PGAツアー・フェデックスカップ・フォールの舞台は、カリブ海からメキシコのビダンタ・バジャルタ(7337ヤード・パー71)へ。「ビダンタワールド・メキシコオープン」の初日、PGAツアールーキーの平田憲聖が8アンダーの「63」をマークし、首位と1打差の単独2位という絶好のスタートを切った。この「63」というスコアは、2025年の「ソニーオープン・イン・ハワイ」第2ラウンドで記録した自身のPGAツアー自己ベストに並ぶタイ記録である。

フェアウェイ・パーオン率ともに100%――全体2位の「SG: Total 6.253」

なぜこれほどのビッグスコアを叩き出せたのか。その理由は、彼が残した「パーフェクト・ショット」を示す客観的なスタッツを見れば一目瞭然だ。

画像: ビダンタワールド・メキシコオープン初日、PGAツアー自己ベストタイの「63」を出し2位発進した平田憲聖

ビダンタワールド・メキシコオープン初日、PGAツアー自己ベストタイの「63」を出し2位発進した平田憲聖

平田はこの日、パーオン率100%(18/18)、そしてフェアウェイキープ率100%(13/13)という驚異的な精度を記録した。ティーショットで確実にフェアウェイを捉え、そこから1ホールも漏らすことなくグリーンに乗せ続けたのだ。

さらに、グリーンを狙うショットのスコア貢献度を示す「SG: Approach to Green」は「3.196」で全体3位。ショットだけでなくパットやコース攻略も含めた総合貢献度「SG: Total」に至っては「6.253」を叩き出し、フィールド全体2位を記録した。平田自身が開口一番「ノーボギーのラウンドは久しぶりだった」と振り返った通り、出場120選手中ノーボギーで回り切ったのはわずか8人。まさにすべての歯車が完璧に噛み合った18ホールであった。

その完璧なラウンドを牽引したのが、後半に入ってすぐの3番(パー5)で奪ったイーグルだ。平田自身はこの一打について、「完璧な7番ウッドの距離で、完璧な7番ウッドのショットが打てた。それが(自分にとっての)後半の勢いを維持してくれた」と語っている。得意の距離から放たれた精度の高い一打が起爆剤となり、パーオン率100%という途切れない集中力と勢いを持続させる原動力となった。

バミューダでの苦杯を糧に――「大好きなメキシコ」で生還へ

平田の好スタートの背景には、前週の「バターフィールド・バミューダ選手権」での悔しい経験がある。彼は首位から出たバミューダでの第3ラウンド(土曜日)に「76」を叩いて失速し、悪天候の影響もあって立て直すチャンスを逃していた。

しかし、ルーキーはただでは転ばない。

「先週の土曜日は苦労したけれど、そこから学んだことを活かして今週に向けて良い準備ができた。ここはとても穏やかで、先週よりもずっと楽に感じる。暑さにも慣れているし、良い一日だった」

冷静に自己分析を口にする平田は、さらに「メキシコに来るのは3回目だが、間違いなく大好きな国の一つ」と笑顔を見せる。相性の良いリゾート地の空気感が、リラックスした最高の心理状態を引き出している。

強風のバミューダから、風が穏やかなメキシコへ。環境の変化を正確に読み取り、前週の反省を即座に修正して結果に結びつける修正能力の高さは、さすが日本ツアー6勝の実力者だ。

現在、フェデックスカップ・フォールのポイントランキングは170位。来季フルシード権獲得に向けて追い込まれた崖っぷちの状況下にあって、まだ先は長いが単独2位で終えると、ライブ予測ランキングは一気に116位までジャンプアップすることになる。

極限のプレッシャーがかかる勝負所で、自己ベストタイの「63」を叩き出す底力。完璧なショット力と冷静沈着なマネジメントを武器に、平田憲聖がシード獲得へ向けどのような旋風を巻き起こすのか、2日目以降の戦いから目が離せない。

写真/Getty Images


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