レッスンプロを育成(指導)するレッスンプロの先生が教える「ゴルフの教科書(基本)」。今回は「短いアプローチの練習法」について解説する。【レッスンプロの先生とレッスンプロの教科書から学ぶゴルフの基本130】
画像: 短い距離のランニングアプローチ

短い距離のランニングアプローチ

「クラブ逆さつなぎドリル」

画像: クラブを2本用意して、グリップ同士を逆さにつなぎ合わせる「クラブ逆さつなぎドリル」

クラブを2本用意して、グリップ同士を逆さにつなぎ合わせる「クラブ逆さつなぎドリル」

GD 前回はアプローチが得意になる「本、ノートはさみドリル」に取り組みました。

原田 今回はもうひとつのアプローチ上達ドリルについて説明します。それは「クラブ逆さつなぎドリル」です。まずクラブを2本用意して、グリップ同士を逆さにつなぎ合わせるんです。ポイントは、そのグリップ付近を両手で握る形をとることです。そうすると、一方のクラブのシャフトがグリップエンド側から長く伸びて、自分の左腰の横から背中側へ出ていく形になりますよね。

GD アライメントスティックのような棒でも代用できますか。

原田 そうですね。棒がなくてもウェッジ2本あればできるドリルなので、今回はウェッジをつなぎ合わせて握ります。構えるときはボールのすぐ近くに立って、手元を少し高めのハンドアップ気味にします。手元をお腹の前に置くのではなくて、左腰の横に逃がして構えるのが大きなポイントです。振り幅は時計の文字盤でいう7時~5時、あるいは8時~4時の範囲で、両手と両肩で作る二等辺三角形の形を変えないように動かしていきます。これが基本の構え方と振っていく手順になります。

ボールを遠くへ飛ばさない構え方と打ち方の練習法

画像: 手元をお腹の前に置くのではなくて、左腰の横に逃がして構えるのが大きなポイント

手元をお腹の前に置くのではなくて、左腰の横に逃がして構えるのが大きなポイント

GD 手元をお腹の前ではなく左腰の横に逃がして構えるのには、理由があるのですか。

原田 お腹の前にグリップがあると、ボールの近くに立てなくて邪魔になるからですよ。ここで説明するアプローチというのは30ヤード以内を寄せていくショットですから、ボールを遠くに飛ばす必要がないんです。だからフルスウィングみたいにボールから離れて立っちゃダメなんですね。パターを打つときみたいにボールの近くに立ちたいわけです。だからグリップを左腰の横へ逃がすんですよ。

GD 確かにお腹の前にグリップがあると、ボールに近づきにくいです。そういう理由があったのですね。

短いアプローチはヘッドを直線的に動かす

画像: 「クラブ逆さつなぎドリル」でヘッドを直線的に動かす

「クラブ逆さつなぎドリル」でヘッドを直線的に動かす

原田 そしてもうひとつ重要な理由があって、短いアプローチはターゲットラインに対してヘッドをできるだけ直線的に動かしたいんです。距離を出すショットならターゲットラインに対してヘッドはインサイドインの円軌道で振りますけれど、短いアプローチではフェースの角度もスウィング軌道もターゲットラインに対して常にスクエアに保ちたい。そのためにはボールのすぐ近くに立ってターゲットライン上を直線的に振る必要があるんです。

GD ボールの近くに立ってターゲットライン上を真っすぐ引いて真っすぐ振るために、左腰の横にグリップを逃がすわけですね。このドリルを行うことで、具体的にどういった効果が得られますか。

原田 一番の効果は、アプローチで一番やっちゃいけない手首の余計な動きを止められることです。手首を折ったり手元をこねたりして振ると、左腰から突き出ているシャフトが自分の腰に当たります。腰に当たらないように振るだけで、手首を使わずに体の回転で打つ動きが身につくんです。手に力が入らず、ボールの近くに立って直線的に振るから、フェースの向きもスウィング軌道もブレない。アマチュアがよく悩むザックリとかトップ、チャックリといった打点のミスを防いで、ボールにきれいにコンタクトできるようになりますよ。

GD ストローク中の手首や腕、体の動かし方で注意すべき点があれば教えてください。

アドレスで作った右手首の角度を途中で変えてはダメ

画像: 「右手首の甲側の折れ、アドレスで作った右手首の角度を途中で変えてはダメです」(原田プロ)

「右手首の甲側の折れ、アドレスで作った右手首の角度を途中で変えてはダメです」(原田プロ)

原田 右手首の甲側の折れ、アドレスで作った右手首の角度を途中で変えてはダメです。バックスウィングからインパクト、フォローにかけて右手首は甲側に折れたままの角度を最後までキープして振ります。それと、クラブを動かす動力になるのは手や腕ではなくて胸です。胸を動かす意識を持ってください。そのときに足腰をバタバタ動かすと軸が揺れて打点が乱れるので、ひざから下はできるだけ動かないように固定しておきます。

GD 前回教えていただいた両手のひらの間に板や本などを挟んで振る「ノートはさみドリル」も、これと同じ狙いなのでしょうか。

画像: 両手のひらの間に板や本などを挟んで振る「ノートはさみドリル」(写真)と合わせて手首を固定して直線的に動かす「クラブ逆さつなぎドリル」を練習する

両手のひらの間に板や本などを挟んで振る「ノートはさみドリル」(写真)と合わせて手首を固定して直線的に動かす「クラブ逆さつなぎドリル」を練習する

原田 まったく一緒ですよ。手首を固定して胸と腕の三角形で直線的に動かすという目的は完全に同じです。

GD このドリルで対応できる振り幅や距離感はどこまでが目安になりますか。

原田 イメージクロックでいう7時〜5時から8時~4時くらいまでが限界ですね。9時〜3時の振り幅になってくると、体の回転が入ってきますし、手首の折り込みやひじの曲がりも生じてきます。だから、7時〜8時から4時までの短い距離で、手首を使わずに直線的に打つ感覚を体に覚えさせる練習法だと思ってください。体の回転や手の動きが入らない短い振り幅だからこそ、手首を固めて胸で振る感覚が養えるんです。短いアプローチのミスに悩んでいる人には絶大な効果がありますよ。

●原田伝一(全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長)

はらだ・でんいち。1955年、横浜市出身。80〜82年、US・NGFインストラクターセミナー参加。ゴルフ指導者について研究を積む。83年、NGF日本ゴルフ財団チーフインストラクター就任。2010年、一般社団法人全日本ゴルフスクールプロ指導者連盟理事長に就任。数多くのレッスンプロを世に送り出している。

撮影協力/ 富士ヶ嶺グリーンゴルフクラブ、東名CC

アプローチの基本を解説


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