日本には約2000のゴルフコースがあるが、「誰もが回れて楽しめる」「100コース」を探し出そうというのが〝ゴルフ場調査隊″の目的です。第5回は「富士カントリークラブ」。東名高速道路「御殿場IC」からわずか3分という好立地にありながら、富士山麓の自然を色濃く残す、美しくも楽しい丘陵コースです。ちょっと早めに着いたので、散歩散歩。
開場は昭和33年。御殿場市で最初に出来たゴルフクラブらしく、歴史を感じさせるエントランス。赤松の幹が太い!
開場当初から1グリーンだったというベントグリーンの芝はニューベントA2。スピードは写真の通り。芝目も相まって、表示よりもだいぶ速そうです。高速グリーン好みの私としては楽しみです。
よかった、まだ誰もいない…。なぜ早く来たのかと言うと、この日は大学の体育会ゴルフ部員たちが、秋のリーグ戦に向け、錬ランに来ているという話を耳にしたからです。現役ゴルフ部に見られたくないじゃないですか…(ゴルフ部OB)。さて、練習場は11打席200Y。実際は230くらいある気がします。
パットとショートゲームの練習をサラッとしたら、いざ!
ゴルフ場調査隊は青ティ(6469Y)を選択。インの10番パー4からスタートです。気持ち良い打ち下ろしホールで、グリーン向こうには、御殿場プレミアムアウトレットの観覧車が見えます。
距離が控えめなので、簡単かと思いきや、手造りコースらしく、フェアウェイは自然のアンジュレーションが色濃く残されており、1打目の置き場所に悩むところ。
でも、最新のGPSナビつきカートが、コースの細部に渡るまで、きっちり教えてくれます。
「コース内で湧き水を飲めるとこ、少ないんだよね~(隊長)」途中で飲んだ湧き水は、甘くてウマかった!
途中、女子大生の 盗撮 記録も収めたりして…。
右が危険なイン9ホールに対し、アウト9ホールは左注意。インは反時計回り、アウトは時計回りのルーティング。午後は右セーフだから何とかなるかと思いきや
あっ…引っかけた……。
距離は短めですが、適度な狭さと戦略性の高さから、気が抜ける場面は皆無。飛ばし屋が優位なわけでもなく、だからといって、ショートゲームだけでどうにかなるわけでもない。マネジメントも含めた総合力が高いレベルで試されるコースです。※それだけ叩いて何言ってんだ、というツッコミは…。
芝生のコンディションもいいし、景観も最高で、回っていて飽きない。というより回っている最中に、「また富士カン来たいな~」なんて思ってしまうほどでした。
最終9番パー4グリーン奥には、クラブハウスが。「ホームランしたら、ガラス代いくらになるんだ…」などと仕方ないことを考えつつ、このハウスが建築家フランク・ロイド・ライトとともに旧帝国ホテル建設のため来日し、帰国までの間に、多くの有名建築を手がけた、チェコ出身の建築家「アントニン・レーモンド」氏設計のものだと思い出す。
ちなみにレーモンド氏は、実業家・赤星鉄馬氏の自宅も手がけましたが、鉄馬氏の弟はあの赤星四郎氏や六郎氏。そういえば六郎氏が設計した相模CCのクラブハウスもまたレーモンド設計。余談ですが弊社ビルの耐震検査もレーモンド設計事務所が……!
建築好きとしては、コースだけでなく、クラブハウスも楽しめたので、一石二鳥のラウンドでした。