今回は、先日行われたシェブロン選手権で優勝したネリー・コルダ選手を見ていくことにしましょう。美しくお手本のようなスウィングとして知られるコルダ選手ですが、彼女はタイガー・ウッズやベン・ホーガンと同じA2タイプです。
【動画】ネリー・コルダ、26年シェブロン選手権でのドライバーショット正面【LPGA公式X】
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x.comまず、注目してもらいたいのが、非常にシンプルなスウィングリズムです。コルダ選手を見ると、構えたらすぐに始動し、体の面を素早くサッ、サッと入れ替えて打っていることがわかります。このように、体重移動が少なく(横の動きがない)、構えたその場で瞬時に体を入れ替えられるのがA2の特徴。それゆえにA2は4タイプの中で最も動きがシンプルで、「お手本」とされる選手が多いのです。
A2タイプのスウィングを語る上で、キーになるのが「上昇」というワードです。バックスウィングでは、首幅を軸にして、右肩と右の骨盤が上昇すれば、自然に体の面は右を向いてグリップが上がり、そこから左肩と左の骨盤が上昇すれば、体の面は一瞬で左を向き、そこにグリップが自然に下りてくる。この右サイドの上昇と左サイドの上昇だけでシンプルにスウィングできるのがA2タイプの真骨頂で、その体の入れ替えの素早さがインパクトの強さとなって現れてくるのです。
【動画】ネリー・コルダ、26年シェブロン選手権でのドライバーショット後方【LPGA公式X】
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x.com次に、飛球線後方からスウィングを見てみましょう。まず、フィニッシュでは、体が起き上がり、体が地面に対して垂直になっているのがわかると思いますが、これはパラレルタイプ(A2とB2)の特徴です。ちなみに、クロスタイプ(A1とB2)であれば、前傾角度が保たれた状態(体が右に傾いた状態)でフィニッシュするので、他の選手と比較してみるとよいでしょう。また、打ち終わったあと、ひじが体側に収まった状態で目標を見ているのもA2らしい仕草と言えます。A2タイプの場合、ひじがこの位置に収まるとリラックスできるのです。
【スローモーション動画】ネリー・コルダ、26年シェブロン選手権でのドライバーショット後方【LPGA公式X】
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x.comA2タイプは横の動きがないと書きましたが、トッププロを見ると、他のタイプにおいても、昔よりもスウィング中のルーズな動きが減ってきているように思われます。これは、以前に比べて、選手たちが全身の柔軟性を重視しているからでしょう。基本的に、柔軟性が低いと、それを補うために体の各パーツが大きく動き、スウィングにルーズさが出てきてしまいます。しかし、柔軟性が高まると、体幹部で無駄な動きを吸収し、体幹で動きをコントロールできるので、無駄な動きがなくなってくるのです。そういう観点から見ると、ネリー・コルダ選手のシンプルな動きも、その柔軟性の高さがあってはじめて実現できるものだと言えるでしょう。

24年シェブロン選手権のネリー・コルダ(撮影/岩本芳弘)
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監修/廣戸聡一(レッシュプロジェクト代表)
ひろとそういち。1961年生まれ。一般社団法人『レッシュプロジェクト』代表。スポーツ整体『廣戸道場』主宰。幼少時より、野球、剣道、格闘技を経験。高校卒業後、施療を学び、施療家の道を進む。現在は、施療家として、また一流のアスリートや芸能関係者を対象とした、体のケア、トレーニング、食事面の総合アドバイザーとして活躍中。JOC(日本オリンピック委員会)強化スタッフ、日本高等学校ゴルフ連盟公式強化役員、日本ゴルフツアー機構(JGTO)のアドバイザーなどを務め、2011年『ゴルフダイジェスト』誌レッスン・オブ・ザ・イヤーを受賞する。


