「静か」な兄(A1)と「大胆」な弟(B2)
今回は、4月に行われたチューリッヒクラシックで米ツアー初優勝を挙げたアレックス・フィッツパトリック選手を見ていくことにしましょう。前回、お兄さんであるマット・フィッツパトリック選手はA1タイプだと紹介しましたが、アレックス選手は、スコッティ・シェフラー選手、トミー・フリートウッド選手などと同じB2タイプです。
【動画】マット&アレックス、フィッツパトリック兄弟のスウィング比較【DPワールドツアー公式X】
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x.comまずインパクトからフィニッシュにかけて前傾角度が保たれているのがわかりますが、これはクロスタイプ(A1とB2)の特徴です。

左足が斜めになっているのはBタイプの特徴(撮影/岩本芳弘)
次に、体の正面からドライバースウィングを見てもらうと、左脚が斜めになり(垂直でない=左足に完全に乗り込んでいない)、右足に圧をかけながらインパクトしているのがわかると思います。これはBタイプの特徴で、結果としてアレックス選手がB2タイプだと判断できるというわけです。
先ほど、兄のマット選手はA1、弟のアレックス選手はB2だと説明しました。この2つは、下半身主導の動き(上半身に対して下半身を先行させる動き)を得意とするクロスタイプなのですが、動くべき部位と動かすべきでない部位が違うため、動作の見た目に違いが生まれます。

左が兄のマット、右が弟のアレックス(撮影/岩本芳弘)
たとえば、A1はみぞおちとひざが安定した状態で骨盤や肩甲骨などが動くため、動きが静かに見えるのに対し、B2は首の付け根と骨盤が安定した状態でひざやみぞおちが動くため、動作がダイナミックでアグレッシブな印象を受けることが多いのです。
実際、マット選手とアレックス選手のスウィングを見比べてもらうと、マット選手のひざの動きが小さいのに対し、アレックス選手のひざの動きが大きいこと。マット選手の動きが静かなイメージに対し、アレックス選手の動きは大胆なイメージがあることがわかってもらえるのではないでしょうか。

意識するといい場所は、A1:みぞおちとひざ/B2は首の付け根と骨盤のポジションを安定させること(撮影/岩本芳弘)
さて、そんなフィッツパトリック兄弟ですが、同じタイプの人が参考にするのであれば、動かすところよりも、動かさないところを意識するとよいでしょう。A1の人であれば、みぞおちとひざのポジションを安定させ、B2の人であれば、首の付け根と骨盤のポジションを安定させるのです。そうして、動かすべきでない部分をしっかりと安定させておけば、あとは「出力を出そう」とするだけで、動くべき部分は自然に動いてくれるものなのです。
また、どんなタイプであっても、インパクトまで足の裏が暴れないようにすることが大切です。足の裏全体で地面に圧力をかけ、しっかり踏んでから動き出す。そういう意識があると、スウィングは安定しやすいでしょう。アレックス選手やスコッティ・シェフラー選手などは、インパクト後に足裏が地面から離れるので、足裏が暴れていると思われがちですが、2人ともアドレスからインパクトまではしっかりと足裏で地面を踏み、その圧が抜けないようにしているということを理解してもらいたいと思います。
▶第1回「4スタンス理論を詳しく説明! あなたのタイプの見つけ方」を読む
A1タイプ
A2タイプ
B1タイプ
B2タイプ

監修/廣戸聡一(レッシュプロジェクト代表)
ひろとそういち。1961年生まれ。一般社団法人『レッシュプロジェクト』代表。スポーツ整体『廣戸道場』主宰。幼少時より、野球、剣道、格闘技を経験。高校卒業後、施療を学び、施療家の道を進む。現在は、施療家として、また一流のアスリートや芸能関係者を対象とした、体のケア、トレーニング、食事面の総合アドバイザーとして活躍中。JOC(日本オリンピック委員会)強化スタッフ、日本高等学校ゴルフ連盟公式強化役員、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のアドバイザーなどを務め、2011年『ゴルフダイジェスト』誌レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞する。






