子:中元調子
シャフト振動数:259CPM
テストヘッド:テーラーメイドQi4D(10.5度)

今回は人気のシャフトスペック「50 S」と「60 S」を用意して検証していきたいと思います。

日本市場で最も人気の50Sは、1Kクロスで補強しながらも53gと軽量に仕上がっています。先端のRIP⁺テクノロジーにより重量を増さずにねじれを抑え、カウンターバランス設計による振り抜きやすさを両立しています。

画像: TENSEI 1K PRO ORANGE RIP 50S

TENSEI 1K PRO ORANGE RIP 50S

実際にスウィングすると、事前のイメージを心地よく裏切る「振り抜きの良さ」に驚かされます。手元側の過度なハリ感が抑えられており、意識しなくても切り返しで自然とタメが生まれます。タイミングが合わせやすく、シャフト全体のしなりをスムーズに生かせます。

中間部は滑らかに動き、先端部は「RIP⁺」の効果で当たり負けせず、ボールをしっかり押し込めます。弾道は打ち出しを抑えた中弾道ストレート〜ややドロー。つかまりも良好で、バックスピン量は20球平均で2600rpm(±200rpm)と、吹き上がらない力強い球筋が得られました。

大慣性モーメントの大型ヘッドでもフィニッシュまで一気に振り抜けるスピード感があり、左への巻き込みを抑えた「扱いやすい剛性感」に仕上がっています。これまで「TENSEIはハード」と感じていた方のイメージを大きく覆すスペックです。

是非試していただきたいと思います。

TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺ 60S

60S
シャフト重量:64.0g 
トルク:3.8
調子:中元調子
シャフト振動数:261CPM
テストヘッド:テーラーメイドQi4D(10.5度)

アスリートに人気の60Sは、50Sに比べて手元側の剛性が上がり、しっかり感が増します。ただし過度な硬さはなく、前作「1K PRO ORANGE」よりも全体的にしなやかで切り返しやすい設定です。

中間部の適度なしなりがヘッドをスムーズに導き、先端部の高い剛性によってプレーヤーのイメージ通りにヘッドをコントロールできます。

画像: TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺50Sと60Sの評価

TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺50Sと60Sの評価

厚いインパクトでヘッドのパフォーマンスをフルに引き出せ、基本弾道は中弾道ストレート。左右の打ち分けも容易で、バックスピン量も平均2600rpm(±200rpm)前後に収まります。

芯のある剛性がありながらもフィーリングはマイルドで、力みがちなアスリートゴルファーでも気持ちよく振っていける安心感があります。

画像: TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺50Sと60Sの吉田氏による評価

TENSEI 1K PRO ORANGE RIP⁺50Sと60Sの吉田氏による評価

弾道安定性を求めてアスリートモデルを選びたいものの、硬さによる力みで振りにくさを感じていたゴルファーにとって、今作のマイルドな振り心地と先端の安定性は大きなメリットになります。ぜひ試していただきたい完成度の高いシャフトです。

是非試していただきたいと思います。

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