▼日本のメディア初潜入!「ザ・キングダム」でのフィッティング動画 本編はこちら!
テーラメイド「The KINGDOM」でHS42m/sの編集長がフィッティング体験! 完璧な自分仕様が組み上がる一部始終を大公開 #ドライバー #アイアン #テーラーメイド
www.youtube.com自分とはヘッドスピードも持ち球も違うゴルファーのスペック選びを見ても、正直なところ参考にしづらい、そう考える向きも多いだろう。しかし筆者(みんなのゴルフダイジェスト編集長・菊地)自身が体験した「劇的な弾道変化」とそれを裏付けるデータは想像以上であり、普遍性を持つものだった。

米カリフォルニア州・カールスバッドにある「The Kingdom」。世界のトッププロのフィッティング、またクラブやボールのテストを行うテーラーメイド自慢の施設だ
舞台は米カリフォルニア州カールスバッドにあるテーラーメイドのフィッティングの聖地「The Kingdom(キングダム)」。タイガー・ウッズやローリー・マキロイら世界のトッププロがさまざまなテストに訪れるこの地で、ワールドクラスのフィッティングに臨んだ。
担当してくれたのは、マスターフィッターのデュエイン・アンダーソン氏と、カスタムプロダクトディレクターのマシュー・シモーネ氏。彼らが見せてくれたのは、経験則や感覚に頼らない、極めて合理的な「フィッティング理論」だった。

左:デュエイン・アンダーソン(Duane Anderson) キングダム マスターフィッター
右:マシュー・シモーネ(Matthew Simone) カスタムプロダクト ディレクター
ドライバー編:打点ブレを起こさないシャフトの絞り込み

名前入りの打席にテンションが上がる!
まずはドライバーのセッションからスタートした。用意されたのは、筆者が普段愛用しているスペックに近い最新ヘッド「Qi4D(10.5度)」に、軽量シャフト「AIR SPEEDER(5S)」の組み合わせだ。

Qi4Dシリーズの中心にあたるコアモデル。使用中のヘッドに合わせ、ロフト10.5度でテスト
「Qi4D」は、圧倒的なボール初速性能とミスヒットへの寛容性を高次元で両立し、スリーブやウエイトも含めてゴルファー個々のスウィングに自在に寄り添える「テーラーメイド史上、最もフィッタブルなヘッド」として開発された人気モデル。
しかし緊張のなか放った数球は、低いフックや逆に右へすっぽ抜けるなどお世辞にも良い結果とは言えない内容だった。
苦笑いの筆者に対し、弾道計測器・GCクアッドの画面を見つめていたデュエイン氏はこう告げた。
「データを見る限り、そのシャフトの特性はお勧めできません。ですがヘッドは『Qi4Dの10.5度』のままで完璧に合っています。ヘッドはいじらず、シャフトだけを替えましょう」
球が散ったりスピン量が多すぎたりすると、つい「ヘッドやロフトを替えよう」と考えがちだ。しかしキングダムの流儀は違う。「変数を一つに絞る(ヘッドを固定し、シャフトだけを替える)」ことで、何が原因なのかを明確にあぶり出す。いっぺんにヘッドもシャフトいじっては、どこに問題があるのかの特定に余計な時間を費やすことになるのだ。
マシュー氏が着目したのは、フェースの開閉速度を示す「クロージングレート」という数値だった。

クロージングレートについて説明を受ける筆者
「菊地さんのクロージングレートは、フェースを返しすぎず、返さなすぎもしない『中間(ミドル)』の範疇。最初のシャフトは軟らかくねじれも大きかったので、ヘッドが戻るタイミングが合っていなかったですね」
そこで方向性を探るべく、2本目に手渡されたのがテーラーメイドのオリジナルシャフト「REAX ブルー 60(S)」(米国仕様)だった。ややしっかりとした剛性感を持たせた中調子系である。

基準となったシャフト「REAX BLUE 60(S)」
実際に打ってみると、剛性感が高くブレに強い頼もしさがあり、強い負荷をかけても受け止めてくれる安心感がある。ただ感覚的に、少々しっかりしすぎている印象もあった。
フィッター陣から「打感はどうですか?」と問われ、率直に「少し硬く感じます」と答えると、デュエイン氏は納得した様子で頷いた。
「その感覚に同意します。中間のタイプが必要だという方向性は合っていますが、もう少ししなりを感じられるマイルドさが必要ですね。慣れ親しんだ振り心地の良さを残しつつ、最適な中間の特性のモデルへシフトしましょう」
闇雲に何本も試すのではなく、基準となる1本(REAX ブルー)を挟むことで「必要な剛性のゾーン」を正確に特定する。フィッティングのプロによる絞り込みの手順には無駄がない。
そして3本目にセットされたのが、「24ベンタス ブルー 6(S)」だった。

24ベンタス ブルー 6(S)
振り抜くと驚くべき打球が飛び出した。力強い弾道で真っすぐ飛び出し、落ち際でわずかに左へ戻る完璧なドローボール。2球、3球と打っても打点は見事なまでにフェースセンター。スピン量も理想的な2300rpm前後で落ち着いた。
「球のつかまり方が明らかに変わりました!」
さらに驚いたのは、ヘッドスピードが自然と2〜3mph(1m/s前後)ほど上がった点だ。もちろん強く振ったわけではない。デュエイン氏が理由を示してくれた。

最初に打った「AIR SPEEDER」。打点にバラつきが見られる

「Qi4D」と「24ベンタス ブルー」のテスト結果。打点がまとまったうえに、クラブスピード、ボール初速もアップ!
「シャフトの挙動がマッチして振り心地の安心感が出たことで、無意識にアグレッシブに振れるようになったのです」
ここで筆者は、気になっていたドライバーの長さについて疑問をぶつけてみた。
「自分はさほど背が高くない(170cm)ので普段は45インチですが、今回の45.5インチで大丈夫かなと。短めにした方が安全じゃないですか?」
デュエイン氏の答えは明快だった。
「明確な理由がない限り長さを変える必要はありません。短くするのは『芯に当たらないとき』の解決策。45.5インチで完璧に芯でとらえられているなら、シャフトは長い方がヘッドスピードを稼げます。芯に当たるなら、わざわざ短くして飛距離を捨てる理由はないでしょう?(笑)」
「長いと振り切れない」「身長に合わせて短く」というのは思い込みで、45.5インチは単なる「数字」に過ぎない。実際に打ち、ショットデータ的に申し分ないなら、その人にとって「長い」ということにはならないのだ。
アイアン編:ターフの削れ方と「重さ」に対する考え方
続いてはアイアンのセッションだ。ヘッドは筆者が愛用するモデルに近いシャープな中空構造「P770」の7番アイアン。

ネック調整が可能なフィッティング用の「P770」。7番のロフトは33度
「P770」は、上級者が好むコンパクトでシャープなルックスでありながら、中空構造と高度なテクノロジーによって高い寛容性と飛距離性能を秘めているアイアンだ。
手始めにカーボンシャフトでテスト。「キングダム」ならではの絨毯のような天然芝からのショットで、デュエイン氏が真っ先に確認したのはモニターの数値ではなく、「ディボット跡」だった。

この場所で打てるだけでもゴルファー冥利に尽きる
「最初のシャフトは、トウ(先)側が深く削れて斜めになっていますね。インパクトでシャフトがしなりすぎてトウダウンを起こし、フェースが斜めに入っていた証拠です」
そこで次にセットされたのが、中調子系スチール「KBS TOUR LITE(100g)」だった。

100g台の「KBS TOUR LITE」
手渡されたクラブで放った1打は、ピンに真っすぐ飛んでいく会心の一打。そして、ディボット跡はきれいに均一な長方形を描いていた。適正なしなりによってヘッドがスクエアに着地し、芝の抜けが劇的に改善したのだ。
しかし、ここで筆者の頭をよぎったのが「アイアンは重いスチールシャフトのほうがブレないのではないか?」という一般論である。過去に重いシャフトを勧められた経験を伝えると、デュエイン氏は、「では、重いものを試してみましょう」と、重量感のある「KBS TOUR(120g)」を組んでくれた。
結果は明白だった。打つと球は目標よりも左へ巻き込む弾道に。

丹念にディボット跡を確認する。芝の整ったキングダムだから得られる貴重な情報だ
「不思議なのは、重いシャフトのほうが曲がらないと一般的に思われていることです。あなたのように、シャフトが重すぎると振り遅れを嫌がって手が過剰に反応し、かえって左へのミスを誘発するケースは往々にしてあります」
その後も複数のシャフトを試したが、「KBS TOUR LITE」を上回る結果は出なかった。
「重い=安定する」は万人に当てはまるわけではない。自分にとって無理なく振り切れる最適な重量帯(筆者は約100g)を見つけることが、方向性を担保する鍵だったのだ。
ちなみにセッション中、デュエイン氏からハッとさせられる一言があった。筆者が次々と球を打ち続けていた際、彼がストップをかけたのだ。

複数のシャフトを打って本命の「KBS TOUR LITE」に戻った時に、良い当たりが出なくなる場面も。「練習場モードになってます。ターゲットを変えましょう。そこをしっかり狙って打ってください」(デュエイン氏)
「練習場モードになってはいけません。ここをゴルフコースだと思って、あの奥にある旗を本番と同じ気持ちで狙って打ってください」
コースと同じターゲット意識を持って打つことで、実戦同様の気持ちとスウィングが引き出される。指示通りに放ったショットは、見事なストレート軌道を描いてターゲットへと飛んでいった。

「P770」×「KBS TOUR LITE(S)」で決まり!
心地よい打感と抜けの良さ。そして何よりコースを想定した緊張感のなかでも、狙ったラインへ飛ぶ直進性の高さ。最新のテクノロジーが詰まったアイアンが、シャフトとの相乗効果で一層やさしく、頼りになる武器へと変わる。クラブ性能とキングダムのフィッティングの妙が見事に融合した結果と言えるだろう。
スウィングのクセに合ったシャフトを早めに見極め、最後はヘッドやネックで微調整する。ドライバーもアイアンも、導き出された結論はシンプルだった。
真のフィッティングとは、ゴルファーがもっとも気持ちよく振り抜いた結果が、そのまま最高の結果として弾道に現れるクラブを見つける旅と言えるだろう。
次回は、多くのゴルファーがセッティングに悩む「フェアウェイウッド&レスキュー編」をお届けする。
撮影/田邉安啓
テーラーメイド ゴルフ 「Qi4D」特設サイトはこちらから



